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荒川30k

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【荒川30k】10月14日(日)、東京都荒川の河川敷において、30kの大会が開催されました。しかし、この大会は普通の大会とは目的や趣旨が若干違います。それは、目標のマラソン大会に向け、走り込みの一環として開催している点です。具体的には、1kを4分15秒ペースから7分00秒までのペースメーカーをたてたグループ毎にスタートし、それぞれのペースを維持して30kを走ります。

実はこのような方法は、私が主宰している富津合同マラソン練習会と同じスタイルであり、多くのクラブチームの練習会で実施している内容でもあります。ところが、どこの練習会にも共通している点として、ペース感覚の優れたペースメーカーをコンスタントに確保することは意外と難しく、常に悩みのタネになっている点です。

また、練習会に参加いただいている多くの市民ランナーは、速い人はどんなペースでもペースメーカーを務められると思っていることが多く、そのような期待をしています。ところが、箱根駅伝や実業団選手として活躍したエリートランナーの多くは、市民ランナーが思っているほど、「ゆっくり走る」ことに慣れていません。具体的には、1kを4分30秒ペースより遅いペースになってくると、逆にそんなにゆっくり走った経験が少ないため、ペースを一定に保つことが難しいこともあります。

実際に私が主宰する富津合同マラソン練習会でも現役学生選手に4分30秒や5分00秒のペースメーカーをお願いすると、速くなる傾向にあります。したがって、速いランナーが遅いペースを引っ張っていくことは、多くの市民ランナーが考えているほど簡単なことではないのです。

しかし、今回の荒川30kでは、そんな不安を抱く必要のない素晴らしい方々が各グループのペースメーカーをキッチリと務めていました。もちろん、参加人数も回を重ねるごとに増加しており、今回は4343人と普通の大会並みの規模になっています。そして、私が担当したグループは1kを6分30秒のペースでしたが、436人のランナーと一緒で、かなりの人数でした。

更に、この大会のもうひとつの特徴は、実際のレースと同じ方式で給水を準備してある点です。マラソンを攻略していく上で最重要項目のひとつに給水があります。これは誰もが知るところですが、実際に走りながら水を飲むことは簡単ではありません。それをこの荒川30kで体験できる点は、重要なポイントです。なぜなら、集団の中にいながら給水を取りにいく難しさや、給水している間にペースメーカーから遅れていく距離感は実際のレース経験からつかんでいくしかないからです。

さて、今回参加された皆様方は、どんな経験をしたでしょうか?

予定より速いグループについていき、残念ながら途中でグループから脱落した方もいたことでしょう。また、ゆとりを持って走ることの重要性に気が付いた方もいたことでしょう。今回の荒川30kは、目標のマラソン大会に向けた貴重な経験と、自分自身の適正ペース等を考える機会になることは間違いありません。

そして、今回の経験を目標のマラソンレースで、少しでも活かしていただければと願っております…。

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