【IPC世界陸上競技選手権】障害者陸上の世界選手権がフランス・リヨンで開催されます。今回、私は日本チームの監督として帯同します。
7月15日(月)11時に日本を出発し、パリ経由でリヨンに到着したのは現地時間の深夜0時過ぎでした。途中、パリでの乗り継ぎや待ち時間等もあったので、約24時間の長旅となりましたが、毎度のことながら海外遠征は移動時にコンディションを崩す選手もいるので、特に障害の重たい選手に対するサポートは細心の注意をはらいます。
また、これまで大きな海外での大会は、日本選手団として全員一緒に移動するケースが多かったのですが、今回は各選手の競技スケジュールに合わせて幾つかのグループ別での移動となりました。したがって、一緒に行動できない選手の調子を把握することが難しいので、現地にて直接顔を合わせるまでは安心できません。幸い、今のところ調子を崩している選手やスタッフは出ておりませんが、最後まで気を抜けない重要事項となります。
そして、現地入りが完了すると、翌日から順次トレーニングを開始します。至極当然のことですが、現地でのトレーニングは最終調整です。いわゆる狙ったレースへのピーキングです。
「迷ったら休養」です。
もちろん、これについてはどの選手も頭では理解できています。しかし、同じ練習会場にライバル国の選手や自分よりはるかに大きな身体をした外国選手を目の当たりにすると、状況が変わってくる選手もでてきます…。
ある意味、どのスポーツにも共通することですが、普段と違う環境下に置かれると、急に自分自身のフォームや調整内容に対する「不安」が心の中に芽生えてきます(不安症候群)。そして、厄介なことにその「不安の芽」が成長するスピードの速さは、これまで膨大な時間を費やして構築してきた「自信」をはるかに上回ります。つまり、狙った大会に向け、身体と心をつくっていくには膨大な時間と手間がかかりますが、それを崩すのは一瞬のことなのです。だからこそ、「迷ったら休養」を実践できるか否かは、重要なキーワードとなります。
また、世界選手権やパラリンピックは、世界ナンバーワンを決める極めて注目度も高い大会です。だからこそ、そこで結果を残せる選手は、末永く讃え続けられます。今回、日本代表選手として参戦する34名の選手については、最高の調子でスタートラインに立てるようスタッフが一丸となって選手をサポートしていきます。
皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願い申し上げます。
つづく。
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