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2021-08-13

8月を走る・2

【8月を走る・2】8月7日から北海道北見市において、最後の調整合宿に入りました。このまま9月5日のパラマラソン当日まで、選手とガイドランナー、そして、スタッフ全員が一緒に調整します。

つまり、地元開催の利点を活かした、これまでのパラリンピックとは違った調整の流れになりますが、ここまでは計画どおりにことは進んでおります。しかし、本来であるなら、開催国に長時間のフライトで移動し、最初に日本との時差に体を慣らさなくてはいけません。

同時に、現地の気候などにも体を慣らす必要があり、更にその土地に慣れる必要もあります。おちろん、口で言うのは簡単ですが、最初につまづくと、そのまま大会当日まで不調を引きずっていく可能性が高くなります(実際にそうなります)。

また、選手村に入村したらすぐに、各部屋の間取りや使い勝手などの確認(国によって微妙に違っていたりする)。更に、選手村内の食堂や各施設との位置関係など、確認することが多くあります。そして、何よりも選手村から各競技会場へ移動するためのシャトルバスの乗り方や移動時間などを確認し、実際に乗って移動してみます。

実は、シャトルバスを運転するボランティアの中には、指定されたルート(道)を知らないまま運転を引き受けている人もいたりします。実際に、2016年リオ大会においても、最初に乗った陸上競技場行きのシャトルバスが道に迷い、狭い路地に何度も入り込み、何度もUターンしました。信じられませんが、海外におけるこのトラブルは意外と多く、確認が必須です。

このように、日本では絶対に起り得ないようなことが、国際大会においては普通におこることがあります。また、直近の大会は施設そのものが未完成の状態で大会が実施されているケースも見受けられるので、最初から「話し半分」程度の気持ちも必要に感じます。

他にもいろいろとありますが、国際大会は現地入りした後、上記したようなことをいかに短期間でものにできるか否かは、選手の調整にも大きく影響します。また、これらについては、事前に視察していても、実際に人とものが動き出した後とでは大きな乖離があるので、何度経験してもその現場で素早く対応するしかありません。

今回は東京開催なので、これまでのような不安要素がほぼ「0」に近く、選手とガイドランナーの調整に集中することができます。本当にありがたいことです……

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