- 2011-05-19 (木) 21:46
- スピードトレーニング | トレーニング計画 | マラソントレーニング
今回から「スピード養成期/4月~7月」について考えていきます。
最初に、スピード養成期のスピードとは何を指すのかをある程度明確にしておきます。既に何度かこのブログでも記載してきましたが、最終的な目標はマラソンになります。従って、マラソンを速く走るためのスピードにならなくてはいけません。つまり、単に100mを速く走るためや運動会の徒競走で1番になるためのスピード養成ではありません。
では、あらためてマラソンを走るためのスピードとは何を指すのでしょうか?
そのヒントは持久係数にあります。この持久係数についても何度か記載してきましたが、10kやハーフマラソンの自己記録に対し、その何倍でマラソンを走れたかの係数です。具体例として、マラソンを2時間59分59秒で走るランナーが2名いたとします。Aさんは10kのベストタイムが39分00秒、Bさんの10kは38分00秒です。そこでふたりの持久係数を計算すると次のようになります。
◆Aさんの持久係数=2時間59分59秒÷39分00秒≒4.61
◆Bさんの持久係数=2時間59分59秒÷38分00秒≒4.73
これを簡単に説明すると、上記のようにマラソンの自己記録が同じ場合、持久係数の小さい方が持久力に優れていると一般的には判断します。つまり上記の例で言うと、Aさんの方が持久力が高いことになります。更に、Aさんが今の持久力を維持したままBさんと同じ10kの記録をマークしたなら次のようになります。
◆Aさんのタイム=4.61(Aさんの持久係数)×38分00秒(Bさんの10k)≒2時間55分10秒
このようにAさんが10kのタイムを1分短縮できたなら、理論上はマラソンの自己記録を4分50秒も更新することが可能となります。もちろん全てが理論どおりにはいきませんが、10kのタイムを短縮することはマラソンの記録短縮へとつながる重要なポイントのひとつであることは間違いありません。そして同時に、10kはマラソンを走るための指標になるスピードと位置付けることができます。
つづく。
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