【夏を走る・3】先日の11日から12日の日程で、日本パラ陸上競技選手権大会が兵庫県神戸市で開催されました。同大会に向け、4月後半から強化合宿を重ねてきたので、その成果を確認するために、私も神戸に行きました。
果たして結果は、東京パラのT12女子マラソンで金メダルを獲得した道下選手が、5000mでアジア新記録を達成するなど、目標どおりの記録を残した選手を多数確認することができました。一方、うまく調子を合わせることができなかった選手もいました。
また、その結果を振り返ると、日本代表選手として東京パラを走った選手のほとんどは目標どおりの結果を残していました。ところが、出場できなかった選手ほど練習の成果を記録として残すことができなかったように見受けました。
やはり、大舞台を経験した選手たちは、「確実にひと回りもふた回りも成長した」と、レースをみていてもはっきり確認できました。あらためて、「人は大きな経験をすることで、大きな成長をする」と、感じました。
そして、我々は国から予算を頂戴して選手強化を継続している以上、最終目標は「パラリンピックでメダルを獲得する」です。それ以外はありません。もちろん、選手個々に走力やトレーニング環境が違うので、誰もが最初からその目標に到達することはできません。
陸上競技でパラリンピックを目指すパラ選手は、オリンピックを目指す一般選手に比べると、競技人口は圧倒的に少なく、いわゆる底辺が広いピラミッド型にもなっていません。したがって、一度パラリンピックに出場するレベルに到達した選手が、長期間に渡ってその地位をキープする傾向が強い特性を持っています(競争原理が働きにくい)。
逆の見方をするなら、パラリンピックに出場したことのない選手が、パラリンピック日本代表選手を倒すことは、一般のトップ選手がオリンピック日本代表選手に勝つこと以上に難しいと感じます(私の主観)。
2024年5月に今大会の会場において、WPA世界陸上競技選手権大会が開催されます。そして、この大会で上位入賞した数名の選手にはパリパラリンピックの出場切符が渡されます。今回、目標どおりのタイムに到達しなかった選手たちも、そのチャンスを手にできるよう、今日からさらに精進してほしいと願っております。
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