【ロンドンパラリンピック・4】最大の目標としてきたマラソンも無事に終了しました。3人の選手と5人の伴走者で世界に挑んだ結果は次のとおりです。
◆岡村正広(T12・弱視クラス):4位入賞/2時間28分51秒(日本新記録)。◆和田伸也(T11・全盲クラス):5位入賞/2時間40分8秒、伴走者:志田淳、中田崇志。◆高橋勇市(T11・全盲クラス):7位入賞/2時間42分9秒、伴走者:大崎栄、北村拓也、早田俊幸。
目標のメダル獲得には、あと一歩でしたが、全員が入賞を果たすことができました。
今回のマラソンコースは小刻みなアップダウンとコーナーの多さに当初から記録より勝負重視のレースになると予測していました。そのため各選手の設定タイムは下記のとおりとし、それぞれのラップタイムをマイル換算したラップ表を作成しました。
◆岡村正広:2時間24分52秒~2時間27分58秒。◆和田伸也:2時間39分38秒~2時間42分27秒。◆高橋勇市:2時間42分27秒~2時間45分16秒。
9月9日8時00分、T12クラス(視覚障害)とT46クラス(腕の障害)が一緒にスタート!
スタート直後から視覚障害クラスの5選手がトップ集団を形成し、岡村選手の設定どおりのペースでレースは展開されました。また、和田選手と高橋選手も設定タイムどおりの走りで前半を自重し、11番から13番あたりをキープしながらレースを進めました。
レースは後半に入り、先頭集団に動きが出てきます。優勝したスペインの選手がペースアップすると、3人の先頭集団から岡村選手が脱落していきます。しかし、このときの30k通過ラップは、1時間43分2秒と設定した上限タイムとわずか2秒の相違しかなく、あまり余裕がありません。その後、ビルの影から日向に変化する個所で恐れていた転倒もあり、メダルへの可能性が遠のいていく展開となりました。しかし、最後まで持ち前の粘り強さを十分に発揮し、堂々の4位でゴール!
一方、和田選手と高橋選手は淡々と設定タイムを刻み後半に突入していくと、8位集団を猛追です。圧巻は、40k過ぎからの驚異的なスパートで順位をアップし、和田選手が5位、高橋選手が7位と、共に入賞を果たしました。参考までに和田選手と高橋選手は、T11クラス(全盲)ならワンツーフィニッシュでした。
4年前の北京パラリンピックで、視覚障害マラソンは障害クラスの統廃合により、T12クラス(弱視)に統合されました。その結果、メダルどころか入賞もできない厳しい成績での帰国となりました。
この4年間、その時の悔しさを糧に地道な強化を積み重ねてきました。今回のロンドンパラリンピックでは、メダル獲得にはなりませんでしたが、全員が入賞する快挙を果たせました。また、5位に入った全盲の和田選手は、トラックの5000mで日本人初となる銅メダルを獲得するなど、これまでの強化の方法や方向性が間違っていないことを証明することもできました。
しかし、世界との距離はまだあり、4年後のブラジルに向け、引き続き地道な強化で課題を克服していきます。
最後になりましたが、ここまで様々な方から多くのご支援を賜りました。本当にありがとうございました。4年後に向け、更に突き進んでいきます!
おわり。
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