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ロンドンパラリンピックへの道・2

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梅雨もあけた7月9日(土)から10日(日)の日程で、大阪府堺市において「第22回日本身体障害者陸上競技選手権大会」が開催されました。今大会は、来年に迫ったロンドンパラリンピック代表選考大会のひとつに指定されており、日本代表入りを目指した選手たちの熱き戦いが繰り広げられました。

もちろん、日本盲人マラソン協会の強化指定選手たちも多数出場し、ロンドンパラリンピック参加A標準記録の突破を目指しました。特に、マラソンの記録を目指す上でスピードのバロメーターにもなる「5000m」については、どの選手も記録を狙っています。

しかし、初日の気温は30度以上、湿度も70%以上の厳しいコンディションとなり、あと一歩のところで記録に手が届きませんでした。選手にとってはどんなに厳しいコンディションになったとしても言い訳できませんが、中長距離種目にとってはあまりにも過酷なコンディションでした。

ところが、その翌日は更に気温も高くなり、ただ単に競技会を観戦しているだけでも幸いコンディションとなりました。しかも最終日の種目は、全員が「1500m」です。この1500mは、マラソンを目指している選手の多くは苦手意識も強く、マラソンとは関係なさそうですが、スピード強化の段階においてはとても重要な種目のひとつです。

また、前日の失敗レースからわずか24時間でどの程度の立て直しができているのか?更に、2日連続の厳しい暑さでのレースに対し、集中力をどこまで持続できるのか?・・・等々、各選手のメンタル面やコンディショニング、ウォーミングアップ等を観察するには、逆に絶好の機会でもあります。

はたして結果は、T11クラス(全盲)の和田選手が、4分27秒69の日本新記録&A標準記録突破。更に、T12クラス(弱視)の堀越選手が、4分7秒30の日本新記録&A標準記録突破と、見事な集中力と精神力を見せてくれました。もちろん、他の選手たちも積極的な走りを見せてくれ、これまで地道に継続してきた強化合宿の成果を確認することができました。

さて、オリンピックやパラリンピックでの選手コールや招集はとても厳しく厳格です。具体的にはスタート1時間前あたりから選手は招集所に拘束され、ウォーミングアップすらできない状況になるケースも多々あります。したがって、いつものウォーミングアップが実施できなくなり、大舞台で力を発揮することができない原因のひとつにもなっています。

実は、この点についての対策をコーチや選手自身が重要視していないケースが多く、個人的にはとても残念に感じる点です。そして、今大会のようにとても厳しいコンディションの中でのレースは、それに近い状況に似ています。

そんな中、どの選手も2日間にわたり気持ちを集中させ、ピーキングを考えて行動していた点は大きな成長であり、大きな自信となったに違いありません。

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