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東京マラソン2011・下

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今回は、先日開催された東京マラソンで、エリート女子の部に出場した3選手(市民ランナー)の記録をもう少し詳しく解析していきます。

はじめに、皆さんもマラソンに挑戦するとき、自分自身の走力や体力に合った設定ペースや、ペース配分を少なからず考えてからスタートすると思います。ところが、号砲と共にスタートすると、一緒にスタートした多くのランナーや大会の雰囲気にのまれてしまうケースが相変わらず後を絶ちません。

特に、スタート直後から自分自身の設定タイムよりもかなり速い集団やランナーに付いていくパターンは、どのマラソン大会でも多く見受けられます。そして、その結果として、後半の大失速へとつながり、最終的には目標タイムを大きく下回る結果へと・・・。

皆さんは、いかがでしょうか?

では、上記3選手(女性市民ランナー)の東京マラソンでの設定タイムと実績タイムを前半のハーフと後半のハーフに分けて解析します。

◆M・I女子選手:設定タイム/2時間37分50秒(1時間18分16秒+1時間19分34秒・▽1分18秒)→実績タイム/2時間37分34秒(1時間18分15秒+1時間19分19秒・▽1分4秒)。◆M・Y女子選手:設定タイム/2時間49分49秒(1時間23分53秒+1時間25分56秒・▽2分3秒)→実績タイム/2時間49分51秒(1時間24分22秒+1時間25分29秒・▽1分7秒)。◆M・S女子選手:設定タイム/2時間55分48秒(1時間27分54秒+1時間27分54秒・±0分0秒)→実績タイム/2時間54分18秒(1時間25分21秒+1時間28分57秒・▽3分36秒)。

このように前後半のハーフに分けて解析すると、設定タイムに対し、最も記録の良かったのはM・S女子選手ですが、実は後半の落ち込みが最も大きいことがわかります。また、自己記録を更新したM・I女子選手とM・Y女子選手については、40kの通過地点では、設定タイムに対し、「▽4秒と△10秒」でしたが、ゴールでは逆に、「△16秒と▽2秒」と逆転しました。特に、M・I女子選手のラスト2.195kは、「8分00秒」と、女子選手の中では何と5番目の速さとなる素晴らしいラストスパートでした。

また、自己記録を更新した2名の女子選手は、タイプ的にはどちらともスピードタイプであるが故に、スタミナが付きにくく、後半は失速するマラソンを繰り返してきました。しかし、マラソンに挑戦する毎に、5k毎の設定タイムと実績タイムを対比していくことで、自分自身の弱点や課題を明確にしていくことができました。そして更に、マラソントレーニングの中では永遠に変わることのない単調な日々の走り込みも、意欲的にかつ継続的な取り組みが可能になっていきました。

さて、マラソンを攻略するためのペース配分に絶対はありません。もちろん一定のイーブンペースで走り切ることは、最も効率的な走法のひとつであることは言うまでもありません。また、前半おさえて後半ビルドアップしていく走法は、マラソンの完走を目標にするならとても有効的な走り方です。しかし、どの走法を選んだとしても自分自身の走力や特徴に合っていなければ安定した記録や成績を残すことはできません。

そして、マラソンで最も重要な要素は、常に安定したパフォーマンスを発揮することと、私は考えます。そのためには、故障や怪我をしにくい「丈夫な身体」。更に、自分自身の感情をコントロールできる「強い精神力」のふたつを兼ね備える必要があります。

・・・と言いながら、理想と現実のギャップはまだまだ大きいですが、次のマラソンに向け、今回の経験とデータを選手と共有しながら地道な取り組みを継続していきます。

おわり。

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