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2012-08-08

ロンドンパラリンピックへの道・13

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【ロンドンパラリンピックへの道・13】先日の8月3日(金)から8月5日(日)にかけ長野県菅平高原において、ロンドンパラリンピック強化合宿を実施しました。今回の合宿はロンドンパラリンピックに向けた最後の合同合宿でした。

さて、現在開催中のロンドンオリンピックも後半に入ってきましたが、何よりも日本選手の活躍が目を引きます。それに対し、偉そうなコメントはできませんが、競技団体毎に長期展望に立った計画的な強化や最先端の技術を駆使した成果であることに違いありません。そして、それ以上に狙ったレースや対戦に調子を合わせる「ピーキング」の精度に驚きます。

過去のオリンピックを振り返ってみても、「自己新だったらメダルがとれた」とか、「怪我が無ければメダルだった」等、「タラ、レバ」のコメントに終始する姿が多かったように感じます。しかし、今回のオリンピックは逆に劣勢な下馬評を覆し、見事にメダルを獲得しているシーンが多く、たくさんの勇気や感動を与えています。

そして、そのオリンピック後に開幕するパラリンピックも1ヵ月弱に迫ってきました。オリンピックで熱戦を繰り広げている日本代表選手のように、素晴らしいパフォーマンスをあの大舞台で発揮するための重要な最終調整期に入っていきます。

同時に、狙ったところに調子を合わせるピーキングに移っていきますが、その難しさは誰もが感じているところであり、ここからが本当の勝負です。ピーキングについては、あらためて説明するまでもありませんが、肉体的な部分よりメンタル的な部分に大きく影響を受けると、少なくとも私は感じます。

その具体例として、大会1週間前に突然猛練習を実施したり、日ごろ受けたことのない新しい治療やサプリメントを試したりと、どんな種目の選手でも狙った大会が近づくにしたがって、大なり小なり精神的に不安定な状況に陥っていきます。その結果、調子や体調を崩し、あるいは大きな故障をしたりと、取り返しのつかない状況に追い込まれるケースは意外と多いのです。※私は「不安症候群」と呼んでいます。

そんなメンタル的には不安定な時期に入りましたが、今回の菅平合宿では選手毎にトレーニング内容や設定タイムに相違があり、それぞれが個々の調整時期に入っていきました。もちろん、この合宿そのものに参加せず、独自のトレーニング計画に沿って調整している選手もいます。

具体的な合宿の内容として、弱視の岡村選手は最後の40k走に挑み、全盲の和田選手は逆に質を重視した内容にシフトしていました。また、この合宿に参加しなかった代表選手たちもそれぞれの計画に沿ったトレーニングをキッチリと消化しております。

このように、それぞれが自分自身の調整計画に沿って淡々と消化していくことこそが重要です。これからロンドンパラリンピックに向け、周囲からの期待やプレッシャーをうまく受け流しつつ、いつもと変わらぬ調整を貫いてほしいと願っています。

そして、最終調整期のポイントは、「迷ったら休養」です。

最後になりましたが、あらためて皆様方の絶大なるご声援をお願い申し上げます。

おわり。

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