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2015-06-10

期分け・10

H24-6-24 026

【期分け・10】最後になる三つ目の目的についてです。

◆目的3).相手との競り合いを通じて粘り強さを身につける。

あらためて言うまでもありませんが、マラソンだけでなく陸上競技は記録だけでなく、順位を競い合う競技でもあります。特に、世界選手権やオリンピックの日本代表選考レースになると、記録はもちろんですが、順位がより重視されます。そして、順位を少しでも上げるには相手との競り合いに勝つ必要があり、「この選手は勝負強い」とか「この選手はよく粘る」と、言ったコメントを耳にします。

実は、この勝負強さとか粘り強さは、実際のレースで培われることが多く、様々なレースに出場し、その中でおこる様々な経験を重ねることで身についてくる能力とも言えます。同時に、この勝負強さとか粘り強さの指標はメンタル的な要素が強く、特にマラソンの記録に大きく影響を与える部分でもあります。

しかし、多くの市民ランナーは最初からハーフマラソンやマラソンから挑戦するケースが多く、相手と競り合うことより、設定ペースを守る走り方を重視する傾向にあります。具体的には、目標タイムと同じ設定タイムのペースメーカーについて走るなど、記録重視の走り方です。もちろん、十分なトレーニングに裏付けされた設定タイムなら問題ありませんが、途中から苦しくなって設定タイムを維持できなくなると、簡単にあきらめてしまうランナーも意外と多く見受けます。

ところが、本当に苦しくなってからの頑張りは、個々のメンタル面に大きく左右される部分でもあるので、次のマラソンに活かせるか否かの重要な見極めにもなります。ゴール後に「あと少しで自己記録更新だった」とのコメントは毎回耳にします。そして、その原因をヒアリングすると多くの市民ランナーは「途中であきらめた(粘れなかった)」、「抜かれっぱなしになった(競り合えない)」と、振り返ります。

このように、レース中に苦しくなってからも、あきらめない気持ちを持続できるか否かは、マラソンの記録に大きな影響を与えます。そして、途中であきらめない強いメンタル面を鍛えるには実際のレースで競い合う経験を積むことが、とても効果的です。

つまり、最初からスピードを出してゴールまで激しく競り合う10kレースは、単にスピード面だけでなく、メンタル面を鍛える意味でも有効なのです。

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