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ガイドランナー

4月を走る・5

【4月を走る・5】今週は長野県上田市菅平高原で強化合宿を実施しております。約1年振りにここに戻ってきましたが、ここでトレーニングをしている選手やチームはまだ少なく、例年よりも寒く感じます。

この後、菅平高原での強化合宿は数回にわけて6月まで実施します。また、東京パラに向け、ここからは事務的なことや関係行事などが時系列的に進んでいきます。つまり、カウントダウンに入ってきたと言うことです。

選手にとって、9月5日のパラマラソンでメダルを獲得することが最大の目標ですが、まずは怪我や故障をせず、調子を上げていくことが課題となります。しかし、その前に東京パラ代表選手決定があります。

それは、ここまで一緒に切磋琢磨してきた仲間の中から外れる選手が出てくることでもあります。結果、東京パラ行きの船から降りてもらう選手が出てきます。もちろん、どの選手が代表でどの選手が外れるなど、現時点においてはわかりませんが、外れた選手は一旦退場していただくことになります。

ところが、東京パラまで時間はまだあります。そのため、調子の悪い選手は調子を立て直していくことは十分可能です。しかし、頑張ったら代表になれるか否かについては、難しい時期に入っており、その代表は自分自身で決められません。もちろん、自分自身で予測できている選手もいるかもしれません。

また、最後の最後までのぞみを捨てずに代表決定の吉報を待つことは大切です。しかし、自ら東京パラ行きの船から降りて、次の船(他の大会など)に乗りかえていく判断も大切です。それは最も難しい判断になりますが、次のパリパラリンピックは3年後です。

考え方によっては、東京パラに出場する選手よりもしっかりと準備ができるかもしれません。もちろん、考え方や価値観は個々に違いますが、自分自身が置かれている現状を冷静に分析し、この先どのような方向に舵を切るのかを考えるには良い時期かもしれません。

4月を走る・4

【4月を走る・4】先日の土曜日から1泊2日の日程で、強化合宿を実施しましたが、今回の対象選手は伴走者。すなわち、ガイドランナーです。ご存知のとおり、視覚障がいランナーは、一緒に並走するガイドランナーが必要な選手もいます。

一般的には、ガイドランナーはランニングができる方なら誰でもできるボランティアのひとつです。ところが、パラリンピックをはじめ国際大会を目指すような視覚障がいランナーの場合、かなりの走力(記録)を持っているので、誰でもできるという訳にはいきません。

よくある例として、視覚障がいランナーが、マラソンをサブスリー(3時間突破)で走れるのに、ガイドランナーの持ちタイムが、3時間10分。至極当然のことながら、一緒にマラソンを走るのは難しいと判断できます。

また、最初は視覚障がいランナーよりも高い走力を維持していたが、長年一緒に走るうちに視覚障がいランナーの走力が、ガイドランナーを上回ってしまう例もあります。実は、2012年ロンドンパラリンピック以降は、ガイドランナーが必要な視覚障がいランナーに対して、ガイドランナーは2人体制で挑むように変更しました。

それはガイドランナーの負担を少しでも減らすのと、1人のガイドランナーに万が一のことがあっても、2人体制ならもう1人が補欠的な役割を果たせます。つまり、1人の視覚障がいランナーに対し、2人のガイドランナーの意味は2人で1人ではなく、単独伴走が可能な走力を有する2人を確保することで、視覚障がいランナーにとっても安心感とゆとり(ガイドランナーが起因するトラブル防止)をもたせることなのです。

ご存知の方もいると思いますが、パラリンピックや国際大会においては、ガイドランナーにもメダルが授与されます。しかし、それには条件があり、1人のガイドランナーがスタートからゴールまで完全に単独伴走で走り切った場合のみ、メダル授与の対象となります。つまり、日本はガイドランナーを2人体制で挑むので、ガイドランナーのメダルは最初から放棄していることになります。しかし、それと引き換えにガイドランナーの走力を確実に担保していることにもなるのです。

ところが、物事は年数が積み重なっていくと、当初のいきさつや考えが薄れていくものです。最近は「2人のガイドランナーに万が一のことがあったら困るので、補欠のガイドランナーがほしい」と、そんな話も聞こえてきます。確かにその可能性は否定できませんが、前述したとおり「何で2人体制にしたのか?」の意味が違うのと、ルール上も2人までとなっているので、その要望にこたえることはできません。

視覚障がいランナーにとってガイドランナーは必須ですが、どんな人でも長年一緒に走っていると、単なる「走力の差」から「お互いの情」にほだされていく傾向が強くなっていきます。その結果、明らかにガイドランナーとしての走力が低下していても、「お互いの信頼関係」などと都合のよい方向に現実逃避していくケースは多く、ガイドランナーの走力不足によるレース中のアクシデントにもつながっています。しかし、その見極めと決断はいつの時代も難儀なのです。

秋を走る・4

【秋を走る・4】私が主宰する富津合同マラソン練習会も10月から本格的な走り込みへと突入し、4日は最初の40k走を実施しました。また、先週同様、箱根駅伝や実業団駅伝を目指している選手たちも走り込んでいました。

毎年のことですが、10月に入るとテレビでも駅伝大会やマラソン大会の中継がはじまります。今年はコロナ禍の影響で中止や延期になった大会も多く、例年どおりにはいきませんが、富津公園で走り込んでいる選手たちのモチベーションは高まっています。

さて、本日からこの富津でいつものように強化合宿を実施します。内容は12月の防府読売マラソンに向けた走り込みになります。具体的には、距離走を2回、ビルドアップ走を1回の予定です。

12月のマラソンを目標にした場合、今は走り込みの入口に入ったあたりに相当するでしょうか。もちろん、夏の走り込みを土台にしているので、ある程度のペースでも押していけるスピード持久力は備わっています。

さて、夏の走り込みを家の建築に例えると、基礎部分の工事に相当します。しかし、今年の夏はもう少し掘り下げた地盤改良も実施しました。具体的には、単にゆっくり長く走るだけでなく、起伏の激しい周回コースでの走り込みも積極的に取り入れ、脚筋力の強化も実施しました。

10月からの走り込みは、完成する家をイメージしながら骨格となる柱や壁を組み上げていくトレーニングになります。基礎部分をより強固なものにするため、地盤改良も実施したので、より大きくて頑丈な家を建てることができるはずです。

しかし、基礎部分がしっかりしているから強固な家になるとは限りません。つまり、柱や壁を組み上げていく段階で、今は耐震構造も意識していかないといけないからです。もちろん、家の耐震構造がマラソントレーニングのどの部分に相当するかは、個々の考え方になります。

これまでの経験から思うのは、柱や壁を組み上げていく段階で、スピード系のトレーニングを重視し過ぎると、安定感の薄い仕上がり(地震や災害に弱い家)に陥り易くなると感じます。それを防止するには、耐震構造を意識した距離走がカギになります。

詳細は割愛しますが、10月は耐震構造を備えた強固な柱や壁を組み上げるイメージで走り込んでいきます。

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