【絆・5】平成25年度もスタートし、マラソン&駅伝シーズンからトラックシーズンへと、本格的な陸上競技シーズンに突入しました。既に、全国各地で本格的な大会や記録会が始まり、私がコーチする選手たち(市民ランナー)も、果敢にトラックレースへ参戦しております。
さて、今年度はロンドンパラリンピックの翌年と言うこともあり、2016年のパラリンピックに向けた強化体制を再構築していくための大切な1年にもなります。
その第一歩として日本盲人マラソン協会は、今年度から正式に女子マラソンの強化をスタートします。最初の1期生となる女子選手は6名です。もちろん、全員が視覚障害者ですが、弱視から全盲の方までと、カテゴリーは様々です。
ところが、パラリンピック種目に女子マラソンは存在しません。トラックでも長い距離は1500mまでと、マラソンどころか中距離種目もままならない現状です。しかし、彼女たちの中には、既に一般の大阪国際女子マラソンや名古屋ウィメンズマラソン等に出場しているランナーもいます。ある意味、男子選手以上にハイレベルな大会を経験しています。
そんな彼女たちの快走をもっと広く認知していただき、逆に、パラリンピック種目に加えていただけるよう、積極的にアピールしていく必要があります。
4月20日(日)、茨城県で開催される「かすみがうらマラソン」では、初めて「IPC公認女子の部」として6選手全員がスタートラインに立つ予定です。既に何度もこのブログで説明しておりますが、IPC公認になると、ドーピング検査や伴走者に対する厳格なルールが適用されたりと、彼女たちにとってはすべてが初めての経験であり、そのことがストレスになることも多くなります。
この1週間の間でも服用しようとする風邪薬の成分を入念に確認したり、レース中に飲食予定の安全性を確認したりと、慣れない確認作業に苦労しております。しかし、この経験を積み重ねていくことが、世界的にも認知されるマラソンランナーへの道であると、確信しております。
視覚障害者の女性ランナーたちにとって、新たな歴史の第一歩として、おくすることなく果敢に挑戦してほしいと心から願っております。そして、その走りを支えていけるよう、今年度も地道な強化活動を継続していく所存です。
皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。
つづく。
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