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2013-08-22

夏合宿・3

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【夏合宿・3】この1週間も厳しい猛暑日が続きました。本来ならランニングはもちろん、外出そのものを控えて、涼しい場所で安静にしておくことを推奨する天候です。

しかし、前回もお話ししたとおり、この8月は秋からのマラソンシーズンに向け、極めて重要な走り込み期でもあるのです。そして、そのためには可能な限り涼しい場所や時間帯を確保しながらの走り込みとなり、仲間たちとの短期合宿がとても有効的な手段であると、話しをすすめてきました。

今回は、短期合宿の具体的なトレーニング内容に入っていく前に、どんな心構えが必要なのかを考えていきます。少しかたい表現ですが、要は短期合宿の具体的なトレーニング内容を考える上での注意点です。

実は、短期合宿を計画すると、良かれと思って考えたことが、「良いトレーニング」ではなく、「凄い(無謀な)トレーニング」になってしまうケースは意外と多いのです。その結果、短期合宿に参加した多くのランナーが、計画したトレーニングを最後までやり遂げることすらできず、逆に故障や怪我、あるいは熱中症等の危険なトラブルに巻き込まれてしまうケースも少なくありません。

ポイントは、「良いトレーニング」と「凄い(無謀な)トレーニング」をしっかりと見極める眼力を持ったコーチがトレーニング計画を立案することです。また、そのような短期合宿に参加することが理想的ですが、実際に参加してみないと分からないことなので、現実的には難しいことでもあります。※合宿に参加している個人毎の走力が違い、質や量の見極めが難しい。

では、短期合宿の具体例をあげて、トレーニング内容を考えていきます。まずは、短期合宿の失敗例です。

◆失敗例1).涼しい高原なので距離や時間を増やして40k走や3時間LSDを参加者全員で、ゆっくりペースでスタート。しかし、途中から先頭を走っていたリーダーが、どんどんペースアップ。最後は、リーダーが独走となり、他のランナーは大きく失速。更に、後方のランナーは歩きだし、途中リタイヤ。◆失敗例2).同じく長い距離を走る際の給水を各自に準備させたところ、500mlのペットボトル1本程度しか準備しないランナーが多く、案の定、前半から給水が底をつき、多くのランナーが脱水症や熱中症の危険な状況に陥った。◆失敗例3).トラックにおいて、インターバルトレーニングを実施。合宿なので本数を多くしたのだが、各自の設定タイムがバラバラだったので、出足からトラックを半周するほどの縦長状態。その後、最初から速く走ったランナーは中盤で力尽きてリタイヤし、後方のランナーはペースを乱されて途中リタイヤ。結局、誰もトレーニング計画どおりに完走できなかった。

以上の失敗例はほんの一部です。もちろん、少なくとも私が実際に目撃した事例です。まさに、折角の合宿なので、「充実したトレーニングを」と、考えて実行した結果、「良いトレーニング」から「凄い(無謀な)トレーニング」にシフトしてしまった事例です。

皆さんの計画した短期合宿は、大丈夫でしょうか?

また、これらの事例は市民ランナーの方々だけでなく、成績が低迷したり伸び悩んでいる学生チームや実業団チームにも見受けられる事例のひとつでもあります。

次回は、「良いトレーニング」について考えていきます。

つづく。

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