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2015-11-28

秋の走り込み・10

H27-11-27 013

【秋の走り込み・10】マラソンにとって最後の調整が最も重要である点は、誰もが認識していることであります。ところが、それを実践して狙い通りの結果を手にする選手は、市民ランナーだけでなく実業団選手でも難しいことです。

万全の調整ができたとしても当日のコンディションやコースから影響を受けるケースも多々あります。今月15日に開催された「さいたま国際マラソン」においては、起伏のあるコースに多くの市民ランナーが苦しみました。かくいう私が指導する女性市民ランナーたちも誰ひとりとして自己記録を更新することができませんでした。

一方、その翌週の22日に開催された「つくばマラソン」は、逆に記録ラッシュとなりました。私が指導する市民ランナーも多数出場しましたが、ほとんどの方が目標どおりの記録でゴールしていました。

なかでもS選手は、目標の2時間50分突破を達成する「2時間49分27秒」の自己新で、女子総合3位入賞を果たしました。彼女を指導するようになって10年が過ぎ、彼女も40歳になりました。この間、初めてサブスリーを達成し、プライベートにおいては結婚や出産等も経て、今回の記録達成に結びつけました。参考までに彼女の2週間前からの調整内容は次のとおりです。

■11月8日(日):30k走、11月9日(月):45’jog+100m×5本、11月10日(火):45’jog+100m×5本、11月11日(水):10k走、11月12日(木):120’jog、11月13日(金):rest、11月14日(土):45’jog+1k走、11月15日(日):15k走、11月16日(月):rest、11月17日(火):30’jog+100m×5本、11月18日(水):5k走、11月19日(木):30’jog+100m×5本、11月20日(金):rest、11月21日(土):30’jog+1k走、11月22日(日):つくばマラソン/2時間49分27秒(自己新)。

実は、彼女の調整も他の選手たちと遜色ありませんでしたが、彼女は感情コントロールが優れており、大会当日に気持ちを合わせるのがとても上手な選手です。

マラソン調整は体調を重視しながら調子を合わせて行くのは重要です。しかし、マラソンは何時間も自分自身との葛藤がレース中にあり、気持ちで諦めてしまうランナーは意外と多いのです。

目標のマラソン大会に向け体調を整えていくと共に、期待と不安が交錯する自分自身の感情をコントロールしていけるか否かは最も重要です。そして、その感情コントロールこそが、マラソンのパフォーマンスに最も大きな影響を与える要素のひとつなのです。

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