【絆・16】3月21日(金)から3月23日(日)の3連休を利用し、日本盲人マラソン協会主催の強化合宿を千葉県富津市で実施しました。今回は、来月開催のロンドンマラソンに出場する女子選手に絞った強化合宿でした。
ご存知のとおり、4月12日にイギリスで開催されるロンドンマラソンは、世界的にも有名なマラソン大会です。そのロンドンマラソンが今年から視覚障害者マラソンのワールドカップも兼ねることになり、日本からは4名の女子選手が招待を受けました。
まだまだ馴染みの薄い女子の視覚障害者マラソンですが、2016年のブラジルリオ・パラリンピックでの実施候補種目にもなっています。また、日本盲人マラソン協会としては、昨年4月から女子選手の強化を立ち上げていただけに、今回のロンドンマラソンは願ってもない朗報です。同時に、今回のロンドンマラソンは、いろいろな意味で重要な位置づけとなるに違いありません。
ところが、パラリンピックで実施される陸上競技は、種目毎に「3ヵ国6名以上の参加者」の条件が満たされないと、その種目が成立しないルールになっています。一般のマラソンを見ていると、そんな条件は必要ないと誰もが感じるはずです。しかし、今回のロンドンマラソンで実施される視覚障害者女子の部については、まさに3ヵ国6名だけの出場です。しかも日本から4名の選手を派遣するので、極端な見方をすると、日本選手以外に女子の視覚障害者マラソン選手は、世界にたったの2名しか存在しないことになります。もはや強化と言うより、「びっくり人間の世界」に近いのが現状なのです。
更に、オリンピックとパラリンピックの開催が公式に統合された影響もあって、パラリンピック種目の削減(メダルの価値を高める意味で)が、重要課題となっています。特に、陸上競技や水泳は障害によるクラス分けが細かいため、メダル数も多くなります。したがって、陸上競技や水泳の種目統廃合が中心に進む方向は避けられない状況でもあります。
既に、男子の視覚障害者マラソンについては、2008年の北京大会から「T12(弱視)クラス」のみとなり、「T11(全盲)クラス」の選手は、T12(弱視)クラスの単独走選手(伴走無)と同じ土俵で競うことになりました。そんな中、2012年のロンドン大会では、T11(全盲)クラスの和田選手と高橋選手が5位と7位に入賞する健闘を見せましたが、T11(全盲)クラスのみなら金メダルと銀メダルだったのです…。
そんな厳しい状況の中、逆に女子マラソンを新たに追加していこうとする朗報を何とか実現させるためにも、今回のロンドンマラソンは大きなチャンスです。そして、チームジャパンとしては上位独占を目標に、その存在を世界にアピールできることを期待しております。
皆様方の絶大なるご声援をよろしくお願いします!
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