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ロンドンパラリンピックへの道・11

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7月3日、ロンドンパラリンピック日本代表選手及び役員の公式発表がありました。日本盲人マラソン協会の強化指定選手からは、4名の選手が選出されました。

◆T12クラス(弱視):岡村正広、堀越信司。◆T11クラス(全盲):和田伸也、高橋勇市。

エントリー種目は、高橋選手はマラソンのみの出場ですが、パラリンピック3大会連続出場。堀越選手は、トラック種目のみの出場で、北京パラリンピックからの2大会連続出場となります。そして、岡村選手と和田選手は初めてのパラリンピック出場となりますが、マラソンとトラック種目のとちらにもエントリーします。

さて、4年前の北京パラリンピックでは、障害クラスの統廃合が実施された影響もあり、メダル獲得はおろか入賞すらできず、本当に悔しい思いで帰国したことを今でも鮮明に覚えています。そして、その悔しい思いを決して忘れることなく、この4年間は地道にかつ冷静に強化を継続してきました。

しかし、今回のロンドンパラリンピックでは前回の北京大会と同じく、視覚障害者マラソンはT12クラスのみの実施となります。したがって、T11クラスの和田選手と高橋選手は前大会同様、障害の軽い選手たちと勝負する厳しい状況は変わりませんが、入賞ラインは視野に入っています。そして何より、T12クラスの岡村選手がチームジャパンとしては、2大会ぶりのメダル獲得を狙える位置までに仕上がってきました。

また、T11クラスの和田選手は、トラック種目の1500mと5000mにも出場します。しかも両種目とも上位入賞を目指せる記録を残しています。大いに期待のかかるところですが、歴代のオリンピック選手を振り返っても、トラックの1500mからロードのマラソンまでを同時に走りこなした選手はほとんど皆無です。

なぜなら、若いころは短い距離でスピードを養成し、少しずつ距離をのばしながらマラソンに移行していくスタイルが一般的だからです。ところが、和田選手の場合、最初からマラソンを目指しました。その結果、マラソンをしっかりと走り切れる強靭なスタミナと脚力が身についていきました。

そして、ここからが和田選手の特徴的なところで、マラソンを走り切れる強靭なスタミナと脚力が身についたことで、質の高いトラックでのスピード練習がどんどん消化できるようになりました。その結果、この1年間で和田選手が潜在的に持っていたスピードが、一気に開花してきたのです。

特に、近年のトラック種目で世界と対等に勝負を挑める日本選手は、オリンピック選手を含めても稀です。今回トラック種目に出場する和田選手や堀越選手の活躍を大いに期待したいと思います。

この4年間でロンドンパラリンピック代表選手に選出された上記4選手とは、多くの強化合宿を共にしてきました。4年前の北京大会と比較してもその成長ぶりは一目瞭然です。ロンドンパラリンピックではそれぞれが持ち味を発揮し、「チームジャパン」として世界と対等に勝負してくれるに違いありません。

皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。

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