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2022-11

秋を走る・13

【秋を走る・13】マラソンシーズン真只中ですが、毎年この時期に考えることは、「マラソンの連戦について」です。つまり、毎週フルマラソンを走っても大丈夫なのか否についてです。中には、そんなことを気にすることなく、ほぼ毎週末ごとにマラソンを楽しんでいる市民ランナーの方は、意外と多く見受けます。

一方、いわゆる実業団選手と言われる方々は、そうでないのが特徴でしょうか。専門的な文献などには、マラソン後は一定期間体を休め、リフレッシュすることを必ず推奨しています。もちろん、運動生理学的な裏付けもあり、その考え方が王道なのは確かです。

しかし、ご存知の川内優希選手などは、ほぼ毎週末ごとに全国のマラソン大会を転戦し、実戦を積むことでトップクラスの走力を手にしてきました。その川内選手に対するコメントも、当初は批判的な意見が多かったと記憶しておりますが、記録と成績が伴ってくると、その評価は真逆になりました。

では、他の実業団選手は何をしているのでしょうか。もちろん、正確な情報を把握することはできませんが、マラソンを目指している選手は間違いなく走り込みを実施しています。その走り込みは、目標のマラソン大会から逆算し、概ね3ヵ月から4ヵ月前あたりから開始するパターンが一般的です。

また、走り込みの内容は個々に違いますが、多くの選手は40k前後の距離走を週に1回程度の頻度で取り入れていく流れは、今も昔もそんなに変わっていません。つまり、目標のマラソン大会に向けた走り込みの中において、40k走を少なくとも5回から10回程度は実施しているでしょうか。

前述した川内選手はほぼ週末ごとにフルマラソンを走りながら高い走力を身につけていきました。一方、多くの実業団選手は40k走を何度も繰り返すことで、マラソンで戦える走力を手にしています。要は、どちらのパターンもほぼ1週間ごとに「フルマラソンを走っている」と言えます。

このように見ていくと、マラソンを攻略するには長い距離を繰り返し走るトレーニング方法は、ほぼ間違いがなさそうです。しかし、マラソンや長い距離を走った後の休養期間やケアの方法などについては「なぞ」が多く、逆に「確実な対処方法はよくわかっていない?」とも言えるのでしょうか……。

秋を走る・12

【秋を走る・12】11月も半ばを過ぎ、各地のマラソン大会も盛り上がっておりますが、2020年4月以降のコロナ禍で各種レースは中止や延期に追い込まれていました。その影響もあり、逆に久々のレースを走り、その実戦を大いに満喫した方も多かったと思います。

また、今月のレースを皮切りに、マラソンなどの各種レースを次々と走っていこうと計画している方も多いことでしょう。そんな皆様の情熱が、今も懸念されているコロナの影響を払拭していくと信じております……。

さて、久々にマラソンを完走した方も多かったと思いますが、結果はいかがだったでしょうか。もちろん、どのレースもゴール後は振り返り(反省)を実施しますが、その結果の良し悪しの判断をする尺度は様々です。まずは、単純に今の走力を出し切れたか否かの確認が基本になります。

特に、上記したようにコロナ禍の影響でレースから遠ざかってしまった方ほど、過去の自分と比較し、落胆するケースが多いと推察できます。マラソンは感覚でうまく走れたか否かを考える前に、ゴールタイム(数字)を持って白黒がハッキリと示されるスポーツなので、そのような状況になってしまいます。

至極当然のことですが、マラソンを完走した多くの方もその点は、頭で理解していると思います。しかし、その現実(タイム)を突き付けられると、それに一喜一憂してしまうのが、ランナーの特性でもあります。だからこそ、ゴール後の振り返り(反省)が難しい理由なのかもしれません。

あらためて、その振り返りのポイントですが、「どんなラップタイムを刻んでゴールしたのか?」を確認することが最初のポイントになります。具体的には大きく3つに分かれます。1つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みが1%未満(イーブンペース型)」。2つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みを4%以内に留めた(ポジティブスプリット型)」。3つ目は「前半のラップに対し、後半を1%以上アップ(ネガティブスプリット型)」。

前後半のタイム差は単なる目安(安田の主観)ですが、要は「イーブンペースで走り切れたか否か」。そして、「後半失速したのか、後半ペースアップできたのか」。おおむね、この3つのタイプに分かれると思います。もちろん、後半大失速して歩いた方もいることでしょう。

まずは、実績ラップタイム(数字)を確認しながら、自分はどのパターンで完走したのかを確認することが、振り返り(反省)の肝になります。

秋を走る・11

【秋を走る・11】全国各地でマラソン大会や駅伝大会が目白押しですが、どの大会も参加者はかなり減少している様子です。やはり、2020年4月以降はコロナ禍の影響でマラソン大会の中止が相次ぎ、ただ走っている状況に見切りをつけた方々が増えたのでしょうか。

ランナーにとっては本当につらい期間でしたが、ようやく元の状況へ動き出したようです。と、言いながら富津合同練習会で切磋琢磨している方々は、この間もたんたんと走り込みを継続し、復活した各種大会を元気に出走しております。

一方、マラソンは己の鍛えた身体と心だけで勝負する競技です。したがって、どんな理由であれ、一旦走ることをやめてしまえば少なくとも身体には何も残りません。あれだけ意識してきたペース感覚やランニングフォームなど、全ては無になってしまうのです(逆に体重が増えてマイナスになってしまう)。

このように、マラソンは球技などのように道具を使わない分、技術ではなく体力と精神力だけが頼りの競技です。そのため、上記したように一旦やめてしまうと、その体力や気力も消えてしまう残酷な面も持ち合わせています。特に、ケガや故障などを克服した経験の少ない方の場合、ランニングを再開すること自体も難しいかもしれません。

かくいう私も、今ではジョギングを何とか継続している状況ですが、自らレースを走ることはすでに離れています(レースを走りたい気持ちもほぼない)。しかし、仲間のレースに帯同し、沿道からその力走する姿を応援するのは、とても楽しいと感じます。この感覚は、現役時代には無かったことです。

今、コロナ禍の影響でレースから離れてしまい、そのまま走ることからも遠ざかってしまった方は、マラソン大会の応援に足を運んでみることを推奨します。と、言うよりもランニングをはしめたそもそものキッカケが、仲間の応援に行った方も多いのでは……。

また、私が現役時代の市民マラソン大会は、参加者が千人をこえる大会自体も少なく、マニアックな方ばかりが走っていたような記憶があります。しかし、いわゆるマラソンブームと呼ばれてからは、1万人をこえる大会も多くなり、その大会を走っているランナーたちは、本当に楽しそうで、みんなが輝いています。

コロナなどの不安要因は残っていますが、再び輝いているランナーたちであふれているマラソン大会が、全国各地で復活していくことを確信しております。

秋を走る・10

【秋を走る・10】今年も残り2カ月を切りました。また、11月に入ると、いよいよマラソンや駅伝シーズンも佳境に入っていきます。特に、10月下旬から11月上旬は駅伝が続いており、「駅伝シーズン第1章」とも言えるでしょうか。

さて、かなり昔の思い出話で恐縮ですが、ちょうどこの時期は当時の青森から東京間を、7日間でタスキをつなぐ「青東駅伝(現在は中止)」の開催日程とも重なっていました。そして、当時の私は千葉県代表選手(11年連続出場)として同駅伝にも出場していました。

この駅伝の主なルールとして、出場する代表選手は7日間で最低1回、最高3回出走することになっており、私は毎年3回出走していました(3回を必ず走らされていた)。また、各区間の距離は概ね10kから20k程度の間で、私は15k以上の長距離区間を任されることが多かったと記憶しております。

そして何より、この青東駅伝には高校生や市民ランナーから箱根を目指す学生選手、五輪選手を含めた実業団選手たちが、一堂に会してタスキをつなぐ壮大な駅伝だった点です。今思うのは、この駅伝を通じて「長距離走」への心構えと、その厳しさや達成感の全てを学び、「凄い経験をさせてもらった」と、懐かしい思い出と共に感謝の気持ちです。

あらためて、私が偉そうにウンチクを言える立場ではありませんが、大学駅伝や実業団駅伝のように、ひと区間が10k以上の距離を走る駅伝は、特に経験が必須です。最近は、各地区の実業団駅伝にクラブチームが参加できるようにもなり、実業団駅伝を走ることへの敷居が下がっている点は良い傾向だと感じます。

一方、ゴールでは見たことのないようなタイム差がついてしまい、応援に駆けつけた側も気の毒になってしうことは多々あります。つまり、実業団選手(プロ)たちは、この駅伝こそが主戦場なので、キッチリ調整して「本気」で挑みます。そして、その本気力は市民ランナーの皆様が考えているレベルをはるかに超越しているので、ゴールでは大人と子供以上の大差もつきます。

また、多くの市民ランナーは、レースではハーフマラソン以上の距離を走る傾向が強く、実業団駅伝のような大会を目指すには、そのレース選択は適切でないとも感じます。やはり、10kから16k程度のロードレースを積極的に走る経験が駅伝(マラソンも)には必要です。具体的には「スタートから突っ込み、つぶれてから粘り倒す経験」を繰り返すことで、駅伝(マラソンも)に必須なペース感覚や後半の苦しさを耐えしのぐ忍耐力を、心と身体が体得していきます。

もちろん、その経験が最終的にはマラソンにも活かされることは言うまでもなく、今年度はハーフマラソンだけでなく、是非とも10kレースなどへの出場も検討してみましょう。

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