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安田享平のランニングライフ

2023秋を走る・11

【2023秋を走る・11】先日の11日(土)から強化合宿を実施しました。場所はいつもの千葉県富津市富津公園です。今回の強化合宿は、12月3日に開催予定の防府読売マラソン大会に向けた最後の強化合宿でした。

さらに、今回の強化合宿は、その防府読売マラソン大会の3週間前にあたります。したがって、トレーニング内容は、走り込み期の仕上げ的な要素と、調整期に入っていく要素とが混ざり合うイメージになります。

また、日々のトレーニングは科学的かつ具体的な数字(タイム)で粛々と継続していくことが原則になります。ところが、人の肉体や精神は個々に違うため、調子の良し悪しの原因が何かを科学的に解析しながら的確につかんでいくことは簡単ではありません(この点については、すでに何度も記載してきたので詳細は割愛します)。

そのため、多くの選手やチーム、その指導者たちは過去の経験や実績をベースにしながら日々の練習(現場)で、臨機応変に対応しているのが現状でしょうか。また、経験や実績を重ねていくことで、その精度は確実に向上し、目標を達成できる確率も高まっていくのは確かです(その経験と実績を裏付けるのも科学)。

さて、今回の強化合宿は11日(土)から15日(水)までの4泊5日の日程で実施しましたが、土曜日に集合し、水曜日に解散する日程は富津強化合宿における定番です。特に、毎月定期的に実施している富津公園での強化合宿については、いわゆるポイント練習を実施する曜日もほぼ固定しています(日曜日、月曜日、水曜日に実施)。

参考までに今回のポイント練習は、「日曜日:40k走、月曜日:5k×2本+1k走、水曜日:8k走+1k走」。もちろん、個々に設定タイムが違うので、調子の良し悪しの判断基準も微妙に違います(個別に練習内容も微調整します)。

同様に、上記ポイント練習の設定タイム基準は、「日曜日:目標タイムの95%、月曜日:目標タイムよりも数%速い、水曜日:目標タイムのペース(目標タイムとはマラソンの目標タイム)」。このように、各ポイント練習を導くためのベースとなるデータも、やはり積み重ねてきた経験と実績がたよりになります……。

この後、12月の防府読売マラソン大会に向け、それぞれが最終調整に入っていきます。そして、最終調整も過去の経験(成功体験)や実績が、より強く反映されるのは確かです。あらためて、どの選手も最高の調子に仕上がることを祈念しております。

2023秋を走る・10

【2023秋を走る・10】本格的なマラソンシーズンに突入し、週末ごとに各種大会が開催されております。また、多くの大会がコロナ禍以前の状況に戻りつつあり、マラソンファンのひとりとしては、さらに盛り上がってほしいと願うばかりです。

そんな中、練習の一環として各種マラソン大会に出場し、本命の大会に調子を合わせていくランナーもいます。特に、自宅周辺で長距離を走れる環境を作れない、一緒に切磋琢磨できる仲間が見当たらないなどのランナーは、マラソン大会そのものが、最高の練習環境になるとも言えます。

一方、大会ごとに規模やコースなどが違うので、それに伴うメリットやデメリットが必ずあります。したがって、それらを最初に洗い出し、大会ごとに目的や設定タイムなどを決めて走らないと、逆に悔やむことにもなります。

その代表的な例としては、練習の一環として出場したマラソン大会のコースに起因することです。特に、起伏の激しいコースのマラソン大会に出場した場合、予想した設定タイムよりも悪くなるケースが多く、逆に自信を無くしてしまうランナーは意外に多いのです。

同様に、スタートしてみると自分自身の設定タイム付近で走るランナーがほとんど見当たらず、「後半は失速してしまった」。実は、このケースも意外に多く、「単独走になるなら、この大会を走らなかった」と、後悔するのです。

もちろん、逆のケースもありますが、ただ単に練習の一環としてマラソン大会を走るのは、相応の覚悟が伴うのは確かです。また、同じ大会でも毎年違う人たちが競い合うので、レース展開や優勝タイムなども異なります。つまり、大会は練習会と違い「生き物(参加者が勝手気ままに走る)」なので、自分自身の思い通りには行きません。

少なくとも上記した点をよく理解した上でマラソン大会をチョイスする必要があります。特に、練習の一環としてマラソン大会を活用し、なおかつ本命大会でも自己記録を達成した場合、その次の本命レースはより慎重にいく必要があります。なぜなら、練習の一環として出場するマラソン大会は前述した理由のとおり、成功したパターンの再現性も難しいからです(大会や他人を自分でコントロールできない)。

また、本命レース1カ月前から出場する大会は調整期に入るので、さらに注意が必要です。つまり、その大会で設定タイムより速いと、力を出し切っている場合があり、逆に遅ければ自信喪失につながるからです。そして、どちらに転んでも取り戻す時間は少ない……。

要は、練習の一環としてマラソン大会を活用する場合、特にマイナス面を洗い出しておくことは、逆にポイントになるでしょうか。そして、そのレースをマイナス面からもシュミレーションして置くことで、少なくともメンタル面は常に良い状態をキープできると……。

2023秋を走る・9

【2023秋を走る・9】10月29日は、大阪長居競技場において「第26回全国視覚障がい者駅伝大会」が、開催されました。まずは、大会開催にあたりご支援頂いた関係者の皆様、大阪陸協の皆様方に、あらためて厚く御礼申し上げます。

さて、同駅伝大会は長居競技場を発着点とし、長居公園を周回するコースで、1区と4区が2周する「6.8k」、2区と3区は1周で「3.4k」の4区間20.4kで競います。もちろん、視覚障がい者チームだけでなく、一般ランナーのチームも出場できます。

そして、今大会も強化指定選手たちは「ゲスト強化チーム(オープン参加)」として参加しましたが、単に4区間を4人でタスキをつなぐのでは強化になりません。したがって、最低2区間、あるいは3区間を1人で走るような区間配置で出走しました。

具体的には4チーム参加し、1区を走ったあと、3区と4区を連続で走る選手。逆に1区と2区を連続で走ったあと、4区を走る選手など、チームをまたいで少なくとも2区間は走るような配置です。

その出走した強化指定選手たちですが、10月8日(日)は富津強化合宿で40k走。10月15日(日)は、東京レガシーハーフマラソン大会。10月22日(日)は、再び富津強化合宿で40k走。そして、29日(日)は同駅伝大会と、4週連続で高強度の練習を実施してきました。

あらためて、私が作成するトレーニング計画の起点は、「日曜日がレースである(原則として)」。したがって、1週間をワンサイクルとし、毎週日曜日に調子の波がピークにくるような流れを理想としています(詳細は割愛)。

つまり、日曜日が目標のレースか距離走(ポイント練習)になるようにしているので、どちらになっても良い状態で走れるはずです……。ところが、実際は理屈どおりになりません。その理由は様々ですが、ひとつは1週間サイクルを小さな波とした場合、1ヵ月が中程度の波。そして、1年間は大きな波となり、大・中・小ある調子の波が複雑に絡むからです。

10月のトレーニング実績を振り返っても、ある強化指定選手は、8日と15日が好調で、15日と29日は不調。また、ある強化指定選手はその逆だったり……。つまり、必ずしも毎週末ごとに調子のピークは訪れません。もちろん、そんなことは至極当然のことですが……。

だからこそ、「目先の結果に一喜一憂するな」とも言います。しかし、多くの選手は良い成績だと「我を忘れ」、悪い成績になると「激しく落ち込む」。その結果、どちらに転んでも次につながりにくい……。

シューズなどが劇的に進化しても、選手個々の心は今も昔もそう変わらないのしょうか……。

2023秋を走る・8

【2023秋を走る・8】10月21日土曜日から強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園で実施しました。気候もようやく秋らしくなり、マラソントレーニングに最適なコンディションとなってきました。

さて、先日の15日はMGCが開催されましたが、同時開催で東京レガシーハーフマラソン大会も実施されました。同大会には日本ブラインドマラソン協会の強化指定選手たちも出場しましたが、MGC同様に雨と気温低下のため、記録は低調でした。

そんな中、8月の北海道マラソンで自己新記録をマークした若手男子選手が、今回のハーフマラソンにおいても自己記録を更新。同選手は、北海道マラソン後もたんたんと走り込みを継続しており、トラック種目においても自己新記録を達成していました。

また、昨年の同大会で辛い経験をした東京パラマラソン金メダリストの道下選手も、今回は堂々の世界新記録でリベンジしていました。彼女は目標の大会に調子を合わせる能力が高いだけでなく、当日のコンディションをその日のレースプランに落とし込み、目標の設定ペースを当日の適正ペースに変える能力が誰よりも高いと感じます。

そして、今回の強化合宿でしたが、上記した両選手は疲労が残る中でもしっかりと合宿計画を消化していました。逆に、東京レガシーハーフマラソン大会で力を発揮できなかった選手たちも、今合宿はそのレースとは別人のような良い動きをしていました。

至極当然のことですが、どんな選手にも好不調の波は必ずあります。そして、好調の波を目標の大会にぶつけるため、日々のトレーニングを継続しています。もちろん、そんなことは誰でも理解していますが、これが本当に難しく、多くの選手が好調でない方の波とぶつかります。

また、その大会にうまく合わせた選手でも、その好調の波を連続して次の大会にも合わせることができるか否かになると、さらに少数となります。その主な理由のひとつとしては、長距離やマラソンは自分自身のコンディションの良し悪しより、当日の天候に最も左右される特性があるからでしょうか。

あらためて、ようやく涼しいコンディションになってきました。そんな中、今年の記録的な猛暑と残暑を乗り越えてきた経験を、ここからどのように活かしていけるか否かが、本格的なマラソンシーズンでの飛躍へつながるポイントのひとつになっていくことでしょう……。

2023秋を走る・7

【2023秋を走る・7】パリ五輪マラソン日本代表選手を決める「MGC」が、10月15日に開催されました。また、同大会のコースは国立競技場を発着点とし、2021年9月5日に東京パラマラソンを実施したコースをアレンジしたものです。

そして、MGC当日はまさかの雨。特に今年は記録的な猛暑が続き、10月に入った今も25度を超える日が続いていたので、多くの選手や関係者は暑さ対策のことを考えていたと思います。かくいう私も暑さのことばかりイメージしていました……。

しかも、スタート後はさらに雨が激しくなり、気温も下がっていく予報で、そのとおりの厳しいコンディションになりました。まずは、そんな中でも最後まで粘り強いレースを見せてくれた全ての選手に「ありがとう」と「お疲れ様」をおくります。

さて、冒頭でも触れた、2021年9月5日に実施された東京パラマラソン当日の天候も実は雨でした。もちろん、残暑も厳しく連日30度を超える中、当日まで暑さ対策を万全に整えていました。具体的には、氷で冷やしたスペシャルドリンクを保管するためのクーラーボックスや保冷剤入りの帽子。さらに、それらを手渡しするための給水スタッフ配置など……。

ところが、東京パラマラソン当日の天候は雨。そして、気温は20度。誰もが想定していなかったコンディションとなったのです。まさに「まさか」のできごとでした。そして、今回のMGCも多くの選手や関係者は「まさか」の雨と、思ったことでしょう。

よく結婚式に出席すると、祝辞の中で「人生には3つの坂がある」話をする人がいます。1つは「上り坂」。2つ目は「下り坂」。そして、3つ目が「まさか」です。今回のMGCは、この3つの坂が見事にそろったマラソンでした。実はマラソンは、この「まさか」が起こりやすい競技とも言えます(私の経験上)。

したがって、この「まさか」をどこまでイメージしながら日々のトレーニングを積んできたか否かも、勝敗に大きく影響するのは確かです。また、「まさか」に遭遇したとき、どんな気持ちでいるかも大切です。いわゆる「落ち着いて冷静に」とかでしょうか。

ところが、その「まさか」に遭遇すると、多くの選手は冷静さを失ってしまうものです。しかし、逆に開き直れる選手が強さを発揮するのも確かです。つまり、追い込まれたときの「度胸とハッタリ」。そして、それを実行できるか否か……。

今回、パリ五輪マラソン日本代表のキップを手にした選手(と川内選手)は、そんな精神力の強さも他を圧倒していたのでしょう(見た目のタイム差以上に)。

2023秋を走る・6

【2023秋を走る・6】ここにきて一気に涼しくなってきましたが、いよいよ本格的な秋の「駅伝・マラソンシーズン」の到来です。そして、そのシーズン到来を告げる「出雲全日本大学駅伝」が、9日に開催されました。

また、同大会を皮切りにほぼ週末ごとに、全国各地でメジャーな駅伝大会やマラソン大会が開催され、同時にテレビ中継もされます。ファンの一人としては待ちに待ったシーズンの到来になります。もちろん、テレビ中継されるような大会に出場される選手の皆様は、たいへんなプレッシャーを感じながら力走していることと推察します。

そして、全国中継されるような大会で優勝や区間賞などの快走をすると、その名は一気に広まり、多くの人たちから称賛もされます。その一方、当日の調子や体調が悪く、思うような力を出せなかった選手たちがいるのも確かで、その姿を映像などで拝見するのはやはり辛く悲しい気持ちになります……。

とは言うものの、駅伝やマラソンは見た瞬間の順位や記録が全てなので、道中はどうであれ、最後は一番でゴールすれば勝ちのスポーツです(多くのスポーツもそうですが)。また、球技のような複雑なルールも無く、シンプルに速さや順位だけを競い合う点が最大の魅力でもあります。

したがって、誰でもいつでもチャレンジできるスポーツとも言えます。ところが、駅伝もマラソンも一人で何キロも走るので、スタートからゴールまで何も考えず、100m競争のように全力(無心)で走り通すことは体力面から見てもかなり難しい。つまり、どのレベルにおいてもある程度「ゆとりあるペース(無心ではない)」で走り続けることが、レース攻略の重要なポイントになるからです。

そして、そのゆとりのひとつは「今日のペースは速い」「前にいる選手には勝てない」。あるいは「給水を取り損なってしまった!やばい!」など、レース中にあれこれ考える点でしょうか。ところが、そのレース中に考えるゆとりが、逆のマイナス面に左右するケースは意外に多く、その時どんな思いで走っているかは、勝負や記録に大きく影響します。

今週の土曜日は、第100回記念大会への出場権をかけた「箱根駅伝予選会」。翌日の日曜日は、パリ五輪マラソン日本代表をかけた「MGC」が開催されます。もちろん、出場する選手たちは、誰よりもハードなトレーニングを重ねてきたに違いありません。

しかし、その勝敗を左右するのは意外にも「レース中に何を考えながら走るのか?」。最終的には、これが結果にも大きな影響を与えるかもしれません……。

2023秋を走る・5

【2023秋を走る・5】ようやく秋らしくなってきたようで、朝晩は多少肌寒く感じる日も増えてきました。そんな季節の変わり目を感じてきた先日の日曜日。4年振りに「高島平ハーフマラソン大会」が、東京都板橋区で開催されました。

もちろん、この大会には富津合同練習会で走り込んでいる仲間たちも多数出場しました。また、この大会に出場するようになってからすでに20年近くが経ち、我々にとってはマラソンを目指す上で、欠かすことのできない大会のひとつになっています。

そして、大会当日の天候は曇り、気温は26度(手元の温度計)。しかし、湿度が80%を超えており、想像以上に過酷なコンディションとなりました。特に、今回から新設されたハーフマラソンの部は、過酷を極めていました。

箱根駅伝を目指す学生選手を中心に、多くのトップランナーもハーフマラソンに挑んでいましたが、後半に入ると大きく失速しているランナーが目につきました。やはり湿度が高い影響なのか、どの選手も汗が気化せず、全身に水をかぶったような状況に陥っていたからでしょうか。

また、ハーフマラソン後にスタートした10kの部も同様な状況でした。実業団選手が多数出場していたにもかかわらず、優勝した選手を筆頭に上位選手のほとんどが、後半の5kは大きく失速していました。あらためて、湿度が高い中でのレースは危険で、パフォーマンスに直結すると感じた次第です。

さて、今大会から2週間後は、いよいよMGCが開催されます。出場されるどの選手にもパリ五輪キップを手にするチャンスがあります。特に、今回の高島平ハーフマラソン大会のように、天候が曇りでも湿度が80%を超えるようなコンディションになったとしたなら……。

振り返ると、今年は春先から気温が高く、マラソントレーニングを継続していくには極めて厳しいコンディションが続きました。もちろん、海外での合宿を継続してきた選手も多かったと推察できますが、どの選手も最後は国内で調整する必要があります。そして、そのタイミングと体が順化できるか否かの判断を見極めることが、最も難しい点であることはいつの時代も変わりません。

MGCに出場される選手たちにとっては、本当に最後の調整に入りました。毎度のことですが、どの選手も万全の調子で挑めることを祈っております……。

2023秋を走る・4

【2023秋を走る・4】厳しい残暑が続いておりますが、ようやく朝晩は涼しく感じる日が増えてきたでしょうか。そんなコンディション下でしたが、富津公園での強化合宿は年間計画に沿って、たんたんと消化しております。

そして、今回の強化合宿は23日から実施しましたが、前回の今月2日から実施した強化合宿とほぼ同じトレーニング内容にしました。実は、前回の強化合宿時は厳しい残暑に見舞われ、主力選手たちもギブアップするような状況でした。もちろん、今回の強化合宿もそれなりに厳しいコンディションでしたが、どの選手も計画どおりに走り込むことができました。

また、9月も後半に差し掛かってくると、ここ富津公園には箱根駅伝を目指す学生選手や実業団選手たちの姿も多くなってきます。先日は、箱根駅伝予選会突破を目指しているD大学とN大学がポイント練習を実施していました。どの選手もどのチームもケガや故障なく、万全の体調で予選会に挑んでほしいと願っております。

引き続き、厳しい残暑が続くような予報なので、距離走などの設定タイムを夏の走り込み同様、考慮していく必要がありそうです。そして、次の目標となる大会は、12月の防府読売マラソンです。厳しいコンディション下での走り込みが続きそうですが、選手個々の体調重視で走り込んでいきます。

さて、9月24日に開催されたベルリンマラソンで女子の世界記録が誕生しました。その記録は「2時間11分51秒」。まさに驚異的と言えるでしょう。しかし、女子10000mの世界記録が「29分1秒」である点や、シューズの進化などを考慮すると、個人的な主観になりますが、「2時間12分00秒から2時間10分30秒」あたりの記録が誕生する予感はありました。

また、女子5000mの世界記録が「14分00秒」に更新された点や、女子ハーフマラソンの世界記録も「62分51秒」である点も考慮すると、「2時間10分以内」の可能性は濃厚と言えるでしょうか。もはや、日本男子選手のトップクラスに入っていきそうな勢いです。

今回の女子選手はもちろん、男子のキプチョゲ選手などの驚異的な走りと記録を拝見していると、すでに科学や努力で追いつくことはできないのでは……。これまで「短距離は素質、長距離は努力」と言っていましたが、実は「短距離は努力、長距離は素質」なのかもしれません……。

2023秋を走る・3

【2023秋を走る・3】先日の3連休を活用し、今年最後の長野県菅平合宿を実施しました。今年は記録的な猛暑と、厳しい残暑も続いていますが、菅平高原も例年にない厳しい残暑が続いていました。

そんなコンディション下での合宿でしたが、今回もメインのトレーニングは距離走でした。その距離走ですが、ここ数年は起伏の激しいコースで実施することが多くなりました。しかし、同コースは木陰も多いので、今年のような厳しい残暑の中においては、逆に良い選択でした。

その起伏コースですが、片道2kを往復するコース設定で、10往復すると40kです。また、同コースでの距離走も回数を重ねてきたので、どの選手も起伏に沿ったペース配分をつかめており、それぞれが目標の設定タイムで走り切れていました。

さて、実業団選手や学生選手をはじめ、多くのランナーたちが大なり小なり合宿を実施しています。もちろん、合宿地やそこで走るコースなどはそれぞれです。しかし、毎年違う場所を転々としているチームや個人は少ないように感じます。

同様に、宿泊施設や実施時期などについても、毎年コロコロ変えているチームや個人は少ないように感じます。かくいう私も毎年同じ時期に同じ場所で合宿を実施しております。では、それはなぜなんでしょうか?

自問自答になりますが、やはりその環境に慣れている点が第一でしょうか。特に、数泊の短期合宿が多い関係で、合宿地に移動したら直ちに走れる環境の方が、時間も有効に使えます。2つ目は、同じ時期に同じ場所で走りこむことで、過去のデータと比較できる点でしょう。

ところが、菅平高原のように少し特殊な環境下においては、体が順応できず、うまく走れない選手もいます。そんなとき、同じようなトラブルに見舞われても、平地に戻ればしっかり走れている選手のデータや経験を見聞することで、逆に自信が持てたりもします。

一方、毎年同じような流れを繰り返すことで、いわゆるマンネリ化と言われる現象に陥る可能性もあります。この点は、確かにそう言える点もあり、否定することはできません。また、どのチームや個人がどこで合宿をしているなどの情報は、SNSなどを通じて簡単に知ることができるようになりました。

その結果、うまく成功した選手の話はSNS上で直ぐに知ることができます。ところが、逆にうまくいかず、苦労している情報などは意外と少ないのも確かで、都合の良い情報ばかりが目につきます。もちろん、これはこれで困ったものと考えますが……。

なんだかまとまらない話になりましたが、厳しい残暑はまだまだ続きそうなので、暑さ対策も引き続き忘れないように……

※今回で800回目の更新になりました!

2023秋を走る・2

【2023秋を走る・2】相変わらず厳しい残暑が続いております。そんな中、いつもの千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。また、これも例年どおり、9月の強化合宿から本格的なマラソントレーニングに移行していきます。

そして、これも例年どおり、強化合宿のメイン練習は距離走(長い距離を走る練習)です。また、今回の強化合宿は厳しい残暑も考慮しました。ところが、最初の距離走を、主力選手たちも含め多くの選手が、最後まで走りきることができない厳しい状況に陥りました。

もちろん、暑さの厳しい夏の強化合宿においては、途中で中止する選手もいますが、今回のようにほとんどの選手が途中で足を止めたケースは記憶にありません。確かに走行中は、選手たちの発汗量がいつもより多い(汗が気化しない)とは感じていましたが……。

距離走当日、スタート時の天候は晴。気温は手元で30度以上と厳しい暑さでしたが、これまでの経験からそれほど気にする気温ではありません。ところが、手元の湿度は80%前後でした。私の経験上の話になりますが、湿度は雨天などにならない限り、80%を超えることはほとんどありません(朝方などは除く)。まさに高温多湿でした。

では、この高温多湿という言葉はよく見聞しますが、あらためてどのような条件を指すのでしょうか。調べてみると、明確な数値は決まっていないようで、各分野によってその数値は異なるようです。一般的には「気温が28度以上で湿度が60%以上の状態(これも様々)」を指すようです。

さらに経験上の話になりますが、暑熱純化や暑熱対策を実施している強化指定選手に関しては、湿度が70%前後までのコンディション下なら気温が30度前後でも何とか走り切れます(もちろん個人差がある)。

とろこが、今回のように天候が晴で気温が30度以上。そして、さらに湿度が70%以上と、こんな過酷な条件(3つがそろう)で距離走を実施した経験は、実はほとんど無かった……。幸い、翌日以降の練習は計画どおりに実施することができましたが……。

例年の9月なら涼しくなっていき、体調も調子も上がっていくのですが、今年は継続して「高温多湿」にも警戒していく必要がありそうです。

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