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2021-03-25

3月を走る・4

【3月を走る・4】3月は年度末になりますが、この1年はまさに想定外の連続でした。もちろん、予断を許さない状況はまだ続いています。しかし、関東の緊急事態はなんとか解除されました。そんな状況下、今年度最後の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しました。

さて、この1年間は、特にガイドランナーを必要とする選手の合宿参加自粛が続きました。可能な限り密を避ける意味からもしかたない状況でしたが、ようやく今回の強化合宿から合流できた選手もいました。もちろん、強化合宿に参加できない期間においてもそれぞれの選手が、それぞれの方法で走り込みを継続していました。

同様にこの1年は、各種大会の延期や中止が相次ぎ、選手にとってはまさに最悪の状況が続きました。しかし、そんな状況下においても関係者のご尽力で開催に踏み切っていただいた大会もあり、少ないチャンスでしたがそれらの大会にトライすることもできました。

特に、ロードで開催されるマラソン大会においては大小問わず、中止や延期が相次ぎました。もちろん、その厳しい流れはまだまだ続いております。そして、パラリンピックを目指す我々の記録が公認される大会は、昨年12月に開催された防府読売マラソン大会のみでした。

同大会は、この1年間を通じてたった1回のみのWPA公認マラソン大会でしたが、男女の優勝選手をはじめ多くの選手が自己記録を更新しました。また同様に考えると、延期になった東京パラリンピックは今年9月の予定で、このレースもたった1回の開催になります。

このように、この1年は大会が激減したので、特にピンポイントに調子を合わせるピーキング能力がどの選手も格段に上がりました。と言うより、「やればできる」の方が正しい表現かもしれません。いづれにしても、この経験は東京パラリンピックに向け、大きな自信になったと思います。

しかし、多くの選手やコーチが、本命の大きな大会で自らの力を発揮できるよう、逆に小さな大会に数多く出場していくことで、その経験とノウハウを蓄積しようとします。ところが、この1年間はそれが全くできない状況に追い込まれ、何とか出場できそうな大会に退路を断つ思いで挑戦し、かつてない好記録を残している選手が多かったのは、見方によっては何とも皮肉なことだったかもしれません。

マラソンをはじめ多くのことは、量(ムリ・ムラ・ムダ)の中から本物の質が出てくると言われてます。一方で、最初から一点集中することで成功するケースもあります。この1年間の経験はどのように位置するかをよく振り返り、9月の東京パラリンピックにつなげていきます。

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