Home > Archives > 2010-09-22

2010-09-22

盲人マラソン強化合宿

h22-9-21-1h22-9-21-2h22-9-21-3

先日の三連休は、静岡県掛川市において日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を実施しました。今回は、その合宿の内容や選手の調子について話していきます。

既にこのブログでも紹介していますが、今年の12月は中国でアジアパラリンピック大会、更に来年1月には、ニュージーランドにおいてIPC世界陸上競技選手権大会が開催されます。もちろん今回の合宿は、その両大会の日本代表候補選手たちも参加し、精力的な走り込みを実施しました。

最初に今回の強化合宿計画を簡単に記載しておきます。◆18日(初日):午前/集合、午後/200m×20本。◆19日(二日目):早朝&午前/各自フリー、午後/30k走。◆20日(三日目):早朝&午前/各自フリー、午後/全国視覚障害者駅伝大会(オープン参加)。・・・以上のような計画ですが、トレーニングコースは起伏の激しい3kの周回コースを使用するので、選手たちにとってはよりハードになります。

また、今回の強化合宿は、二日目の30k走と翌日の10kトライアル(駅伝オープン参加)を二日連続で実施する内容としています。それは、厳しい残暑の中とは言え、夏を乗り越えてきた各選手のスタミナやスピード持久力をより正確に把握するための流れでもあるのです。もちろん、その内容を踏まえ、来月以降のより具体的な戦略を計画していくための最重要合宿とも言えます。

実は今回の合宿は、今年3月に実施した富津強化合宿と同じ流れでもあります(千葉県民マラソン大会の10kに特別招待選手として参加)。しかし、今回の強化合宿は二泊三日のため、二日目は早朝トレーニングを実施することが可能となります。具体的には、早朝6時と午前9時30分に全選手が集合し、各選手が自主トレーニングを実施しました。

その結果、午後の30k走を実施する前に、どの選手も15kから20k程度は走り込むことになります。そのため、午後の30k走は、休日の午前中に実施する30k走よりも体力的には、フルマラソンのレースに近い負荷のトレーニングとなるのです。※全盲の和田選手は別メニューで、60k走を実施。

実際に二日目を終えた時点で比較的余力のあった選手は、弱視の岡村選手のみでした。そして、翌日の駅伝大会については、1チーム5人で20kのところを、2人で20kを走る形式でオープン参加しました。更に、駅伝当日は、30度をこえる厳しい残暑と厳しいアップダウンのあるコースが選手たちをより苦しめました。

さて、この駅伝形式で走る10kのポイントは、既に筋肉痛やスタミナが枯渇している厳しい状況の中で、どこまでスピードをキープして粘り抜けるかです。具体的には、各選手がフルマラソンのベストタイムと同程度のペースで押し切れるかが、現時点の調子を判断するひとつのハードルとなります。

当然のことながら、どの選手も悪戦苦闘しながらの走りでしたが、弱視の岡村選手と全盲の和田選手の2名がそのハードルをクリアーしました。実はこの2名の選手は、来年1月に開催されるIPC世界陸上競技選手権大会のマラソン代表候補選手です。もちろん、他の選手たちも粘り強い走りを見せ、11月のマラソンを狙える調子になってきています。

このように今回の合宿も、様々な方のご支援とご協力で無事に終了しました。そして、何よりも故障や怪我をする選手や伴走者がひとりもいなかったことは、ナショナルチームとしての底上げがワンランク上がったことでもあり、10月以降の更なる強化につなげることができます。

今後も皆さまの絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。

Home > Archives > 2010-09-22

Search
Feeds

ページの先頭へ