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2013-10-24

期分け・72

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【期分け・72】前回は、10月の走り込みに入る前に「現状の自己分析」を実施する話しをしましたが、今回から結果が悪かったケースについて考えていきます。

あらためて、マラソンで失敗したパターンについて解析していくと、実に様々なケースがあります。代表的なのは、やはりマラソン当日のコンディションによるものです。多いのは、気温や湿度が高かったため脱水症になったケース。冬の冷雨や雪で低体温症に陥ったケース。海岸沿いのマラソンコースに特有の強い向かい風。…等々、どれもマラソンの記録を阻む最大の要因です。

次に、よく耳にするのは、やはり30k以降の失速です。そして、その原因の多くは前半のオーバーペースです。特に、男性市民ランナーに多く見受けられます。具体例として、元々運動神経が良く、短距離が速いタイプの方は10kまでの距離なら走り込みをしていなくても意外と速く、10kで40分を切ってしまう方も珍しくありません。このような方がマラソンに挑戦した場合、15kから20kあたりまで快調にとばし、そこから大きく失速するパターンは本当に多いと感じます。

更に、コースの起伏が大きいケースや途中の給水に失敗するケース等、もっと掘り下げていくと複数の要因が重なっているケースもあります。

そして、これらの要因について更に解析していくと、そのほとんどが「走り込み不足」にたどりつきます。上記した当日のコンディションについても、後半の失速についても、走り込み不足から起因する「ペース感覚をつかめていない」ことが、最も大きな要因のひとつとなります。特に、マラソンを走る場合、かなり余裕のある一定のペースで走ることが基本となります。

実は、多くの方は、物心が付いた頃から「走ること=全力疾走(競争)」とのイメージを植え付けられています。その証拠に幼稚園からはじまり、中学や高校でも「ゆっくり長く走る」ことを教える授業や指導はほとんど見かけることはありません。少なくとも私自身は受けたことがありません。

したがって、多くの方が持っている「ペース感覚」とは、全力で走る方への物差しであり、苦しいことを察知する感度ばかり発達していると考えます。一方で、マラソンを攻略していく上で重要な「ペース感覚」とは、その逆で、より楽に感じる「余裕度」を自分自身の中で構築していくことがポイントとなります。

別の表現をするなら「辛い(速い)」と「甘い(遅い)」です。辛さについては「激辛」と言うように細かく何段階にも分け、人はそれを感じることができます。しかし、甘さについては「激甘」とは言いません。コーヒーにスプーンで砂糖を入れていったとき、おそらく3杯も10杯も感覚的にはわからなくなります。

つまり、人は「辛さ(速い=きつい)」には敏感だが、「甘さ(遅い=楽)」には鈍感です。マラソンを攻略していく上での「ペース感覚(走り込み)」は、この「甘さ(遅い=楽)」に対し、敏感になる必要があります。だからこそ難しいのかもしれません。

つづく。

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