Home > Archives > 2008-07-29

2008-07-29

夏を走る・2

今回も前回と同じような話になります・・・。

距離を決めて走る「距離走」。時間を決めて走る「時間走」。どちらもマラソン練習には欠かすことのできない重要な練習方法であります。しかし、夏を中心に気温や湿度が高くなると、どんなレベルの方でも体力等の消耗が激しくなり、これまでのようにあるペースを一定に保ちながら長距離を走ることが難しくなってきます。と、言うよりは、気温や湿度が高い中で、各自の走力に合った適切な設定タイムや走行距離を導き出すことが難しくなってきます。これは、単に気温や湿度の問題だけでなく、各自の暑さに対する適応力が高いか低いかの部分も関係してくるからです。

逆に、暑い中でも関係なく秋や冬の練習と同じような設定タイムで距離走を実施し、途中でリタイヤ、もしくは後半大幅なペースダウンをしてしまったとします。この時、身体への大きなダメージ等が懸念されることはもちろんですが、練習をやり遂げることができなかったことに対する精神的なダメージと暑さに対する恐怖心が残ってしまいます。

実は、身体へのダメージは、練習後の休養や栄養補給等で回復させることが可能です。ところが、精神的なダメージは、簡単には回復しません。それどころか、秋や冬のマラソンシーズンに入っても、天候が晴れると暑さに対する不安を口にする選手もいるくらいです。そして、その原因を辿っていった時、夏の失敗体験を引きずっていることが意外と多いのです。

そんなことも考慮し、最初から不安になるような要素を取り除くためにも、夏の練習は時間走を推奨するのです。もちろん時間走も最初から速いスピードで走ってしまい、予定時間より短い時間で切り上げてしまう可能性もあります。しかし、距離走と違い、速いスピードで走ったとしても時間で管理しているので、時間が短縮する訳ではありません。つまり、速く走ってもゆっくり走っても同じ時間なのです。

それならできるだけ楽をするために、ゆっくり走る方が・・・。実は夏の練習に関しては、この考え方が正しく、できるだけ身体に負担の掛からない走り方を考えていくことが基本になります。これは、水分補給や帽子着用等の暑さ対策と同じくらい大切なことなので、夏の練習に関しては、これまでの考え方と切り離してほしいと思います。

さて、具体的な走行時間についてですが、20分から60分程度をひとつの目安に、まずは朝晩のできるだけ涼しい時間帯を選んで走って下さい。特に、初心者の方はウォーミングアップを兼ねてウォーキングからスタートし、トータルで30分程度になるように動き続けてみましょう。その際、ウォーキングとジョギングを交互に繰返すようにすれば、身体への負担もかなり軽減できます。そして、その境目で給水をとると更に効率的です。

◆例1).ウォーキング5分+ジョギング10分(給水)+ウォーキング5分(給水)+ジョギング10分=合計30分。◆例2).ウォーキング10分(給水)+ジョギング20分=合計30分。・・・以上のような組合せを参考に自分の走力に合った流れを作り、1週間単位を目安に少しずつジョギング時間をのばしながらトータル時間ものばしていきます。もちろんできるだけ日陰のある公園等を選び、給水も確実に。特に湿度が高めの時は、タオルを1本ランパン等にはさんでおき、給水時に汗を拭いてから走ると、身体への負担も軽減できます。

次回は、もう少し詳しく時間走を中心にした1週間の練習について考えます。

Home > Archives > 2008-07-29

Search
Feeds

ページの先頭へ