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2017-11-09

秋の走り込み・8

【秋の走り込み・8】11月2日(木)から4泊5日の日程で、日本ブラインドマラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市富津公園において実施しました。また、合宿のトレーニング計画は、ちょうど1ヵ月前の10月上旬に実施した強化合宿とほぼ同じです。

前回の合宿は、気温が30度前後まで上昇し、秋とは思えない厳しいコンディションの中での強化合宿となったため、どの選手も暑さに苦しみました。あれから1ヵ月が経過し、ようやくマラソンに向けた走り込みに相応しい気候に落ち着いてきました。

また、前回のブログで記載したとおり、涼しくなったからと言って、いたずらに距離走の設定タイムを上げることなく、主観的強度で「ゆとり(適正設定タイムの範囲で)」を重視した設定タイムで、走り込みを実施しました。どの選手も前回は暑さの中、決められた距離を走り切るのがやっとな感じでしたが、今回は逆に、どの選手もゆとりを持って距離走を走り切っていました。

あらためて、このゆとりを持って走り切ることは重要なポイントになります。それは、同じ内容の強化合宿を連続で実施した目的でもあるからです。つまり、そもそもゆとりある設定タイムで距離走を実施しているにも関わらず、何かの要因で逆にゆとりがほとんどない場合、どの選手も焦ります。そして多くの場合、その焦りから次の距離走では設定タイムを落とすのでなく、逆に上げようとする意識につながるケースが多いと感じます。

その結果、コンディションが良くなったとしても設定タイムを上げた分、逆につぶれるケースも多く、更にその次も同様に設定タイムだけを上げていき、負の連鎖にはまっていくランナーを多く見てきました。

目標のマラソン大会に向け、焦りから何とか後れを取り戻そうとする気持ちは痛いほど伝わってきますが、単に設定タイムを上げることで、帳尻を合わることに成功した事例を目にしたことは、ほとんどありません。(私の経験上)

また、この時期は本人が自覚していなくても、春にスピード強化をしたことや、夏に走り込みをしたことの成果が目に見えるようになってきます。そのため、いたずらに設定タイムを上げたり、軽い気持ちで各種レースに出場したりすると、思いがけない好記録をマークする人も多く見かけます。

しかし、ここで調子に乗って、距離走の設定タイムを上げ過ぎたり、各種レースを走り過ぎたりすると、これまで蓄えてきた力を出し切ってしまう結果となり、狙ったマラソン前に調子を落としてしまうケースは意外に多く、避けた方が良いパターンでもあるのです。

これらの事例からもマラソンの場合、「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」と言うのは、逆に「我慢をする」と言うことにもつながります。特にこの時期は、マラソンに向けたメンタル面を強化する意味でも「ゆとりを持つ(適正設定タイムの範囲で)」ことを意識してほしいと考えます。

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