- 2013-01-17 (木) 18:54
- マラソン | マラソントレーニング | 秋を走る
【期分け・58】今回は、AT値(無酸素性作業閾値)やLT値(乳酸性作業閾値)を高めるトレーニングを、5kのタイムから考えていきます。更にもう少し専門的に説明すると、乳酸が蓄積しない境界強度(速度)でトレーニングを継続していくことで持久力が向上し、AT値やLT値も改善されていきます。その境界強度(速度)となる目安を5kのタイムから算出していく考え方です。
では、実際に5kのタイムから具体的な数値を考えていきます。もちろん、より専門的な器具での測定や個別の細かい分析も必要ですが、我々のような一般的な市民ランナーには不可能です。そこで、簡易的に用いられている計算式と私の経験的なことを織り交ぜて考えていきます。
◆目安1).5kの記録を100%としたときの90%~93%の速度。◆目安2).5kを全力で走ったときの感覚を「きつい」としたとき、「ややきつい」と感じる速度。※心拍数については割愛します。
以上の2つについてが、代表的な目安となります。おそらく皆さんもランニング雑誌等で一度は目にしたことのある考え方だと思います。私自身の経験や各種練習会等で指導してきた経験から話すと、目安2の「ややきつい」と感じる速度でトレーニングを継続していくと、持久力は効率的に向上していきます。
何度も話していますが、マラソンは自分自身の肉体と精神のみで勝負していく競技なので、様々なデータの積み重ねは重要です。しかし、生身の身体だけに日々の体調や精神状態、天候等のコンディションも同じではありません。つまり、データを蓄積していっても逆に当てはまらない部分も多く、そのため自分自身の身体と常に対話し、ランニング中に感じる「感覚」は最も重要な要素になると考えます。
したがって、目安1の「数値」と、目安2の「感覚」が常に一致していくような状態を身体で覚えていくことがトレーニングの重要な目的であり、それが持久力向上にもつながっていきます。実は、初マラソンに挑戦し、最初から狙いどおりの走りができるランナーと、何度も失敗を繰り返してようやくマラソンを攻略できるランナーがいます。その差の大きな要因のひとつは、この「感覚」をつかめているか否かによると、私自身の経験からも強く感じるところです。
次回は、マラソンの記録から具体的な数値を考えていきます。
つづく。
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