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安田享平のランニングライフ

冬を走る・7

【冬を走る・7】2023年最初の強化合宿を実施しましたが、目標は2月に開催される別府大分毎日マラソン大会になります。また、今月は大阪国際女子マラソン大会を筆頭に各種マラソン大会が目白押しです。

そして、これも毎年のことですが、1月末から2月上旬に開催されるマラソンを目標にしているランナーは、年始から最後の調整に入っていきます。調整の基本は駅伝同様、「質をキープしながら量をおとしていく」になります。

しかし、マラソンの場合は走る距離が長いので、調整の段階でマラソン当日の30k以降をイメージすることが難しいのは確かです。と、言うよりも正確にイメージできる人は少ないでしょう。

また、マラソンの場合、駅伝やトラックレースと違い、レース自体はゆとりあるペースで走り出すので、多少の不安があったとしても何とかスタート地点に立つことはできます。だからこそ、最終調整段階に入ってくると、自信よりも不安感の方が強くなってくるのでしょう。

もちろん、計画通りに走り込みを消化し、自信を持って最終調整に入っているランナーもいることでしょう。しかし、順調なときほど、走り過ぎたり、追い込み過ぎて調子のピークがずれてしまうランナーを、必ず見受けるのも確かです。

このように、マラソンは走るペースが比較的遅い分、ある程度のゆとりがあります。また、走る距離と時間が長く、レース後半のイメージを予め頭に描くことが難しいのも確かです。そして、そんなことが重なってくると迷いや不安につながり、上記したような「やり過ぎ」になってしまうのでしょうか……。

「迷ったら休養」

すでに何度も話していますが、これに尽きると思います。また、最終調整に入ってからは「追試」をしないことも大切です。つまり、ポイント練習と呼ばれる練習を設定タイムどおりに走れなかったとしても、翌日や翌週にやり直さないことも調整のポイントです(私の経験上)。

そして何よりも、健康第一で良い体調をキープしていきましょう。

冬を走る・6

【冬を走る・6】今年も例年どおり、駅伝観戦からスタートしました。そして、今年も多くの感動をいただきました。選手の皆様、関係者の皆様ありがとうございました……。また、遅くなりましたが、あらためて本年もよろしくお願い申し上げます。

その駅伝ですが、ニューイヤーも箱根もほぼ予想どおりの結果だったように感じます。また、いつの時代も駅伝はエースが快走することは必須ですが、それ以上に全区間でミス(ブレーキ)をしないチームが、優勝や上位入賞を果たしています。

特に、順位変動が少なくなってくる中盤以降の区間については、その選手が次区間の選手にタスキを渡したチーム順位と区間順位がほぼ一致してきます。例として1位でタスキを受け取り、3位に後退したとしても、その選手は意外にも区間3位だったりします。

同様に、20位でタスキを受け取り、11人を抜いて9位でタスキを渡しても区間9位だったりします。つまり、駅伝はタスキを受け取った順位やそこで競り合った相手などによって、その選手のペースや区間順位が決まっていく特性もあります。

それだけに、一度後退したチーム順位を区間賞で一気に上位へ押し戻す「ゲームチェンジャー」になるエースはそう簡単にはあらわれません。今回のニューイヤー駅伝では、4区を走った池田選手(KAO)や細谷選手(黒崎播磨)がそんな走りを見せましたが、両チームとも入賞には届きませんでした。

一方の箱根駅伝は、4区を走ったヴィンセント選手(東京国際)と9区を走った岸本選手(青山学院)の2選手がゲームチェンジャー的な快走を見せましたが、両チームとも目標順位には届きませんでした(5区と6区は除く)……。

しかし、ニューイヤー駅伝を制したHondaは全7区間で2区の外国人選手を除くと、区間6位以内(37チーム中)で全員がキッチリと走り、意外にも区間賞は5区の青木選手だけでした。同様に箱根駅伝を制した駒沢大学も全10区間を区間5位以内(20チーム中)にまとめ、こちらも区間賞は6区の伊藤選手だけでした。

優勝した両チームとも選手個々の調整能力の高さはもちろんですが、それを束ねた監督をはじめとするチーム力の高さが際立っていたのは確かです。さて、いよいよ来年はパリパラ大会です。残されたレースもカウントダウンに入っていきます。まずは、駅伝を制した両チームのようなミスのない安定した走りでパリパラへのキップを手繰り寄せていきます。

冬を走る・5

【冬を走る・5】2022年も明日で終わりです。毎年のことですが、今年もあっと言う間の1年でした。しかし、2020東京パラ大会が2021年に延期されたこともあり、来年はパリパラ大会の前年になります。

言うまでもなく、とても重要な1年になります。振り返ると、東京パラ大会が1年延期になった影響を感じることは少なかった気がします。しかし、逆にパリパラ大会への間が1年短くなった影響は計り知れないと、あらためて感じます。

もちろん、その影響を最も受けるのは、選手たちであるのは間違いありません。また、そうは言っても、来年の今頃はパリパラ大会への出場権(枠)などを獲得している選手や団体もいることでしょう……。

さて、毎年恒例の年末合宿を28日から千葉県富津公園において実施しております。内容は距離走を2本実施する流れも例年と同じです。しかし、諸事情で同合宿に参加できない強化選手も今年はいます。1年後の同合宿は強化選手全員で迎えられるよう、2023年の強化活動を実践していきます。

あらためて、2022年もたくさんの方々のご理解とご支援のおかげで、強化活動を継続することができました。2023年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。

冬を走る・4

【冬を走る・4】今年も2週間を切りました。特に、正月のニューイヤー駅伝や箱根駅伝に出場するチームや選手の皆様にとっては、最後の調整に入っていく時期です。そして、これも毎年のことですが、寒さも一段と厳しくなる季節とも重なります。まずは、出場される選手の皆様方が万全の体調で挑めることを祈念致します。

さて、年明けの元日は日曜日になります。したがって、先日の18日はちょうど2週間前の日曜日に当たりました。案の定、千葉県富津公園においては、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝に出場するチームや選手たちが調整していました。

調整の内容はチームや個人によって様々ですが、ちょうど2週間前だったこともあり、どのチームも選手も実際のレース相当の速いペースで走っていました。そして、これも毎年のことですが、拝見していると、チームや個人の仕上がり状態がよくわかります。

私が偉そうに評論できる立場ではありませんが、大会2週間前と言うのは微妙な時期でもあり、実はここから調子が落ちていく選手もいます。もちろん、選手たちの調子を引き上げていくことが調整の目的ですが、監督がどの選手をどの区間に配置するかの最終判断は本当に難しいと思います……。

具体例として、この2週間前に好調の選手が、ここから調子が下降に入った場合、元の調子に戻すことはかなり難しくなります。しかし、選手はもちろん監督も、何かと良い材料を探そうとする時期とも重なるので、その変化を黙殺し、本番でのブレーキにつながるケースは意外に多いと感じます(私の経験上)。

逆に、2週間前のポイント練習が不調で自他ともに落ち込んでいても、そこから調子が一気に上がっていくケースもあります。この場合、その選手は監督の構想から外されるパターンが多いのですが、やむを得ず走らせた結果、区間賞を獲得することも意外に多いと感じます(私の経験上)。

レース後、そのような選手は「調子が悪かったので、開き直って走りました」と、このようなコメントをよくしますが、実は調子が悪いと思っていただけで、2週間前を境に好転していたのでしょう。

これはマラソンの調整にも当てはまりますが、自分自身がどのような周期(日数)で好不調の波を繰り返しているのかをつかんでいるか否かが、最終調整期の大きなカギになります。また、2週間前の調子を踏まえ、そこからどんな調子になっていくかを洞察する力が不可欠ですが……、それが最も難しいのも確かです。

冬を走る・3

【冬を走る・3】年末に向かってコロナの影響が懸念されている中ですが、今年も無事に奈良マラソンが開催されました。同大会は今年で13回目の開催でしたが、私がコーチしている選手たちも縁があって第1回大会からずっとお世話になっております(招待選手として)。

そして、今年も山口遥選手が優勝し、4連覇を達成することができました。そんな彼女も4連覇の前は2年連続2位と、悔しい思いを経験しました。しかも残り1kを切ってから学生選手に逆転されたレースもあり、そのときの落胆したゴールの姿は忘れることができません……。

また、同大会は奈良の観光名所を楽しめる素晴らしいコース設定になっておりますが、実際に走ると、連続するアップダウンの「生き地獄」が待っている国内屈指の難コースです。しかし、この難コースで山口遥選手をはじめ私の選手たちは経験と走力を培い、成長していくことができているのも確かです。

さて、その山口遥選手は日本ブラインドマラソン協会の強化合宿などにおいても、ガイドランナーとして貢献しております。実は、今回の奈良マラソンにおいて、マラソン女子の部で7位に入賞した河口さんと、8位入賞した丸一さんもガイドランナーとして強化合宿にも参加している選手です。

さらに、先日の防府読売マラソン大会において、マラソン女子の部で8位入賞を果たした青山さんも強化合宿でガイドランナーをしている選手です。このように少しずつですが、ガイドランナーとして貢献しながら自身の結果を目に見える形で残せる選手たちも増えてきました。

こんな話を記載すると、まるで安田の手柄のように感じますが、実際は全く違います。なぜなら、ガイドランナーをすることと、自身の走力強化は一緒にならないからです。そのため、自分自身のトレーニング時間とそれに必要な体力以外に、ガイドランナーとしてブラインドランナーたちと一緒に走る時間と体力の捻出も必要になるのです。

要は、仕事や家庭などと両立させながら自分自身のマラソンに挑戦する時間を捻出し、それを継続させること自体も「至難の業」なのに、ガイドランナーとしてブラインドランナーの練習やレースをサポートするための時間や体力などを、さらに絞り出すことがどれだけの負担になるのかは、想像に難くない……。

あらためて、ブラインドランナーに寄り添い、日々献身的にサポートを継続しているランナーの皆様方に、心より感謝申し上げます。

冬を走る・2

【冬を走る・2】山口県防府市において伝統の防府読売マラソン大会が開催されました。また、同大会は日本視覚障がい女子マラソン選手権大会(IPC登録選手)も同時開催いただいております。あらためて、大会関係者のご理解とご尽力に厚く御礼申し上げます。

同大会は、ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズに指定されるなど、大会自体のグレードも年々アップしてきました。特に今年は、一般男子の部は好記録を狙える選手たちがそろい、当日のレースもマラソンファンの期待に応える素晴らしい内容でした。

また、今年からスタート時間を午前中に繰り上げるなど、午後から吹いてくる風の影響を最小限に抑えられる期待もありました。ところが、スタート後は懸念していたその風が少しずつ強くなり、特に30k過ぎからの向風に多くの選手は苦しんでいました。

それだけに、上位3名の男子選手がMGCを獲得したのは驚きでもありました。

さて、私は例年通り、スタート地点で選手をも見送った後は、ゴール地点で選手を待ちましたが、これも例年通り、最後の400mを懸命に力走するランナーの姿は胸が熱くなります。上記した男子の上位選手はもちろん「3時間の壁をはさんだ最後のスパート」など、多くのドラマが今年もありました。

しかし、今年は例年になく気になった点がありました。これは私の主観ですが、ゴール前後で足をケイレンするランナーが多かった点です。特に、ゴールタイムが3時間をこえるランナーが、ケイレンなどでゴール後は車イスで運ばれる姿が例年より多かったように感じました。

もちろん、どのランナーもシューズは、いわゆる厚底(カーボンプレート入り)が主流でしたが……。

その厚底シューズ(カーボンプレート入り)が登場してから年数も経過し、各メーカーから様々なバージョンが販売され、厚底シューズに対するルールも統一されました。また、同シューズを履きこなすための各種補強運動なども普及してきました。

そんな状況の中、これも私の主観ですが足の故障を訴える選手も多くなってきたとも感じます。いつの時代もそうですが、一見すると「美しくて効率の良いフォーム」も、その本人にとっては単に矯正された本来の動きとかけ離れた非効率なものだったりします。

また、人間の走るスピードはピッチよりもストライドに起因すると言われており、カーボンプレート入りの厚底シューズはそのストライドを「誰でも簡単に広げる(タイム短縮)」ことに成功しました。しかし、そのストライドを無理に矯正した影響などが「どのタイミングで、どこに出てくるのか否か?」は、よくわかっていません。至極当然のことですが、ケガや故障防止に対する意識はこれまでのシューズ以上に必要なのは確かでしょう。

冬を走る・1

【冬を走る・1】先日の11月27日は、日本ブラインドマラソン協会主催の「JBMAユニファインドラン」が、新国立競技場を発着点とするコースで開催されました。また、同大会は今年で40回目の開催となりました。

私も同協会のお手伝いをしておりますが、このような大会を40年も前から継続していることには驚きです。そして、ブラインドマラソンを40年も前から支えてきた方々に、あらためて感謝申し上げます。

さて、どんなことにも歴史がありますが、この大会も発足当時は相当な苦労があったと、伺っております。そして、視覚障がいランナーと一般ランナーが「輪にしたロープを握り合ってマラソンを走る」。この走法を普及させたこと自体も驚きです。また、この握り合っているロープを「絆(きずな)」と命名した点は、さらに驚きです。

同大会が発足した当時は、ブラインドマラソンはパラリンピック種目に採用されていませんでした。と言うよりも、パラリンピックや障がい者スポーツそのものが一般の方々の目に触れるようなことも、ほぼ無かった時代です。

そんな時代に、国内にブラインドマラソンを立ち上げ、同大会まで開催した先人たちの行動力と洞察力はブラインドマラソンの普及だけでなく、2024年のパリパラを目指している強化の土台にもつながりました。

どんなスポーツも「普及と強化は車の両輪」と言いますが、まさにそれを体現できる貴重な大会であり、あらためて身の引き締まる1日となりました……。

引き続き、ブラインドマラソンへのご理解ご支援をお願い申し上げます。

秋を走る・13

【秋を走る・13】マラソンシーズン真只中ですが、毎年この時期に考えることは、「マラソンの連戦について」です。つまり、毎週フルマラソンを走っても大丈夫なのか否についてです。中には、そんなことを気にすることなく、ほぼ毎週末ごとにマラソンを楽しんでいる市民ランナーの方は、意外と多く見受けます。

一方、いわゆる実業団選手と言われる方々は、そうでないのが特徴でしょうか。専門的な文献などには、マラソン後は一定期間体を休め、リフレッシュすることを必ず推奨しています。もちろん、運動生理学的な裏付けもあり、その考え方が王道なのは確かです。

しかし、ご存知の川内優希選手などは、ほぼ毎週末ごとに全国のマラソン大会を転戦し、実戦を積むことでトップクラスの走力を手にしてきました。その川内選手に対するコメントも、当初は批判的な意見が多かったと記憶しておりますが、記録と成績が伴ってくると、その評価は真逆になりました。

では、他の実業団選手は何をしているのでしょうか。もちろん、正確な情報を把握することはできませんが、マラソンを目指している選手は間違いなく走り込みを実施しています。その走り込みは、目標のマラソン大会から逆算し、概ね3ヵ月から4ヵ月前あたりから開始するパターンが一般的です。

また、走り込みの内容は個々に違いますが、多くの選手は40k前後の距離走を週に1回程度の頻度で取り入れていく流れは、今も昔もそんなに変わっていません。つまり、目標のマラソン大会に向けた走り込みの中において、40k走を少なくとも5回から10回程度は実施しているでしょうか。

前述した川内選手はほぼ週末ごとにフルマラソンを走りながら高い走力を身につけていきました。一方、多くの実業団選手は40k走を何度も繰り返すことで、マラソンで戦える走力を手にしています。要は、どちらのパターンもほぼ1週間ごとに「フルマラソンを走っている」と言えます。

このように見ていくと、マラソンを攻略するには長い距離を繰り返し走るトレーニング方法は、ほぼ間違いがなさそうです。しかし、マラソンや長い距離を走った後の休養期間やケアの方法などについては「なぞ」が多く、逆に「確実な対処方法はよくわかっていない?」とも言えるのでしょうか……。

秋を走る・12

【秋を走る・12】11月も半ばを過ぎ、各地のマラソン大会も盛り上がっておりますが、2020年4月以降のコロナ禍で各種レースは中止や延期に追い込まれていました。その影響もあり、逆に久々のレースを走り、その実戦を大いに満喫した方も多かったと思います。

また、今月のレースを皮切りに、マラソンなどの各種レースを次々と走っていこうと計画している方も多いことでしょう。そんな皆様の情熱が、今も懸念されているコロナの影響を払拭していくと信じております……。

さて、久々にマラソンを完走した方も多かったと思いますが、結果はいかがだったでしょうか。もちろん、どのレースもゴール後は振り返り(反省)を実施しますが、その結果の良し悪しの判断をする尺度は様々です。まずは、単純に今の走力を出し切れたか否かの確認が基本になります。

特に、上記したようにコロナ禍の影響でレースから遠ざかってしまった方ほど、過去の自分と比較し、落胆するケースが多いと推察できます。マラソンは感覚でうまく走れたか否かを考える前に、ゴールタイム(数字)を持って白黒がハッキリと示されるスポーツなので、そのような状況になってしまいます。

至極当然のことですが、マラソンを完走した多くの方もその点は、頭で理解していると思います。しかし、その現実(タイム)を突き付けられると、それに一喜一憂してしまうのが、ランナーの特性でもあります。だからこそ、ゴール後の振り返り(反省)が難しい理由なのかもしれません。

あらためて、その振り返りのポイントですが、「どんなラップタイムを刻んでゴールしたのか?」を確認することが最初のポイントになります。具体的には大きく3つに分かれます。1つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みが1%未満(イーブンペース型)」。2つ目は「前半のラップに対し、後半の落ち込みを4%以内に留めた(ポジティブスプリット型)」。3つ目は「前半のラップに対し、後半を1%以上アップ(ネガティブスプリット型)」。

前後半のタイム差は単なる目安(安田の主観)ですが、要は「イーブンペースで走り切れたか否か」。そして、「後半失速したのか、後半ペースアップできたのか」。おおむね、この3つのタイプに分かれると思います。もちろん、後半大失速して歩いた方もいることでしょう。

まずは、実績ラップタイム(数字)を確認しながら、自分はどのパターンで完走したのかを確認することが、振り返り(反省)の肝になります。

秋を走る・11

【秋を走る・11】全国各地でマラソン大会や駅伝大会が目白押しですが、どの大会も参加者はかなり減少している様子です。やはり、2020年4月以降はコロナ禍の影響でマラソン大会の中止が相次ぎ、ただ走っている状況に見切りをつけた方々が増えたのでしょうか。

ランナーにとっては本当につらい期間でしたが、ようやく元の状況へ動き出したようです。と、言いながら富津合同練習会で切磋琢磨している方々は、この間もたんたんと走り込みを継続し、復活した各種大会を元気に出走しております。

一方、マラソンは己の鍛えた身体と心だけで勝負する競技です。したがって、どんな理由であれ、一旦走ることをやめてしまえば少なくとも身体には何も残りません。あれだけ意識してきたペース感覚やランニングフォームなど、全ては無になってしまうのです(逆に体重が増えてマイナスになってしまう)。

このように、マラソンは球技などのように道具を使わない分、技術ではなく体力と精神力だけが頼りの競技です。そのため、上記したように一旦やめてしまうと、その体力や気力も消えてしまう残酷な面も持ち合わせています。特に、ケガや故障などを克服した経験の少ない方の場合、ランニングを再開すること自体も難しいかもしれません。

かくいう私も、今ではジョギングを何とか継続している状況ですが、自らレースを走ることはすでに離れています(レースを走りたい気持ちもほぼない)。しかし、仲間のレースに帯同し、沿道からその力走する姿を応援するのは、とても楽しいと感じます。この感覚は、現役時代には無かったことです。

今、コロナ禍の影響でレースから離れてしまい、そのまま走ることからも遠ざかってしまった方は、マラソン大会の応援に足を運んでみることを推奨します。と、言うよりもランニングをはしめたそもそものキッカケが、仲間の応援に行った方も多いのでは……。

また、私が現役時代の市民マラソン大会は、参加者が千人をこえる大会自体も少なく、マニアックな方ばかりが走っていたような記憶があります。しかし、いわゆるマラソンブームと呼ばれてからは、1万人をこえる大会も多くなり、その大会を走っているランナーたちは、本当に楽しそうで、みんなが輝いています。

コロナなどの不安要因は残っていますが、再び輝いているランナーたちであふれているマラソン大会が、全国各地で復活していくことを確信しております。

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