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2020-11-17

秋を走る・10

【秋を走る・10】毎年のことですが、11月に入ってくると、12月の全国高校駅伝や正月のニューイヤー駅伝、箱根駅伝を意識した記録会が佳境に入ってきます。特に、今月末まではいわゆる「厚底シューズ」でのトラック出走が事実上認められていることもあり、各記録会のリザルトを拝見すると驚異的な記録ラッシュです。まさに「駆け込み乗車」と言ったら言い過ぎでしょうか。

しかし、それぞれのリザルトをよく拝見すると、厚底シューズを使用していない選手でもしっかりと好記録をマークしています。厚底シューズが好記録ラッシュのきっかけになったのは間違いありませんが、記録に対する「心の壁」を取り除くことにも大きく貢献しているのでしょう。

また、高校生や大学生の記録ラッシュばかりに目がいきますが、30代の実業団選手や40才以上のいわゆるマスターズ選手たちの頑張りも驚異的です。こうなってくると、厚底シューズが合う合わないではなく、そのシューズを乗りこなすテクニックを身につけ、その上でそれ以外のシューズを履き分けていくことになるのでしょうか。

さて、10月の富津合同マラソン練習会で実施した「タイムトライアル」を今月も実施しました。このタイムトライアルはトレーニングの中においては最も過酷な方に位置します。そのため、スタート前から自らの可能性を自らの心がブロックしてしまう人がいます。と言うか、必ずいます。

実際のレースと違うので、「行けるところまで行く」と、自らを試すのが目的なのにも関わらず、スタートからゴールまで自重してしまう人は多いのです。今回もそのようになりそうな人たちが相当数いましたが、積極モードに心が向かうよう、何とか仕向けたつもりです。

結果、先月以上に自己記録を更新したり、目標記録をクリアする人を多数輩出できました。特に、今回のタイムトライアルにも参加した50代女性ランナーは、前日に出場したトラック記録会の3000mで、若い高校生たちとデッドヒートの末、「11分11秒」の自己新記録を達成しました。そして、翌日もこのタイムトライアルに挑戦。

この女性は、ハーフマラソンで1時間30分の壁を突破できないと悩んでいました。しかし、トラック記録会のように思い切って4分ペースの集団についていき、一気に「1時間26分台」を達成しました。昔から「速いペースでも『速くない』と思い込んで走れ」と言いますが、間違いなく厚底シューズは、この「心の壁」も見事に崩したと言えるでしょう。

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