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猛暑から残暑へ・レース編

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先日の29日(日)は、夏マラソンの代名詞である「北海道マラソン大会」が開催されました。今年の大会も、高温多湿の悪コンディションでの大会となりました。また、同日は福島県で、「伊達ももの里マラソン大会」も開催され、私の選手(市民ランナー)も参戦しましたが、こちらも高温多湿の厳しいコンディションでした。

今更説明するまでもありませんが、長距離走にとって最もパフォーマンスを低下させる要因は、高温多湿です。暑い時期は、軽いジョギングをするだけでもかなりの負担を感じるのに、全力で走るレースでの負担や苦しさは計り知れません。

では、具体的に暑い中でのレースは、秋や冬でのレースと比較すると、どれだけのタイム差があるのでしょうか?

ところが、これについては様々な考え方があり、個人差も大きく一言でまとめることはできません。そこで、29日の「北海道マラソン大会」と「伊達ももの里マラソン大会」に出場した、私の関係する選手(市民ランナー)が残した記録を参考に、今年の1月から3月にマークした記録と対比して考えていきます。

◆北海道マラソン大会).K男子選手/2時間41分46秒(2月マラソン)→2時間55分17秒(▼8%)。T男子選手/2時間45分42秒(2月マラソン)→2時間57分10秒(▼7%)。U女子選手/2時間53分18秒(3月マラソン)→3時間7分3秒(▼8%)。

◆伊達ももの里マラソン大会).T男子選手/33分57秒(1月10k)→36分19秒(▼7%)。Y女子選手/36分23秒(1月10k)→39分22秒(▼8%)。

以上のように偶然かもしれませんが、どの選手(市民ランナー)も7%から8%のマイナスとなっています。実は、北海道マラソンを走った3名については、目標タイムとほぼ同じタイムでゴールしました。また、後半余力があればペースアップするように指示しましたが、目標タイムを落としたにも関わらず、暑さのためそのペースを維持していくことが、精一杯だったようです。

もう少し別の見方をすると、暑い中でのマラソンは、最初から自己記録の更新やそれに近い記録を目指して前半から飛ばすと、後半は大きなリスクを伴う確率が高くなります。そのため、直近の冬や秋に走ったマラソンの記録から更に落とした設定タイムで完走を目指す方が、暑い時期のマラソンは攻略し易くなります。

そして更に、暑い時期のマラソンは、秋から冬のマラソンと決定的に違う点があります。それは、最後の調整方法です。この点については、別の機会に詳しく話しをしますが、秋から冬のマラソンは走り込みを実施しながら途中で、10kからハーフ程度のレースに出場する流れをつくれます。しかし、暑い時期のマラソンは、走り込みの疲労が少しでも残っていると、短い距離のレースでもうまく走りきることはできません。

それは、今回の「伊達ももの里マラソン大会」で10kを走った2名が証明しています。2名とも1週間前の菅平合宿でしっかりと走り込みを実施しており、今大会に向けた調整を実施させませんでした。※ゴール後、二人とも「スタートから全く脚が動かなかった」と、振り返っていました。

このように、暑い時期の各種レースについては、「自己記録を更新する」と言った至極当然の目標を掲げて大会に挑むことは、かなり難しいことになります。そして同時に、大きなリスクが伴うことを覚悟しておく必要もあります。また、レース後のダメージも秋や冬より確実に大きく残り、何となく大会の参加申込をするなら、暑い時期の各種レースに出場する意味や目的を、一度よく吟味することをおすすめします。

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