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2024夏を走る・5

【2024夏を走る・5】今年も半年が過ぎ、来週から7月に入ります。今月から9月8日のパリパラマラソンに向けた本格的な走り込みを開始していますが、ひと月が過ぎました……。また、6月は長野県上田市菅平高原で走り込んできましたが、7月は北海道北見市に場所を移します。

あらためて、オリパラは夏に開催され、どの競技も記録よりも順位が重視されます。したがって、冬マラソンを目指す取り組みとは目標設定の考え方が異なります。もちろん、冬マラソンでも優勝を目標にすることは同じですが……。

まず、冬マラソンと夏マラソンを目標にした場合、どちらも目標タイムの設定が最初になります。しかし、ここで大きく異なる点として、冬マラソンは「自己記録の更新」が最大の目標となり、自己記録の更新がそのまま優勝を狙えるタイムなら、目標設定は「自己新記録で優勝」にもなります。

ところが、夏に開催されるパラマラソンの場合、そもそも夏マラソンで自己記録を更新することはかなり難しく、暑い中で冬マラソンのようなトレーニングを積んでいくこと自体も難しい。したがって、目標タイムは「メダル獲得(入賞)」をターゲットにした設定タイムになります。

もちろん、夏マラソンでも自己記録更新を目標にすることは可能ですが、冬マラソンのような量と質の両面から追い込むトレーニング自体が相当難しい。仮に涼しい場所でトレーニングを消化できても、どこかのタイミングで必ず暑さに慣れる必要があり、そのタイミングの見極めが難しく、直前に暑さで調子を崩すケースは多いのです。

参考までに、2021年9月5日に開催された東京パラマラソンにおいてもメダル獲得ターゲットタイム(※)を計算し、そのタイムを狙える走り込みの量と質を見極めながら取り組みました。ところが、大会数日前の天気予報は当日の天候が雨(低温)……。したがって、最後の全体ミーティングにおいて、男女ともメダル獲得ターゲットタイムを上方修正し、各選手とも共有しました。

具体的には、女子は「3時間00分59秒」を金メダル獲得ターゲットタイムとし、道下選手が「3時間00分50秒」で金メダルを獲得。男子は「2時間28分10秒」をメダル獲得ターゲットタイムとし、堀越選手が「2時間28分1秒」で銅メダルを獲得。

今回のパリパラマラソンに向けたメダル獲得ターゲットタイムはすでに計算しており、そのタイムを目標に走り込みを開始しています。もちろん、前述したとおり、そのタイムは自己記録更新ではありません。つまり、メダル獲得に自己記録更新が必須であるなら、パリパラマラソン(夏マラソン)でのメダル獲得は極めて難しいことになります。

要は、いわゆる冬マラソンと夏マラソンの攻略方法が異なる点をよく理解(経験)していないと、夏マラソンは単に疲労を残すだけのトレーニングに陥ってしまうリスクが高いのです。至極当然のことながら、選手は少しでも良いタイムを出したいので、暑くても寒くても自身を追い込みます。そこをいかにしてコントロールしていけるかが……。

※メダル獲得を確約した設定タイムではありません。

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