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2012-05-10

ロンドンパラリンピックへの道・8

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GW後半の5月3日から5月5日の日程で、盲人マラソン強化合宿を実施しました。場所は千葉県富津市富津公園です。この富津公園で強化合宿を実施するようになって早7年目となりました。この富津公園は既にご存知のとおり、箱根駅伝を目指す大学やオリンピックを目指している実業団チームも多数拠点にしています。そんな富津で我々も強化合宿できることをとても誇りに感じております。

あらためて、富津の方々をはじめ関係各位のご理解ご協力に対し、心より感謝申し上げます。

さて、富津で強化合宿を重ねてきた成果として、昨年のIPC世界陸上競技選手権大会では、全盲と弱視のマラソンでそれぞれ銅メダルを獲得することができました。特に、2004年のアテネパラリンピック以降、世界のレベルから取り残されてきた感のあった全盲クラスの選手たちが、再び勢いを取り戻してきました。

具体的には、マラソンを目指す上で重要な指標となるトラック種目での躍進がめざましく、1500mでは4分20秒から4分30秒、5000mでも16分の壁に肉薄してきました。もちろん、これらの記録はロンドンパラリンピックA標準記録を突破していますが、現時点で日本代表選手に選出されるか否かは、わかりません。しかし、世界レベルに到達してきたことは間違いありません。

同様に、上記のような全盲選手をサポートする伴走者の走力も相当なレベルになります。そのため、伴走者に対しても現時点の走力を重視することになり、人選に苦慮することが多くなってきました。更に、伴走者も選手同様、国際ルールや国際登録、ドーピング関係についてもより厳格になってきており、誰にでもお願いすることが難しくなってきているのも事実です。

今後は、ロンドンパラリンピックはもちろん、国際大会に通用する伴走者の育成や発掘等も重要な強化対策のひとつになっていきます。引き続き、この富津を拠点に地道な取り組みを継続していきますので、皆様方の絶大なるご理解ご支援をよろしくお願いします。

最後に、あらためて伴走ルールの重要な3点を記載しておきます。至極当然のことですが、伴走者がルール違反すると、共に走っている視覚障害者選手が即失格になります。

◆1).視覚障害者選手との距離は常に50センチ以内とする。但し、競技中のフィニッシュライン前10メートルにおいては、この距離をのばしてもよい。※この間は伴走ロープを離してもよい。◆2).いかなる場合も視覚障害者選手を引っ張ったり、押して前進させたりして推進を助けてはならない。※人以外の自転車やバイク、動物等と走ることは違反となる。◆3).視覚障害者選手がフィニッシュラインをこすとき、伴走者は視覚障害者選手の後方にいなくてはならない。※伴走者の方が胸ひとつでも先にゴールすると視覚障害者選手が失格となる。

つづく。

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