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2024-08-02
2024夏を走る・10
- 2024-08-02 (金)
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【2024夏を走る・10】パリオリンピックも開幕し、日本代表選手たちも熱い戦いを繰り広げています。一方、日本も連日の猛暑で、その暑さに疲弊しています……。
そんな中、千葉県にある順天堂大学で選手たちの測定を実施しました。測定した項目は前回と同じで、トレッドミル上を走りながら乳酸カーブなどを測定しました。そして、今回の測定も前回同様、同大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、町田先生のご支援ご指導のもと、無事に実施することができました。あらためて、御礼申し上げます。
今回の測定は、パリパラマラソン日本代表選手を優先しましたが、疲労が蓄積している選手は測定自体を回避しました。もちろん、測定を実施した選手たちも同様、疲労がかなり蓄積した状態でした(走り込みの真っ只中)。
また、測定と聞くと、常に前回の数値と比較し、「上がったか?下がったか?」だけに一喜一憂するケースが多いのですが、確かにそれも大切な見方です。ところが、今回のように、測定前から疲労が蓄積していることを、どの選手も自覚している場合、前回の数値よりも下がる可能性が高くなることは、はじめから予測できます。
だからと言って、計画していた測定を簡単に中止する必要はないと考えます。そもそも測定は、身体の状態を数値化することであり、可視化することです。つまり、測定前に自分自身で今の状態を主観的に数値化(予測)し、実際の数値と比較検証することも大切な見方だからです。
その結果、測定前に予測した数値と実測した数値との差異が少ない選手ほど、自分自身の状態をより正確に把握する能力が高いことにもなります。これは、とても大切な能力のひとつであり、日々のトレーニングを適切な強度で継続できることにもつながります。
至極当然のことながら、実際のレース中は心拍数や血中乳酸濃度などの数値を正確に測定しながら勝負することは相当難しい。つまり、レース中は適切なペース設定やペース配分、ライバルと比較した際の余裕度など、勝負していく上でも「主観的運動強度」は大切な指標になります。
特に、夏マラソンの場合、主観的に自分自身の状態を把握しながらレースを進めていく能力が勝敗を大きく左右すると考えます。今回の測定で、たんに数値の良し悪しだけでなく、測定前の主観的数値(予測)と測定後の実績数値との差異を考察し、その結果をパリパラマラソンにつなげてほしいと考えます。
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