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2022-12-13

冬を走る・3

【冬を走る・3】年末に向かってコロナの影響が懸念されている中ですが、今年も無事に奈良マラソンが開催されました。同大会は今年で13回目の開催でしたが、私がコーチしている選手たちも縁があって第1回大会からずっとお世話になっております(招待選手として)。

そして、今年も山口遥選手が優勝し、4連覇を達成することができました。そんな彼女も4連覇の前は2年連続2位と、悔しい思いを経験しました。しかも残り1kを切ってから学生選手に逆転されたレースもあり、そのときの落胆したゴールの姿は忘れることができません……。

また、同大会は奈良の観光名所を楽しめる素晴らしいコース設定になっておりますが、実際に走ると、連続するアップダウンの「生き地獄」が待っている国内屈指の難コースです。しかし、この難コースで山口遥選手をはじめ私の選手たちは経験と走力を培い、成長していくことができているのも確かです。

さて、その山口遥選手は日本ブラインドマラソン協会の強化合宿などにおいても、ガイドランナーとして貢献しております。実は、今回の奈良マラソンにおいて、マラソン女子の部で7位に入賞した河口さんと、8位入賞した丸一さんもガイドランナーとして強化合宿にも参加している選手です。

さらに、先日の防府読売マラソン大会において、マラソン女子の部で8位入賞を果たした青山さんも強化合宿でガイドランナーをしている選手です。このように少しずつですが、ガイドランナーとして貢献しながら自身の結果を目に見える形で残せる選手たちも増えてきました。

こんな話を記載すると、まるで安田の手柄のように感じますが、実際は全く違います。なぜなら、ガイドランナーをすることと、自身の走力強化は一緒にならないからです。そのため、自分自身のトレーニング時間とそれに必要な体力以外に、ガイドランナーとしてブラインドランナーたちと一緒に走る時間と体力の捻出も必要になるのです。

要は、仕事や家庭などと両立させながら自分自身のマラソンに挑戦する時間を捻出し、それを継続させること自体も「至難の業」なのに、ガイドランナーとしてブラインドランナーの練習やレースをサポートするための時間や体力などを、さらに絞り出すことがどれだけの負担になるのかは、想像に難くない……。

あらためて、ブラインドランナーに寄り添い、日々献身的にサポートを継続しているランナーの皆様方に、心より感謝申し上げます。

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