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期分け・40

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前回からの続きで、「後半のハーフをペースアップする走り方」について考えていきます。

この走り方は前回もふれたように、最も効率的な走り方のように見えますが、マラソンに限って言えば最も再現性(安定性)の難しい走り方と感じます。その理由については下記に記載しますが、概ねハーフマラソン以下のロードレースや駅伝の走り方と大きく相違する点でもあります。

すなわち、マラソンに限っては、後半ペースアップする走法を自分自身の持ち味としてどんなマラソンでも常に発揮することは極めて難しいと感じます。※後半を諦めずに粘り抜く走り方とは違います。

では、なぜ難しいのかを考えてみます。

◆理由1).後半ペースアップするタイミングや、どの程度のペースアップならゴールまで押し切れるかを自分自身で判断することが難しい。

至極当然のことですが、マラソンは走っている時間や距離が長く、自分自身の体調や調子よりも当日の天候やコースに大きく影響を受けます。したがって、前半を抑えているつもりでも、コースによっては前半のアップダウンで狙いどおりに体力を温存できないケースや、後半に入って気温が上昇したり向かい風になるケースもあり、自分自身のイメージどおりに走ることが、実は難しいのです。

◆理由2).マラソンは、一緒にレースを走っているランナーからの影響を大きく受け易く、特に後半は自分自身のペースを貫いていくことが難しい。

例として、自分自身もペースアップしているにも関わらず、どんどん後続から追い抜かれているレース展開になった場合、メンタル的にも苦しくなり、高い確率で失速します。逆に、後半どんどん追い抜いている展開になったとしても、大きく失速しているランナーを追い抜いている状況はよくあり、実は追い抜きながら自分自身も失速しているケースは意外と多いのです。

◆理由3).後半ペースアップして好記録や好成績を達成できたとしても、なぜうまくペースアップできたかをゴール後に自分自身で解析することが難しい。

「30kから足が軽くなった」と、振り返るランナーがいます。しかし、次のマラソンでも同じように30kから調子が上がるような調整をすることは、実業団選手(プロ)を持ってしてもかなり困難な調整と言えます。また、「苦しくなっても前の選手がタイミングよく落ちてきた」と、振り返るランナーがいます。これについても常に同じようなレース展開にすることを誰も保障できません。他にも後半ペースアップするためには、前半をどの程度の余裕を持って通過するかを具体的な数値で表すことが難しく、レース中にそれを判断することは更に難しいと言えます。

以上のように、後半ペースアップする走法でマラソンを攻略していくことは意外に難しいと考えます。そして、過去においても後半ペースアップする走法を身上にして活躍したマラソンランナーは、ほとんどいなかったと記憶します・・・。

つづく。

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