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期分け・91

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【期分け・91】前回まで、ロードレースとトラックレースを比較してきましたが、どうもトラックレースの方が苦しいような感じです。同時に、その違いや感想をいくつかあげてきましたが、今回はもう少し掘り下げてみます。

特に、はじめてトラックレースを走った市民ランナーの多くが、走った後の感想として、「とにかく苦しかった」、「こんなに苦しい経験は初めて」とまで言う方もいます。では、その苦しさの要因を別の視点から考えてみます。

はじめに、考えられる最大の要因としては、以前にこのブログでも取り上げたトレーニング強度の指標となる「AT値」が、大きく影響していると考えられます。と、ここで久々に「AT値」が登場したので、もう一度簡単に説明しておきます。

ATとは、無酸素性作業閾値と言います。詳細については割愛しますが、簡単に説明すると、有酸素運動と無酸素運動の境界付近を指します。具体的には、遅いスピードで走っている段階では有酸素性エネルギーが供給され、乳酸を蓄積せずに(疲労せず)ランニングを継続していくことが理論上可能です。

ところが、スピードを上げていくと、無酸素的エネルギー供給機構が働き始め、乳酸がより多く産生(疲労してくる)されて、スピードを維持できなくなってきます。そして、その境界をAT値と言っています。しかし、その変換点はポイントと言うより閾値、つまり「ゾーン」と考えられています。

もちろん、正確なAT値を測定するには、専用の機器や血液検査等々、専門的なデータ分析が必要になります。しかし、ランニングペースの目安を導き出すため、簡易的な計算式でも、ある程度の目安を判断することは可能です。(個人差も大きいので目安として)

◆簡易計算式:5000mの記録を100%とした時の90%(5000mの記録/0.9)

例として、5000mを20分ちょうどで走れるランナーの場合、1000mの平均速度は4分ちょうどとなります。したがって、その90%なので、1000mを約4分27秒前後のスピードで走り続けると、理論上は乳酸が蓄積せずに(疲労せず)ランニングを長時間継続することが可能になります。また、そのペースの前後が閾値(ゾーン)となります。

さて、久々に難しい話しになりましたが、苦しさの要因となるヒントが何となく見えてきたでしょうか?

次回も引き続き考えていきます。

つづく。

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