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猛暑から残暑へ・下

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先日の8月21日(土)から8月23日(月)にかけて、長野県菅平高原で合宿を実施してきました。しかし、標高1500mあたりでのトレーニングにも関わらず、日中の気温は30度以上にもなります。そんな中、今回の目的は、「40k走を実施する」ことでした。

実は前回のブログで、「夏の走り込みの目安は距離より時間」と、話しをしました。そんな話しをしたにも関わらず、「40k走を実施する」とは・・・、とても矛盾していますね。そこで今回は、その点を中心に話しをすすめていきます。

はじめに、私の経験上の話しになりますが、暑い時期でも距離を目安に走れるレベルの人と、時間を目安に走り込んだ方が効率的なレベルの人が、実はいます。まずは、その境目のレベルについて話しをします。

最初に、フルマラソンのベスト記録(その時点の走力)を1k毎のタイムに換算し、そのタイムに1.2をかけ、2割遅いタイムを導きます。そして、そのタイムが「5分00秒」より遅い人は、距離走から時間走に切りかえた方がより効率的となります。具体的には、30k以上の距離走は全て時間走に切りかえて、トータル時間も最大120分から150分以内にします。つまり、5分00秒より遅いペースで走る場合、ある距離に到達するより、時間(120分から150分)の方が先に経過したなら、時間で打ち切るようにします。

では、1.2をかけて5分00秒以内のランナーとは、どんな走力なのでしょうか?

逆の計算をしてみれば直ぐにわかりますが、1kあたり4分10秒から4分15秒のペースでマラソンを走れる走力となります。即ち、フルマラソンで3時間を突破(サブスリー)できる走力が備わっていれば、夏の走り込みでも30k以上の距離走に耐えられるひとつの目安となります。※もちろん個人差もあります。

実際に先日の菅平合宿では、15名の選手(市民ランナー)が気温30度以上の中、30k以上の距離走に挑みました。そして、10名が40k走を設定どおりのタイムで走りきりました。その時の設定タイムを参考までに記載しておきます。

◆Aグループ).フルマラソンで2時間30分以内の走力:1kあたりの設定タイムは、4分5秒~10秒。◆Bグループ).フルマラソンで2時間40分以内の走力:1kあたりの設定タイムは、4分15秒~20秒。◆Cグループ).フルマラソンで2時間50分以内の走力:1kあたりの設定タイムは、4分30秒~35秒。◆Dグループ).フルマラソンで3時間00分以内の走力:1kあたりの設定タイムは、4分50秒~55秒。また、Dチームにはフルマラソンを3時間10分前後で走れる人も2名走りましたが、2名とも30k手前で集団から脱落しました・・・。

ところが、設定どおりのタイムで40kを走りきれた人たちも、最後まで余裕があったわけではありません。つまり、自己ベスト記録より2割も遅い設定タイムで走っているにも関わらず、思ったような余力を残せない状態に、逆に自信を失う人が出てくる可能性もあるのです。

このように暑い時期の走り込みは、単に距離やタイムだけを頼りに、勢いだけで乗り切ることはとても難しく、リスクも伴います。

しかし、何度かこのブログにも記載していますが、マラソン練習に絶対はありません。しかし、最後までゆとりを持って継続できなければ成果もでません。暑い時期の走り込みは、この点を特に意識しながら安全に取り組んでほしいと思います。そして、9月からの本格的なマラソン練習につなげてほしいと・・・。

※参考までに、菅平合宿の40k走では、スポーツドリンクを40リットル、水を40リットル、スポンジ、氷・・・を準備し、約3k毎に補給できる体制でサポートしました。

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