- 2009-12-09 (水) 21:00
- ランニング雑感
12月6日(日)、第71回奥多摩渓谷駅伝競走大会が東京で開催されました。この駅伝は、正月恒例の箱根駅伝の次に歴史と伝統のある大会です。※昭和11年に第1回が開催。途中、戦争のため3回ほど中断したが、今年もそのタスキは受け継がれました。
私がコーチする女子選手たち(AC・KITA/市民ランナー)も4区間12kで競う女子の部に参戦しました。実は、昨年まで2連覇を達成しており、今年は3連覇を目指しました・・・。結果は、国士舘大学に29秒差で敗れ、惜しくも2位。しかし、この駅伝大会のひと区間距離は、2.3kから3.6kと、マラソンとは対極に位置する短い距離です。また、競い合うチームも高校生や大学生と、その短い距離を専門とする若い選手がほとんどです。そんな状況の 中、私の選手たちは、毎年11月のマラソンを走ったあと、短期調整でこの駅伝大会をキッチリと走ります。
同じく6日(日)は、第63回福岡国際マラソン大会が福岡で開催されました。既に各メディアで報道されているとおり、日本人選手は厳しい結果となりました。そして、それらに対する評価も様々でした。もちろん、私は偉そうにコメントできるほどの立場ではありません。しかし、各種駅伝大会との日程的な調整が難しくなってきた結果、選手たちがこの大会に挑戦すること自体も難しくなったと、感じました。もちろん、他にも諸事情が複雑に絡み合っているのでしょ うが・・・。
一方で、駅伝を中心に何年も頑張ってきた選手たちのほとんどが、その段階で既にバーンアウトしている傾向にあります。そのため、そのあとにマラソンと言う山をあらためて目指すことは、肉体的にも精神的にもかなり厳しい状況に見受けられます。
さて、今更ながら長距離とひとくちに言っても、トラックレース、駅伝、ハーフマラソンと距離や内容は様々です。しかし、その最高峰に位置しているのは、間違いなくマラソンです。そして、そのマラソンを単純に駅伝の延長感覚で走りきることは、かなり困難と言うよりほぼ不可能と考えます。しかし、マラソンを安定して走れるようになった選手は、駅伝もキッチリと走れます。残念ながら、その逆はほとんどありません。少なくとも私自身は、これまでの経験からそう感じます。
ところが、マラソンを走れる選手を育成していくには、実業団選手(プロ)であろうと、市民ランナーであろうと、膨大な時間と手間がかかります。それは同時に、選手にも指導者にも忍耐と我慢が必要不可欠なことを意味しています。この点については、今後あらたなトレーニング方法や理論が確立されたとしても、決して変わることはないでしょう・・・。
マラソンは誰でも気楽にはじめられる身近なスポーツです。同時に、忍耐と我慢を伴う過酷なスポーツです。そのどちらもが、マラソンの魅力です。それはまさに、駅伝やトラックレースとは違う「マラソン道」があるからだと、私は思うのです。
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