「最終調整(仕上)期」:目標のマラソン大会1週間前から前日まで。
ここまで、駆け足でマラソン練習について考えてきましたが、いよいよ最後の期となります。しかし、この期についても前期同様、とにかく休養第一になります。
ところで、皆さんは1週間前の練習は何を実施するのでしょうか?
ほとんどの人が、10kから20k程度のペース走を実施するのではないでしょうか。もちろん、私が指導する市民ランナーたちも、10kから15k程度のペース走を実施して最後の仕上としています。ところが、1週間後に走ったマラソン大会での結果については、残念ながら全員が笑顔になるとは限りません。
なぜ、同じにならないのでしょうか?
実は、前期から距離を落として各自の目標タイムに合った設定タイムを守ってきた人については、ほぼ間違いなく調子が上がってきています。たとえ本人にその自覚が無かったとしても、1週間前のペース走でそれを実感できる人がほとんどです。
マラソン大会1週間前の練習実績例として、◆1).調整のつもりで走った10k走で自己記録に匹敵するタイムで走れた。◆2).後半ペースアップしたら、いくらでもビルドアップできた。◆3).1週間前のハーフマラソン大会で大幅な自己新記録を達成した。◆4).15k走のつもりでスタートしたが、あまりにも軽かったので20kまで走った。・・・以上のような例を経験された人は多いと思います。実は、残念ながら上記の例はマラソンで失敗した人たちがよく話している内容です。※◆対策1).目標とするマラソンペース以上のスピードで追込むような走りはしない。最後まで余裕を持って走りきる。
また、逆に1週間前の10k走があまりにも調子が悪く、自分自身でも納得がいかないと、翌日の月曜日から水曜日にかけて、もう一度10k走にトライする人も意外と多くいます(追試)。この場合、更に失敗する確率が高まります。※◆対策2).追試は実施せず、勇気と決断を持って、狙っているマラソン大会での目標タイム自体を修正する。
マラソン1週間前は、どんな人でも前期以上にメンタル的(精神的)に不安定な状態になってきます。その結果、必要以上に速く走ったり、追試のような練習を急遽実施する人が多く、失敗を呼び込んでしまう人が後をたちません・・・。※不安症候群。
さて、今回もメンタル的な話が多くなりました。しかし、最終的に明暗をわけるのは、これまで積重ねてきたトレーニングや、それを継続してきた「自分自身を信じる力」の差ではないでしょうか。
そして、長期間のマラソントレーニングを通じて変化してきた自分自身の身体や気持ち。それを目標としてきたマラソン大会という発表会の舞台で出し切る達成感や感動こそが、マラソンの醍醐味なのです。
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