Home > Archives > 2023-01

2023-01

冬を走る・9

【冬を走る・9】29日の日曜日は大阪国際女子マラソン大会をはじめ、全国各地でマラソン大会が開催されます。さらに、翌週は別府大分毎日マラソン大会など、大きな大会が続きます。出場される皆様は、最後のポイント練習も終え、あとはスタートを待つばかりでしょうか。

そして、毎度のことですが、最後の最後まで体調管理に注意してほしいと思います。また、これも毎度のことですが、体調が悪い方や脚などに不安のある方は無理をしないことです。具体的には「勇気ある撤退」、つまり出走を見送る。

マラソンは走る距離と時間が多種目と比較しても格段に長く、それに伴って完走後のダメージが大きいのも確かです。つまり、体調や脚などに不安を抱えながら出走した場合、その状況をさらに悪化させる可能性が高くなります。

しかし、何ヵ月も前から目標のマラソン大会に向け、走り込みを継続してきた方にとって、逆にそのマラソン大会を回避することは、まさに苦渋の決断になりますが、自身の状況を客観的に見極めることは必要です。また、そのような苦しい経験は後になって必ず活かされることでしょう。

そして何より、マラソンへの挑戦は今回が終わりではないので、不安を抱えている方は慎重な判断をして下さい。一方、逆に悪いところはないが、調子が悪い方の場合、そのマラソンで相応の苦しみを体と心が受けることになるでしょうが、その経験も次回以降のマラソンに必ずつながっていきます。

勝手なことを述べましたが、出場される皆様方の快走を心より祈念いたします。

冬を走る・8

【冬を走る・8】今月から3月上旬あたりまでは、国内の各種ロードレース大会が最も盛んな季節になります。しかし、ここ数年はコロナの影響で自粛する大会が多かったのも確かですが、少しずつ復活してきている様子です。マラソンファンの一人としては、このまま元も状態に戻っていくことを願うばかりです。

さて、前述したとおり、各種ロードレース大会が目白押しの季節なだけに、毎週のように各種大会に出場しているランナーも多く見受けます。やはり、まずは大会に参加し、完走することが何よりなので、充実しているランニングライフとも言えます。

一方で走力がついて、記録ものびてくると、たくさんの大会に出場するよりも大会を絞っていく傾向が強くなってくるのも確かです。極端な例になりますが、箱根駅伝を走る選手たちが1ケ月前から毎週末ごとに大会を走りながら調整する選手はほぼいません。

その理由は様々ですが、やはり多くの大会を走ると、調子のピークを狙った大会に合わせることが難しくなるのでしょうか。では、なぜたくさんの大会を走ると、調子のピークを合わせるのが難しくなるのでしょうか。

これも様々な理由がありそうですが、練習は自分自身の決めた設定タイムで自分自身の考えどおりに走ることができます。つまり、その日の練習強度などを自分自身でコントロールすることができます。

一方、大会では自分以外は全てライバルとなり、沿道からの応援もあります。したがって、大会当日のレース展開を自分自身が考えているペースで進め、さらにゴール順位をコントロールすることが極めて難しい点は誰もが理解できます。要は、大会においては自分自身が考えているとおりに走り切ることはかなり困難であると……。

つまりは自分自身が狙っている目標の大会も同様に、ペースや順位をコントロールすることが難しいのも確かです。したがって、体調を調整して狙った大会に合わせても、その大会に出場するその他大勢のランナーの調子や大会当日のコンディションなどは、自分自身でコントロールすることはできないのです。

そう考えると、逆に多くの大会に出場し、様々なレースパターンを自身の体と心で経験しておくことは、目標の大会がどんなレース展開になっても対応できる引き出しを多く持っていることにもなります。同時に、当日のコンディションが厳しい状況(暑いとか強風など)になるほど、経験値の高い選手が有利になるとも考えられます。

まとまらない話になりましたが、トップ選手も含め、大会にたくさん出場することが不利に働くか否かを正確に判断することは難しい……。

冬を走る・7

【冬を走る・7】2023年最初の強化合宿を実施しましたが、目標は2月に開催される別府大分毎日マラソン大会になります。また、今月は大阪国際女子マラソン大会を筆頭に各種マラソン大会が目白押しです。

そして、これも毎年のことですが、1月末から2月上旬に開催されるマラソンを目標にしているランナーは、年始から最後の調整に入っていきます。調整の基本は駅伝同様、「質をキープしながら量をおとしていく」になります。

しかし、マラソンの場合は走る距離が長いので、調整の段階でマラソン当日の30k以降をイメージすることが難しいのは確かです。と、言うよりも正確にイメージできる人は少ないでしょう。

また、マラソンの場合、駅伝やトラックレースと違い、レース自体はゆとりあるペースで走り出すので、多少の不安があったとしても何とかスタート地点に立つことはできます。だからこそ、最終調整段階に入ってくると、自信よりも不安感の方が強くなってくるのでしょう。

もちろん、計画通りに走り込みを消化し、自信を持って最終調整に入っているランナーもいることでしょう。しかし、順調なときほど、走り過ぎたり、追い込み過ぎて調子のピークがずれてしまうランナーを、必ず見受けるのも確かです。

このように、マラソンは走るペースが比較的遅い分、ある程度のゆとりがあります。また、走る距離と時間が長く、レース後半のイメージを予め頭に描くことが難しいのも確かです。そして、そんなことが重なってくると迷いや不安につながり、上記したような「やり過ぎ」になってしまうのでしょうか……。

「迷ったら休養」

すでに何度も話していますが、これに尽きると思います。また、最終調整に入ってからは「追試」をしないことも大切です。つまり、ポイント練習と呼ばれる練習を設定タイムどおりに走れなかったとしても、翌日や翌週にやり直さないことも調整のポイントです(私の経験上)。

そして何よりも、健康第一で良い体調をキープしていきましょう。

冬を走る・6

【冬を走る・6】今年も例年どおり、駅伝観戦からスタートしました。そして、今年も多くの感動をいただきました。選手の皆様、関係者の皆様ありがとうございました……。また、遅くなりましたが、あらためて本年もよろしくお願い申し上げます。

その駅伝ですが、ニューイヤーも箱根もほぼ予想どおりの結果だったように感じます。また、いつの時代も駅伝はエースが快走することは必須ですが、それ以上に全区間でミス(ブレーキ)をしないチームが、優勝や上位入賞を果たしています。

特に、順位変動が少なくなってくる中盤以降の区間については、その選手が次区間の選手にタスキを渡したチーム順位と区間順位がほぼ一致してきます。例として1位でタスキを受け取り、3位に後退したとしても、その選手は意外にも区間3位だったりします。

同様に、20位でタスキを受け取り、11人を抜いて9位でタスキを渡しても区間9位だったりします。つまり、駅伝はタスキを受け取った順位やそこで競り合った相手などによって、その選手のペースや区間順位が決まっていく特性もあります。

それだけに、一度後退したチーム順位を区間賞で一気に上位へ押し戻す「ゲームチェンジャー」になるエースはそう簡単にはあらわれません。今回のニューイヤー駅伝では、4区を走った池田選手(KAO)や細谷選手(黒崎播磨)がそんな走りを見せましたが、両チームとも入賞には届きませんでした。

一方の箱根駅伝は、4区を走ったヴィンセント選手(東京国際)と9区を走った岸本選手(青山学院)の2選手がゲームチェンジャー的な快走を見せましたが、両チームとも目標順位には届きませんでした(5区と6区は除く)……。

しかし、ニューイヤー駅伝を制したHondaは全7区間で2区の外国人選手を除くと、区間6位以内(37チーム中)で全員がキッチリと走り、意外にも区間賞は5区の青木選手だけでした。同様に箱根駅伝を制した駒沢大学も全10区間を区間5位以内(20チーム中)にまとめ、こちらも区間賞は6区の伊藤選手だけでした。

優勝した両チームとも選手個々の調整能力の高さはもちろんですが、それを束ねた監督をはじめとするチーム力の高さが際立っていたのは確かです。さて、いよいよ来年はパリパラ大会です。残されたレースもカウントダウンに入っていきます。まずは、駅伝を制した両チームのようなミスのない安定した走りでパリパラへのキップを手繰り寄せていきます。

Home > Archives > 2023-01

Search
Feeds

ページの先頭へ