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2015-06-24

期分け・12

H25-4-29 018

【期分け・12】10k以下のロードレースと駅伝の相違点についての2つ目です。

◆相違点2).1区以外は相手と同時スタートではない。

実は、相違点と言いながら「期分け・9」や「期分け・10」に記載した、スタートから積極的にスピードを出す感覚や相手との競り合いを通じて粘り強さを身につける点と同様になります。そして、その実例を最もあらわしているのが、箱根駅伝の2区ではないでしょうか。1区からタスキを受け取ると、一気にトップスピードで飛び出し、最後の上り坂を必死に粘り抜いてタスキを渡す姿は、その全てを凝縮しています。

また、駅伝では相手チームをどんどん抜いていくことを「ゴボウ抜き」と言い、まさに上記した2区に相応しい言葉です。一方、スタートから飛ばし過ぎた結果、逆に途中から大きく失速し、後続チームからどんどん抜かれていくケースもあります。いわゆる「ブレーキ」と言い、チームの成績に致命傷を与えるケースも多々あります。

このように、2区以降の区間を走るランナーは様々な状況に遭遇します。つまり、自分の設定ペースをいかにキープしていけるかが重要なポイントです。そして、マラソンに必要なペース感覚もこの駅伝を通じて養成することにつながります。

それでは実際の駅伝からペース感覚を養成するヒントをまとめてみます。

◆ヒント1).タスキを受け取った直後、自分自身で少しペースが速いと自覚できる時は、ほぼ間違いなく「全力疾走」している。◆ヒント2).予定より遅い順位でタスキを受けた後、相手チームをどんどん抜いているが、ペースは上がらない。◆ヒント3).タスキを受け取った後、後続チームから抜かれているにも関わらず、設定より速いペースで走っている。

ヒント1に関しては最も注意すべき点であり、逆にジョギングのような気持ちで走り出すと、ちょうど良かったりします。このスタート直後のオーバーペースを防止するノウハウをつかむことは、マラソンを攻略していく上でも重要な要素になります。

ヒント2と3に関しては、目から入ってくる情報と自分自身のスピード感覚とのギャップから生じます。よくある例として同じ区間を走り、A選手はトップでタスキを受け取ったが抜かれて5位まで後退、B選手は20位でタスキを受け取り10位まで順位を押し上げたが、区間順位はA選手が区間5位、B選手は区間10位。結果はチーム順位を下げたA選手の方が速かったのです。

このように、駅伝では走っている順位がそのまま区間順位に反映されるケースは良くあります。それだけに、目から入ってくる見かけの情報に惑わされることなく自分自身のペース感覚を保てる能力はマラソンにも通じるのです。

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