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2021-06

6月を走る・4

【6月を走る・4】長野県上田市菅平高原における最後の強化合宿が終わりました。トレーニングのメインは起伏の激しいロードでの距離走で、主力選手たちを軸に40k走を2回実施しました。もちろん、設定タイムは落としてじっくりと走りました。

東京パラのマラソンコースは最後に厳しい上り坂が続くので、それを想定したコースでの走り込みも必要になります。一方、起伏が激しいコースでの距離走は、ペース感覚がつかみにくいのと、脚への負担が増す分、故障やケガのリスクが高まります。

この両方を天秤にかけながら調整していくのがポイントのひとつになります。特に、起伏で走るとペース感覚はかなり違ってくるので、起伏走での合間にトラックでの刺激(スピード)を少し入れながらその感覚を修正したりもします。

もちろん、何事も理屈で話すのはとても簡単で、実際にその現場において選手個々の動きや調子を加味しながら微調整していくことは簡単なことではありません。と言うより、確固たる自信や絶対的な方程式があるわけではありません。

この点はどんなに優秀な選手や指導者においても同じではないでしょうか。そして、今の現状をこれまでの実績やデータなどと比較しながら確率の良い方に修正し、目標に進んでいくとでも言いましょうか……。

さて、7月からは北海道に場所を移して強化合宿を継続していきます。また、7月も走り込みの要素が強い感じになる予定ですが、距離走のコースを使い分け、設定タイムも微妙に調整していきます。

「起伏走で鍛えた脚がどのような反応を見せてくれるのか?」

そして、ここからが本当に失敗を取り戻せない時期に入っていきます。まずは故障やケガを絶対に回避していくことが大前提になりますが、量も質もある程度追い込める最後の時期にも入ります。

至極当然のことですが、体調や調子を維持していくことと、しっかりと追い込んでいくことのバランスを取りながら目標に進んでいきます。至極当然のことですが、これが最も難しい点であり、多くの選手や指導者を悩ますことなのです。まずは、自らが現実逃避をしないように……。

6月を走る・3

【6月を走る・3】関東地方もようやく梅雨入りしました。しばらくは雨量が多くなるのでしょうか。そして、梅雨が明けると、いよいよ夏です。同時に、秋以降のマラソンや各種ロードレースに向けた走り込みをはじめていく時期にも入っていきます。

毎年のことですが、頭と体でわかっていても「暑さ対策」は、簡単にはいきません。暑さに強いと思っている人でも、実際に気温が30度の中で走るのは簡単ではありません。これも頭と体でわかっていても「何で走れないんだ?」と、そのときは考え込んでしまうケースが多いのです。

また、これから気温や湿度がどんどん高くなっていくので、ランニングに最も適さない季節と言えます。しかし、何もしないわけにはいきません。逆に前述したように、秋以降のマラソンシーズンに向け、多くのランナーがスタミナを養成していくとても重要な時期と位置付けています。

あらためて、矛盾した季節に入っていくとも言えます。大切なポイントは自分自身の調子や体調に合わせた「夏の走り込み」を実施していくことでしょうか。至極当然のことですが、やはりこれに尽きると思います。

さて、毎年同じように夏の走り込みを実施し、それが本当に秋以降のマラソンにつながっている人はどれほどなのでしょうか。かくいう私も夏の走り込みを信じて、練習会や合宿などを毎年実施しています。

しかし、それらの効果について正確に把握したことはないかもしれません。なぜなら、個々に振返っても、うまくいった夏と失敗した夏があるからです。したがって、夏の走り込みが効果的だったか否かは、個々の中においても毎年変動があるわけです。

とてもまとまらない話になりましたが、夏の走り込みに向け、この梅雨の時期は暑さや湿度に対して体を少しでも慣らしていくことがポイントのひとつです。前述したとおり、まずは今現在の調子や体調を把握し、それに見合った「夏の走り込み」を計画し、それを実践していくことでしょうか。まさに、至極当然のことですね。

6月を走る・2

【6月を走る・2】長野県上田市菅平高原において強化合宿を実施してきましたが、あと1回、同地において強化合宿を実施します。また、今回の強化合宿は天候にも恵まれ、主力メンバーを中心に計画どおりのトレーニングを消化することができました。

今回も起伏の激しいロードコースを使っての距離走がメインでしたが、それぞれがゆとりを持ちながら、走り込むことができました。また、今合宿の実施内容は、毎年同じ時期に同地で実施してきた強化合宿とほぼ同じ流れです。

このように、毎年同じような時期に同じような内容の強化合宿を繰り返していくことで、目標の記録や成績を達成する確率を高めていきます。もちろんその都度、個々の体調や調子などを加味しながら微調整しますが、トレーニング内容を極端に変えることは、ほぼしません。

これは、多くの実業団チームなども同じでしょうか。「8月の〇〇合宿で実施した40k走を〇時間〇分で走れたので、12月のマラソンで2時間〇分が狙える」と、言った感じで目安になっていきます。このように過去の実績と比較しながら、次の大会で狙えそうな目標タイムなどを導いていくのです。

逆に、過去の先輩たちが残した同地合宿でのトレーニング実績を紐解き、そのタイムや距離に挑戦することもあります。特に、この1年間はコロナ禍の影響で多くの大会も中止になったので、合宿の中で過去の記録と対比しながら走り込んでいくのは効果的だったと思います。

来週末から東京パラに向け、最後の菅平合宿になります。昨年との比較はもちろん、ここまで走り込んできた疲労や調子などを選手ごとに加味していくので、みるポイントが複雑になっていきます。まずは、ケガや故障を防止し、着実に走り込んでいきます。

6月を走る

【6月を走る】今週末から再び強化合宿を実施します。場所は先日と同じ、長野県上田市菅平高原ですが、9月5日のマラソンに向け、本格的な走り込みに入っていきます。そして、今回も多くの実業団チームや選手たちの姿を拝見することができるかもしれません。もちろん、なかには5月からずっと滞在しているチームや選手もいることでしょう。

さて、様々な方から「合宿はどの程度の日数と頻度が良いのでしょうか?」と聞かれることがありますが、「まったく良い質問だ」と逆に自分自身でも考えてしまいます。しかし、結論からいうと、「正解はない」というのが答えでしょうか。

実業団チームや選手のように時間と予算があるなら、合宿の日数や頻度に制約をつけることなく、思いどおりに合宿を実施することが可能かもしれません。しかし、合宿期間が長期になるほど、逆に様々なストレスを感じるようになってくる選手も多くなります。

主な理由のひとつとして、長期になればなるほど、トレーニング以外の時間を持て余すようになるからです。なぜなら、じっくりと走り込めるような場所は、街の中心地から離れているケースが多いので、息抜きできる場所が極端に少ないのです。もちろん、「走ることに集中する」ためにその場所を選択したのですが、そのとおりにならないケースは意外と多いのです。

更に合宿参加メンバーも、日々のトレーニングと変わらないので、既にマンネリ化しており、場所を変えても結局は、「思ったほど成果も上がらない」。なんとも皮肉な結果になっている実業団チームも意外と多いのかもしれません。

そのため、逆に数日から1週間程度の合宿期間の方が集中力を保ち、密度の濃いトレーニングを積めるケースは多いのです。特に、日々のトレーニングがほぼ単独選手同士の場合は、他の選手と競い合えるので、合宿期間が短くてもその頻度を上げることで効果的になると感じます。その成功事例のひとつが、ブラインドの選手たちでしょうか。

もちろん、私が偉そうに言える立場ではありませんが、市民ランナーの皆様が夏の季節に1泊から2泊程度のミニ合宿を数回実施するパターンは多いと思います。ところが、短期間な上に頻度が少なくても秋からの走り込みにつながり、マラソンの記録が大きく飛躍するケースは本当によく見受けます。つまり、「ミニ合宿も効果的」ということです。

まさに、「されど合宿」とでも言いますか……。奥が深いです……。

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