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2021-03-03

3月を走る

【3月を走る】何もかもが記録的で衝撃的だった最後のびわ湖毎日マラソン大会でした。優勝した鈴木選手の驚異的な日本新記録はもちろん、サブテン選手(2時間10分突破)が42名。更に、2時間20分突破選手までを含めると、なんと174名。おそらく人類史上最高レベルの大会だったのではないでしょうか。

好記録の要因は様々ですが、そのひとつとして出場メンバーがそろっていた点は大きかったと思います。今回、注目選手が多数いる中において、マラソンファンのひとりとして注目していた選手は、安川電機所属の北島寿典選手でした。

北島選手は、2016年3月に開催された第71回びわ湖毎日マラソン大会において、日本人トップの「2時間9分16秒」の記録で2位に入賞し、リオ五輪代表権を獲得した選手です。同大会は6位までに日本人選手が4人ゴールし、4人ともサブテンを達成するハイレベルなレースでした(7位・川内優輝・2時間11分53秒、8位・中本健太郎・2時間12分6秒、9位・井上大仁・2時間12分56秒)。

しかし、リオ五輪を含めてその後、北島選手が元気に快走する姿はほとんど見かけなくなりまいた。もちろん、他人の私がとやかく言う筋合いはありませんが、リオ五輪代表が決定した後、ケガに苦しんだようです。そして、北島選手が所属する安川電機には、ロンドン五輪6位入賞の中本選手も所属しています。

その中本選手は、今回のびわ湖毎日マラソン大会前に引退を表明しました。マラソンファンとしては本当に残念な気持ちでしたが、同世代で同チームに所属する北島選手の動向も気になりました。しかし、北島選手は今回のびわ湖毎日マラソン大会に一般参加選手としてエントリーし、調子は上向きとの報道がありました。

5年ぶりにびわ湖毎日マラソン大会を出走した北島選手は「2時間9分54秒」でゴール。5年前の記録とそん色ない快走でした。ところが、その順位は上記したサブテンでゴールした42選手の中では最後尾となる42位。しかし、この記録で北島選手は、びわ湖毎日マラソン大会における最後のサブテンランナーとなり、長い歴史の中にその名を刻みました。

さて、その北島選手は36才のベテラン選手ですが、サブテンでゴールした42選手の中で35才以上の選手は北島選手を含めて4名。同様に、2時間20分突破選手まで広げると、35才以上の選手はサブテンを含めて15名。このうち、40才以上の選手が2名でした(40才を過ぎての2時間20分突破は凄い!)。

更に、年齢を31才以上までに引き下げて確認すると、サブテン選手は11名。2時間20分突破選手はサブテンを含めて44名と、ベテラン選手の快走は想像以上でした。今大会は記録の価値観だけでなく、選手寿命の常識も大きく変えるきっかけになるかもしれません。

あらためて、今大会で復活した北島選手をはじめ、ベテラン選手たちの更なる躍進を大いに期待し、年齢の壁を崩し続けていってほしいと、心より願っております。

そして、同大会開催にご尽力いただいた大会関係の皆様、そして同大会を長年支え続けていただいた地元の皆様、ありがとうございました(かく言う私もその昔、同大会に鍛えていただいたひとりです)。

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