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スピードトレーニング Archive

スピード養成期・9

【スピード養成期・9】前々回、トラックレースを積極的に走る理由について3つあげましたが、今回からそれぞれについて考えていきます。

■理由1).スピードを出せるランニングフォームの体得。

最初から話が矛盾しますが、まずははじめに理解しておく点として、「正しいランニングフォームは存在しない!?」。もう少し言い方を変えると、「ランニングフォームは個々に違う」と、言う点です。

つまり、個々に顔や体型が違うように、ランニングフォームも個々に違い、個々の体型や身体の特徴に合ったランニングフォームがあります。そのため、ランニングフォームの美しさと、怪我や故障のリスクが高いか否か、速く走れるか否かとの関連性は必ずしも一致しません。

従って、上記した「スピードを出せるランニングフォームの体得」と、言うのは個々にランニングフォームの違いがあり、個々にとっての「スピードを出せるランニングフォーム」と、言うことになります。

前置きが長くなりましたが、ランニングフォームについて最も重要な視点のひとつなので、まずはこの点を理解しておく必要があります。

次に、ハーフマラソンやマラソンはアスファルトやコンクリート等で舗装された硬い路面上を走ります。同時に、スタートからゆとりある一定のペースを保ち、長時間走り続けるため、ランニングフォームもエネルギーロスを抑えようと、コンパクトに効率的になっていきます。

これはどのランナーもそのようになっていきます。具体的には、上下動が少なくなっていき、腕振りはダイナミックからコンパクトへ、更にストライドからピッチを意識したランニングフォームに変化していきます。

もちろん、ランニングフォームの効率化としては喜ばしいことで、怪我や故障防止にもつながります。ところが、年間を通じてハーフマラソンやマラソンばかり走っていると、短い距離からマラソンまで全て同じようなスピードしか出せないランニングフォームに陥ることがあります。少なくとも市民ランナーの方々を指導していると、意外と多く見受けます。

その結果、ハーフマラソンやマラソンの記録も短期間で頭打ちになります。

スピード養成期・7

【スピード養成期・7】前回の続きになりますが、トラックレースはスピード、ロードレースはスタミナのような印象を受けると、話しをしました。

これについては前回説明したとおり、走る路面の違いからの影響が大きく、トラックレースは弾むような路面からより速いスピードを追及できるような軽やかなランニングフォームが要求されます。

一方のロードレースは、硬い路面からのダメージを抑えながらより長い距離を走り切れる効率的なランニングフォームが必須です。もちろん、単純にランニングフォームから全てを説明することはできませんが、大きな違いのひとつであると思います。

そして、トラックレースとロードレースの最も大きな違いは、レース中の景色が同じか否かです。つまり、トラックレースは1周400mの同じトラック上をひたすら周回するため、景色に変化がありません。しかし、ロードレースは一般の公道を使って街中や郊外を走るので、レース中の景色が変わります。

そのため、同じ場所を単に周回するトラックレースは、精神的に苦手とする声はよく耳にします。逆に、トラックレースは400m毎のラップタイムを正確に把握できるので、ロードレースより走り易いと言った声も耳にします。

このようにトラックレースとロードレースでは感覚的な違いもあり、どちらが走り易いかについては個々によって違います。しかし、マラソンを最大の目標とするランナーにとって、課題のひとつであるスピード養成を実現するためには、トラックレースは必須であると言えます。

その主な理由を上記した中から集約してみます。

■理由1).スピードを出せるランニングフォームの体得。■理由2).正確なスピード感覚の体得。■理由3).精神的スタミナの体得。

もちろん、他にもあると思いますが、次回からこの3つについて掘り下げていきます。

スピード養成期・5

【スピード養成期・5】5月2日(火)から5月6日(土)の日程で、日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を長野県菅平高原において実施しました。

今回の合宿は「スピード強化」をテーマにトレーニングを実施しました。したがってポイント練習はトラックでのトレーニングがメインとなります。いわゆるインターバル走やペース走です。

同時に4月までは、ロンドンマラソンやかすみがうらマラソンを目標にしたマラソントレーニングが中心だったので、トレーニングの流れを切り替える移行期にも相当します。

また、菅平高原の標高は1200mから1500m前後の高地でもあるので、心肺の強化に最適なのは言うまでもありません。実際に走ってみると分かりますが、菅平高原に到着して直ぐにジョギングをすると、心拍数が普段より多く、息苦しさを感じます。

さて、そんな環境の中、今回のトレーニングは、インターバル走とペース走の2本立てです。具体的には、どちらも設定ペースを落とし気味にし、途中でペースを切り替える内容としました。

実際にインターバル走で1200mを5本実施する場合、最初の800mを抑え気味に走り、最後の400mをペースアップします。同様に、12000mのペース走の場合は、2000mを抑え気味に走り、次の1000mをペースアップする3000mを1セットとし、それを4回繰り返しながら12000mを走ります。

そして、午前中にインターバル走を実施したら午後はペース走と、1日に2つのポイント練習を実施する流れにもしました。もちろん、強度は高くなりますが、マラソンを目指した合宿と違い、1日の走行距離は半分程度になります。

ところが、スピード練習に移行できていない選手が多いこともあり、こちらが指示した設定タイムどおりに走れた選手は少なく、強化合宿のトレーニングとしては厳しい内容となりました。

一方で、どの選手も身体に大きな刺激が入った点は間違いなく、どの選手もこの強化合宿の後に続くトラックレースにつながる有意義な苦しみだったと思います。

スピード養成期・4

【スピード養成期・4】今回はスピード練習に移行する前の準備期における具体的なトレーニングを考えていきます。

前回記載したとおり、スピード練習に入る前に必要な準備として、「筋力の養成」と「フォームの養成」の2つをあげました。この2つの課題を満たせるトレーニングとして推奨するのは起伏走です。いわゆるアップダウンのあるコースを走る「クロスカントリー」がその代表的なトレーニングになります。

理想は芝生のある広い公園で適度な起伏があり、ある程度の距離を周回できるコースを作れれば問題ありません。もちろん、そんな広い公園が近くにある方は限られていると思いますが、近所の道路でも起伏のあるコースであれば大丈夫です。但し、起伏と言っても山道を走るような険しいコースは、怪我や故障のリスクが高まるので避けるようにしましょう。

果たして、実際に適度な起伏のあるコースで、スピードの強弱をつけて走ったり、上り坂を勢いよく駆け上がったりしながら一定の距離や時間を走ると、多くの方が翌日以降は筋肉痛になります。それは、3月までしっかりとマラソンを走ってきた多くの方も同様です。

つまり、マラソンや平地でのロング走で使われなかった筋肉を刺激している証拠でもあり、起伏走は平地以上の負荷がかかるトレーニングと言えます。もちろん、起伏を走ることで心肺機能への負荷も加わるので、そちらの強化にもなります。

更に、起伏を走るとスピードや全身への負荷も変化に富むので、必然的にそれに合わせた自在でダイナミックな動きも必須になります。つまり、変化に合わせられるランニングフォームの養成にもつながります。その結果、スピードの変化に対応できる自分自身に合ったランニングフォームに修正されていきます。

また、起伏のあるコースで走るのが難しい方は、単に100m程度の坂道走(上りも下りも)を取り入れる。また、平地やトラックにおいては、100m程度の距離をスピードに強弱をつけて走るウィンドスプリント(流し)を何本か繰り返すことでも同様の効果を期待できます。

実際は、上記したようなトレーニングを週に何回か取り入れながら、その間に軽めのスピード練習を加えていくと良いでしょう。それをある一定期間継続し、身体の筋肉痛も感じなくなり、スピードに乗れるスムーズなフォームが身についてきたと体感できてから、本格的にスピード練習の質と量を上げていきましょう。

スピード養成期・3

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【スピード養成期・3】多くの方が、昨年の10月から今年の3月までの間、各地のマラソンを走ってきました。それは同時に、スタミナ養成にもつながっており、これからスピード養成をしていく上で、十分な土台を構築しているとも言えます。

特に、マラソンで自己記録更新を達成できた方々については肉体的なスタミナはもちろん、精神的なスタミナも充実しています。したがって、これからはじまるトラックレースや10k以下の短いロードレースにおいても自己記録の更新が濃厚な状態であると感じます。

そして、4月に入ると積極的にインターバル等のスピード練習を取り入れていきます。ところが、スピード練習に耐え得る十分なスタミナが身についているにも関わらず、怪我や故障が多くなるのもこのタイミングでもあります。

怪我や故障の主な原因は、まさにいきなり激しいスピード練習を実施するからですが、別の言い方をするならスピード練習を導入するための準備が整っていないからなのです。具体的には大きく2つの準備が必要と考えます。

■準備1).筋力の養成:マラソンより速いペースで筋肉に強い刺激を与えるので、酸素の供給が不十分な状態で筋肉を動かすことになります。その結果、激しい筋肉痛が発生したり、肉離れをおこす結果を招いたりします。つまり、速いスピードを出せるように脚筋力をはじめ、全身の筋力を養成しておく必要があります。

■準備2).フォームの養成:速いスピードを出すことは、単にガムシャラに走ることではありません。効率の良いランニングフォームが大前提になります。特に、マラソンを走ってきた方々は、フォームがコンパクトになっている傾向が強いと感じます。そのため、スピード練習に対応できるダイナミックな動きを取り戻しておく必要があります。

以上の2つがスピード練習前の準備としては、最低限必要なことです。繰り返しますが、誰もが知っているスピード練習は準備を怠ると、大きな怪我や故障と紙一重であることを十分に理解した上で、取り組んでほしいと思います。

スピード養成期・2

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【スピード養成期・2】前回も記載したとおり、マラソンにとっての土台は持久力(スタミナ)です。スピードはその土台である持久力の上にのせていくイメージと考えます。

したがって、マラソンの記録短縮を目指していくには持久力とスピードの均衡を考えながらトレーニングを積み上げていく必要があります。ところが、一般的には持久力とスピードを同時に養成していくことは難しく、持久力が上がるとスピードが鈍り、スピードが上がると持久力が落ちる関係にあると言われています。この点は私の経験からもそう感じます。

そのため、まずは持久力である長く走る力をいかに身体にしみ込ませていくかが最初のポイントになります。持久力が高いと言うことは、有酸素能力を高めることでもあります。まさに土台つくりです。

そして、その身に付けた持久力の上にスピードをのせるイメージになります。ところが、スピードは無酸素能力と言われており、スピードを上げていくと乳酸が発生し、筋肉が疲労していきます。

つまり、マラソンも単に完走目的から記録短縮が目標になっていくと、スピード的な要素が加わり、極端に言えば無酸素運動の要素も加味されるようになっていきます。実際のマラソンレースにおいても、前半でスピードを上げ過ぎると、乳酸と言う借金が身体に蓄積されていくことになります。

よくマラソンレースで前半のハーフを予定より速く走ることを「貯金する」と言っているランナーがいますが、実際は借金になります。そして、後半は更に疲労して借金を重ねることになるので、前半の借金が大きいランナーは、30k以降にいわゆる破産状態(※)に陥る可能性が高いとも言えます。※大失速や途中棄権

と、言いながら自分自身が借金できる範囲を把握し、うまく借金しながらゴールできれば逆に記録短縮にもつながります。つまり、土台である持久力と言う貯金と、スピードと言う借金をうまくやり繰りしていけるか否かが、記録短縮のポイントであるとも言えます。

この点の考え方については、このブログでも何度か取り上げておりますが、スピード養成に入る前に再確認してほしいと思います。

スピード養成期

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【スピード養成期】前回も話しましたが、最近は1年間を通じてマラソン大会が全国各地で開催されており、季節に関係なくマラソンに出場することが可能になっています。

そのため、単に全国のマラソン大会を走り、大会毎のコースやその景色等を楽しみつつ完走が第一の目的である方なら年間を通じて楽しめる時代です。ところが、マラソンの完走ができるような持久力が身に付いてくると、単に完走目的で走っていた方でもだんだんと記録短縮を意識するようになっていきます。

すると、次回のマラソンは「4時間突破を!」と、言ったように目標が完走からタイム短縮にシフトして行き、それぞれの試行錯誤がはじまります。この時、これまで同様、年間を通じて毎月のようにマラソンを走り続けることでタイム短縮を目指す方もいるでしょう。

逆に目標タイムから5キロ毎の設定タイムを導き、その設定タイムどおりに走ることで目標タイムを目指す方もいるでしょう。このように、ランナー毎にそれぞれの方法でマラソンの記録短縮を目指していきます。

ところが、どのレベルのランナーであっても、それぞれの走力毎の壁が必ず出てきて、簡単に短縮できた記録もやがて頭打ちになっていきます。この点は、実業団選手や学生選手においても同様で、右肩上がりに記録をずっと短縮できる人はいません。

そのため、多くの実業団選手や学生選手たちは、最初にトラックや駅伝等でスピードを高め、少しずつ距離をのばしてマラソンに到達する流れで走り込みを継続していきます。一方、多くの市民ランナーの場合、最初からマラソンを完走できる持久力を身に付ける逆のパターンが一般的です。

もちろん、マラソンの場合、最も重要な要素は長い距離を走り続ける持久力であるのは言うまでもありません。すなわち、まずはマラソンを完走できる持久力を身に付けることが第一になります。しかし、市民ランナーの方も上記したように完走からタイム短縮へ目標がシフトしていくと、目標タイムを達成するためには、速く走る要素が加わって行きます。

つまり、実業団選手や学生選手たちのように最初からスピードを高めていなかったとしても、マラソンの記録短縮を目指していく以上、市民ランナーの方も必ずどこかでスピードを高める要素が不可欠になって行くと考えます。

マラソンのスピードについて・2

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【マラソンのスピードについて・2】前回、5千メートルと1万メートル、更にマラソンの記録についての関係を確認しました。今回もその続きになります。

マラソンの記録を短縮するには、1万メートルの記録を短縮することが、ひとつのカギとなります。そして、1万メートルの記録を短縮するには、5千メートルのスピードを強化することが、必須となります。

もちろん、単純にそのことが当てはまらないケースもありますが、マラソンの記録を短縮するのに、5千メートルの記録短縮がひとつのポイントになるに違いありません。

つまり、マラソンに向けたスピード強化についても5千メートルの記録短縮が大きなカギになります。そして、そのためのトレーニング方法がひとつのポイントになります。

次回から5千メートルの記録を短縮するための具体的なトレーニング方法等について考えていきます。

期分け・97

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【期分け・97】実業団選手や箱根駅伝選手たちとの相違点である、3つ目について考えていきます。まずは、3つ目の相違点を振り返ってみます。

◆相違点3).いつもと同じ環境の中で暑さ対策を考えていく必要がある。

少し、ネガティブな感じですが、多くの市民ランナーは、実際に涼しい高原等での長期合宿(短期も)を実施することは難しい環境です。したがって、今ある環境の中で何か対策を考えていく必要があります。もちろん、気温が35度をこえるような猛暑の中で走り込むことは、健康的ではありません。

しかし、暑いので何もしないでは、マラソンを目指すと言う意味では逆に「走力の衰え」にもつながっていきます。まさにこの矛盾との戦いが、暑さを克服していくポイントとも言えます。

そこで、具体的な暑さ対策をいくつかあげてみます。

◆対策1).涼しい時間帯を有効活用。

特に、涼しい早朝に走ることを強くおすすめします。なぜなら、早朝練習を実施するには起床時間を決める必要があります。同時に夜更かしができなくなります。そのため、ランナー的生活の基本である「規則正しい生活習慣」を身につけることにもつながります。実は、「規則正しい生活習慣(早朝練習)」を定着させる季節としては、逆に夏が最適なのです。

◆対策2).距離より時間で管理。

気温の高い中において、長距離を走ることは様々なリスクがあります。特に、暑い中において30kとか40kと、走る距離を決めてスタートすることはとても危険です。なぜなら、距離を決めるとペースが気になり、結果的には涼しい季節との比較になってしまい、肉体的にも精神的にもリスクが高くなるからです。そこで「何分走る」と、暑い夏は時間管理にシフトし、ゆっくり動き続けることを意識しながらマラソンに必要不可欠なスタミナの土台をつくることに主眼を置くようにします。もちろん、途中でウォーキングを取り入れ、ランニングと交互に繰り返すことも暑さ対策としては効果的です。

◆対策3).給水の確保。

何と言ってもこれが最重要ですね。特に、多くの市民ランナーは単独で走り込むことが多いので、給水対策も自分自身で考える必要があります。具体的な対策例として、予め給水を準備し、ランニングコース上に置いたり、人目につかない場所に置いたりしますが、肝心な時に準備していた給水が紛失していた話しは良く聞きます。そこで、夏は予めランニングコース上を下見し、自動販売機やコンビニがどこにあるかを確認しておき、小銭を持って走ることをおすすめします。これは、万が一体調不良になった時、助けを求める意味で予防対策にもつながります。

以上、駆け足で暑さ対策について話しをしてきましたが、年々暑さが厳しくなってきているようにも感じます。とてもランニングどころでは無いと言うのが本音ですね。しかし、夏は秋からのマラソンシーズンに向けた基礎体力(スタミナ)を養成する大切な時期でもあります。したがって、上記したことにこだわらず、水泳や山登り等、夏に相応しいスポーツを積極的に取り入れていくことも暑さ対策としては正解です。暑い夏だからこそ、ランニング以外のスポーツにも視野を広げてみることは大切かもしれませんね。

期分け・96

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【期分け・96】引き続き、夏の走り込みについてです。前回は、「夏の走り込み」と言っても実業団選手や箱根駅伝選手たちとは相違点があり、具体例を3つあげました。今回もこの点についてもう少し考えていきます。

◆相違点1).長期合宿のために休日取得が難しい。

一般的な見方になりますが、ほとんどの方は有給休暇と言え、勝手気ままに取得することは難しいと思います。したがって、夏季でも週末を活用した短期合宿や練習会が、走り込みのメインとなります。そして、重要なポイントのひとつとして、短期合宿の場合、合宿地までの移動時間をしっかりと計算しておく必要があります。具体的には、早朝に自宅を出発しても午前中には余裕を持って到着できる移動距離が短期合宿地への移動範囲と考えます。もちろん、夏休みを活用し、2泊以上の合宿を実施する方もいるでしょうが…。

◆相違点2).合宿をサポートしてくれる仲間や環境を確保することが難しい。

合宿地を決めたら、次に宿泊先や現地までの移動手段を確保する必要があります。同時に、うまく確保できた場合、現地に移動してからの動きが重要になります。具体的には仲間から合宿の話しだけ聞き、現地での土地勘が薄い方々だけでいくと、「どこをどのように走るのか」、「聞いていたクロカンコースまで遠すぎて移動できない」等々のトラブルが必ず発生します。同時に、現地練習での給水や備品等の段取りも意外と大変です。

以上の2点については、走り込み以前の話しになります。しかし、物事は何でもそうですが、段取りが大切です。実は、実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームには、優秀なマネジャや主務と言われる専門の裏方が必ず常駐しています。そして、合宿はもちろん、ありとあらゆる段取りやサポートを仕切っています。

したがって、選手たちは、常に「走ること」だけに没頭できます。コーチは、常に「選手を観察」することに没頭できます。このように、強くて安定しているチームには、必ず優秀な裏方がいるのです。

ところが、一般的な市民ランナーの短期合宿や練習会に、このようなサポートできる方を常駐させることは相当難しいと思います。そのため、短期合宿を企画する際はこの点を十分に吟味し、合宿地に精通した仲間の確保や現地での移動手段に必要な車や自転車、練習に必要な給水等の備品をどのように準備するかを、まずはじっくりと吟味することが短期合宿への第一歩となります。

つづく。

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