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5月を走る・3

【5月を走る・3】5月15日(土)から2日間の日程で東日本実業団陸上競技選手権大会が埼玉県熊谷市において開催されました。同大会は視覚障がい男女1500mと5000mの種目も実施いただいており、東京パラ代表内定選手を中心に多くの選手が出場しました。

特に、16日に実施された視覚障がい男子5000mは、T11クラスの唐澤選手が世界新記録を達成しました。同種目には、T11男子5000mの日本記録保持者である和田選手やT12男子マラソンで活躍する熊谷選手など、記録を狙える選手が集まっており、新記録の予感はありました。

また、視覚障がい男子選手の多くが、「同大会の5000mで自己新記録を狙う」と、今シーズン前半の目標を掲げていました。そのため、出場した選手の多くは、この大会にピークがくるように調整していたので、新記録につながる裏付けもありました。

レースは、スタート直後からいつものように熊谷選手が積極的に先頭を引っ張りました。ところが、2000m手前からペースが上がりません。しかし、その後ろに付いていた和田選手が素早く反応し、先頭を入れ替わってラップの落ち込みを食い止めました。そしてラストは、残り800mから唐澤選手が記録へ向かってロングスパートを仕掛けたのです。

記録が更新されるときのレースは、まるで申し合わせたように記録へのアシストを交代しながら流れていきます。今回のレースは、結果的には唐澤選手が世界新記録を達成しましたが、スタートから「3選手が力を合わせて達成した記録」と言って間違いありません。つまり、日本の視覚障がい男子選手の総合力を見せつけたレースだったとも言えます。

この記録で、東京パラでのメダル獲得に近づいたと思いたいのですが、唐澤選手をはじめ上位3選手とも、個々の課題が浮き彫りになったレースでもありました。詳細は割愛しますが、メダル獲得を目指すにはそれぞれの課題を修正する必要があります。

記録はいつの時代も誰かが更新します。そして、その記録は様々な条件や偶然が重なったときに達成する確率が高まります。そして、勝負に勝つ(メダルを獲得)ことと、似ているようでかなり違います。そして、好記録を達成したあとほど、足元をすくわれる可能性も飛躍的に高まるのです。

東京パラリンピック開幕まで100日を切りましたが、時間はもう少しあります。周囲の様々な雑音に振り回されることなく、たんたんとトレーニングを継続し、メダル獲得に向けたそれぞれの課題を修正してほしいと願っております。

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