今年に入って開催された国内の国際的なマラソン大会は、なぜか天候に恵まれていません。1月に開催された大阪国際女子マラソンは雨でした。また、2月の東京マラソンも氷雨の厳しいコンディションになりました。更に、3月に入ってからのびわ湖毎日マラソンも冷雨と、こんなに雨が連続したことは、ほとんど記憶にありません。
ところが、先日開催された名古屋国際女子マラソンは、晴天に恵まれ気温も一気に上昇しました。大会主催者側から発表された気温は18度でしたが、実際に沿道で応援していた感じだと、軽く20度はこえている体感でした。
マラソンは、寒さや雨の中だと筋肉が硬くなり、後半の失速につながり易くなります。しかし、3月のマラソンで気温が15度をこえると、体感的には初夏のように感じます。同時に、身体が暑さに馴化していないことも手伝って、後半は脱水症状に陥り易くなり、とても厳しいレースとなります。
また、一般的に市民ランナーの人たちの方が、実業団選手(プロ)に比べ体脂肪が多い傾向にあります。そのことをよく表した例として、特に女性市民ランナーの場合、冬の冷雨や寒い中でのマラソンは、当然苦しそうに走るのですが、意外と最後までしっかりとした足取りでゴールします。ところが逆に、今回のように気温が高くなるマラソンでは、後半一気に失速するパターンを数多く見てきました(私の経験上)。
更に、この名古屋国際女子マラソンは、各ポイントの関門が他のマラソン大会より厳しい傾向にあります。そのため3時間10分前後のランナーを中心に前半からオーバーペース気味にレースを進めようとする傾向が強くなります。つまり、今回のマラソンに限っては、気温が高いコンディションにも関わらず、オーバーペース気味にレースを進めようと、極めて危険な流れになる可能性が高かったのです。
そして、実際のレースでは暑さのため、先頭集団を持ってしてもスローな展開に終始しました。同様にスタート前、私が懸念していたとおり、多くの市民ランナーが中間点以降大きく失速している姿を沿道から目にすることになりました。その中には、私がコーチしている選手も含まれており、残念ながら目標タイムを大きく下回る結果となりました。
コーチとしての言い訳になりますが、秋(暖)から冬(寒)へ移行していく季節のマラソンと比べ、冬(寒)から春(暖)へ移行していく中でのマラソンは、天候や気温の変動が大きくなる分、体調管理や調整も難しくなるのです。
そんな中、実業団チームではなく、クラブチームに所属している加納選手が終盤独走し、見事に優勝しました。多くの市民ランナーと同じ目線からの快走は、ランナーのみならず、多くの人たちに勇気と希望を与えるものでした。私もコーチとして、加納選手のようにどんな逆境にも屈しない「強い心」を持ったランナー育成をと、心に誓った名古屋でした・・・。
※おかげさまで、このブログも100話目となりました。
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