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2024秋を走る・7

【2024秋を走る・7】寒暖の差が大きくなりましたが、なかなか秋らしいさわやかな気候になりません……。先日の箱根駅伝予選会も厳しい暑さの中でのレースでした。しかし、その翌日に開催された東京レガシーハーフマラソン大会は秋らしい天候となり、好記録も誕生していました。

特に、10k以上の長距離レースを走る場合、当日の気温に記録は大きく左右されます。一般的には、暑くなっていく春から夏に実施される10k以上の長距離レースは、速さよりも強さ(スタミナ)が求められます。一方、涼しくなっていく秋から冬にかけては、強さよりも速さ(スピード)を追求していくのが一般的な流れでしょうか。

したがって、先日の箱根駅伝予選会に出場した有力大学やその選手たちは、最終的には「1kを3分ペース」でハーフマラソンを押していける調子に仕上げ、そのまま予選会に挑む流れが主流のようです(過去の大会実績を振り返ると)。

ところが、先日のように気温が25度を超えるような過酷なコンディションになると、ハーフマラソンをまともに完走すること自体が難しくなります。もちろん、当日の天候に合わせ、設定ペースを落として走れば問題ないのですが、1kを3分ペースで刻める状態に仕上げた感覚(リズム)を、逆に下方修正することは意外と難しいのです。

また、予選会のレースでは、各大学に所属している外国人選手やエースたちが、暑くなってもスタートからそれなりのハイペースで刻んでいくのは毎年のことです。したがって、気温が高くなっても、スタートからレース全体のペースもそれなりに速くなることは予測できます。

このとき、気温が高いことを理由に、先頭集団から離れていきながらもチームや個人のペースをしっかりと死守できる精神力の強さがあれば良いのですが……。つまり、スタート後、前の集団や選手たちがどんどん視界から消えていく恐怖に耐え、「残り3kで追いつける」と信じて自分たちのペースで走り続けることは、実は簡単ではありません。

いわゆる後半ペースアップしていく「ネガティブスプリット」は、特に暑い中での長距離レースでは必須です(夏マラソンなど)。しかし、箱根駅伝予選会はタイム以上に順位です。したがって、単純に後半ペースアップする戦術は指示して何とか実行できます。ところが、後半ペースアップしながら狙った順位でゴールすることは、相手の実力や状況にも大きく左右されるので、狙いどおりにはいきません……。

さて、厳しい暑さの中での勝負となった今回の箱根駅伝予選会でしたが、上位通過した大学とその選手たちは、日々の走り込みに裏付けされた「強い精神力(暑さにも強い)」も兼ね備えていました。その勢いで、正月の本戦での快走を心より祈念しております!

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