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スピードトレーニング

スピード養成期・10

【スピード養成期・10】年間を通じてハーフマラソンやマラソンに絞ったレース出場を繰り返していくと、短期間で記録の頭打ちに陥る市民ランナーが多いと話しをしました。

その理由は常にゆとりあるスピードを維持し、長時間走り続けることを繰り返しているからに他なりません。つまり、スピードを上げて走ることを実施していないからでもあり、「スピードを出せるランニングフォームが出来ない」からでもあります。

この点を解決する代表的なトレーニングとしては、インターバルトレーニングがあります。そして、トラックレースになります。インターバルトレーニングは言うまでもなく、心肺機能を高めますが、実は神経系のトレーニングも兼ねています。

速く走るためには、手足を速く動かす必要がありますが、脳から速く走れと指令を出しても手足が反応しなければ速く走ることはできません。つまり、脳からの指令どおりに手足を動かす能力を高める必要があります。

専門的な説明は割愛しますが、美しく走ると言うより、手足を脳からの指示どおりに動かし、目標どおりのスピードをコントロールする能力とも言えます。もちろん、これが出来れば誰もが世界記録や日本記録を達成することが可能になるので、簡単に出来ることではありません。

特に、トラックレースではコンパクトにまとまったランニングフォームを一旦切り離し、とにかく1秒でも速く前へ進むことを第一に、手足をダイナミックに動かすことが求められます。同時に、ハーフマラソンやマラソンばかり走ってきた市民ランナーの皆様にとっては、トラックレースは過去に経験のない苦しみも伴うと思います。

具体的には、トラックレースはスタート直後から速いペースになる傾向が強く、そのため前半から苦しくなります。その結果、ランニングフォームは乱れ、速く走ろうとしても手足は固まって動かなくなっていきます。

しかし、この手足を懸命に動かして前へ進もうとする意識が重要で、トラックレースを繰り返すことで神経系も発達し、速い動きに対応できるようになっていきます。つまり、速い動きに対応できるランニングフォームの体得にもつながるのです。

神経系のトレーニングは、いわゆるドリル、ラダー等の補助的な運動が代表的ですが、上記したように、市民ランナーの方々はトラックレースを積極的に走ることでも十分に代用できると考えます。

スピード養成期・9

【スピード養成期・9】前々回、トラックレースを積極的に走る理由について3つあげましたが、今回からそれぞれについて考えていきます。

■理由1).スピードを出せるランニングフォームの体得。

最初から話が矛盾しますが、まずははじめに理解しておく点として、「正しいランニングフォームは存在しない!?」。もう少し言い方を変えると、「ランニングフォームは個々に違う」と、言う点です。

つまり、個々に顔や体型が違うように、ランニングフォームも個々に違い、個々の体型や身体の特徴に合ったランニングフォームがあります。そのため、ランニングフォームの美しさと、怪我や故障のリスクが高いか否か、速く走れるか否かとの関連性は必ずしも一致しません。

従って、上記した「スピードを出せるランニングフォームの体得」と、言うのは個々にランニングフォームの違いがあり、個々にとっての「スピードを出せるランニングフォーム」と、言うことになります。

前置きが長くなりましたが、ランニングフォームについて最も重要な視点のひとつなので、まずはこの点を理解しておく必要があります。

次に、ハーフマラソンやマラソンはアスファルトやコンクリート等で舗装された硬い路面上を走ります。同時に、スタートからゆとりある一定のペースを保ち、長時間走り続けるため、ランニングフォームもエネルギーロスを抑えようと、コンパクトに効率的になっていきます。

これはどのランナーもそのようになっていきます。具体的には、上下動が少なくなっていき、腕振りはダイナミックからコンパクトへ、更にストライドからピッチを意識したランニングフォームに変化していきます。

もちろん、ランニングフォームの効率化としては喜ばしいことで、怪我や故障防止にもつながります。ところが、年間を通じてハーフマラソンやマラソンばかり走っていると、短い距離からマラソンまで全て同じようなスピードしか出せないランニングフォームに陥ることがあります。少なくとも市民ランナーの方々を指導していると、意外と多く見受けます。

その結果、ハーフマラソンやマラソンの記録も短期間で頭打ちになります。

スピード養成期・8

【スピード養成期・8】先日の5月20日、秋田県秋田市において第59回東日本実業団陸上競技選手権大会が開催されました。今回も同大会において「視覚障害5000m」を実施して頂きました。

「視覚障害5000m」を初めて実施頂いたのが、2012年の第54回大会。そして、今回は初めてIPC公認として実施することができました。まずはご尽力頂いた大会関係の皆様方に厚く御礼申し上げます。

今回、初めてIPC公認記録になることで、男子6名、女子7名の強化指定選手が記録に挑戦しました。特に、女子T11クラス(全盲)と女子T12クラス(弱視)においては、日本記録更新の可能性が高く、大いに期待されました。

また、この時期は日本盲人マラソン協会としても秋以降のマラソンに向けた「スピード強化」と位置付け、トレーニングやレースも積極的にトラックで強化しているところでもあります。

結果は、女子T12クラスで道下美里選手が従来の日本記録を大幅に更新する「19分10秒66」の自己新記録でゴール。他の選手たちも気温が26度以上に上昇する厳しいコンディションでしたが、最後まで粘りある走りを披露してくれました。

同時に、今年もオリンピックを目指す実業団選手をはじめ、日本陸上界を牽引している各実業団チームの関係者が見守る中でのレースは、視覚障害マラソンを理解して頂く上でも最高の舞台となりました。

この後も6月と7月にIPC公認のトラックレースが続きます。数少ないチャンスで結果を残す必要があるのは、視覚障害マラソンの宿命です。更に、これからの季節は暑さが厳しくなっていき、トラックでのレースは過酷を極めます。

それらに負けない体力と精神力を日々のトレーニングで培い、皆様方の前で記録更新達成ができるよう精進していく所存です。

あらためてご声援をお願い申し上げます。

スピード養成期・6

【スピード養成期・6】ゴールデンウィークも終わり、通常の生活リズムに戻りました。同時に、連休を活用し、合宿やレースを連戦した方は疲労が出てくる頃と思いますが、皆さんは大丈夫でしょうか。

さて、今回からスピード強化の代名詞とも言える「トラックレース」について考えていきます。今更いうまでもありませんが、陸上競技大会はいわゆるトラックと呼ばれる陸上競技場にて開催されます。もちろん、世界選手権やオリンピックにおいても、マラソンや競歩以外の競技は全て陸上競技場内で実施されます。

はじめに、トラックレースとロードレースの違いを幾つかあげてみます。

1つ目は、何と言っても走る路面が違います。具体的には路面の硬さ、硬度が違います。トラックの場合、路面がゴムのような素材になっているので、走ると弾む感覚があります。一方のロードは、アスファルトかコンクリートで覆われているので、弾む感覚を感じることはほとんどないと思います。

つまり、路面の硬さや硬度の違いは、そのまま脚や身体に伝わる衝撃の違いに現れます。そのため、一般的にロードを走る時のシューズは、路面からの衝撃を吸収するためソールに厚みがあり、その素材にも工夫がされています。

逆にトラックを走る時のシューズは、路面の弾力をうまく推進力に変える必要があるため、素足感覚に近くピンの付いたスパイクを履きます。もちろん、長距離選手はスパイクを使用しなくてもソールの薄いシューズを履いたりもします。

2つ目は、競技の距離が違います。既にご存知のとおり、トラックレースの長距離種目は、1周400mのトラックを周回することになり、最長でも1万mまでです。一方のロードレースは、トラックレースの倍以上のハーフマラソンや4倍以上のマラソン、更にウルトラマラソンへと、距離はどんどんのびていきます。

以上のようにたった2つの視点からトラックレースとロードレースを比較しても、トラックレースはスピード、ロードレースはスタミナの印象を受けると思いますが如何でしょうか。

次回もトラックレースとロードレースの比較をしながらその違いを考えていきます。

スピード養成期・4

【スピード養成期・4】今回はスピード練習に移行する前の準備期における具体的なトレーニングを考えていきます。

前回記載したとおり、スピード練習に入る前に必要な準備として、「筋力の養成」と「フォームの養成」の2つをあげました。この2つの課題を満たせるトレーニングとして推奨するのは起伏走です。いわゆるアップダウンのあるコースを走る「クロスカントリー」がその代表的なトレーニングになります。

理想は芝生のある広い公園で適度な起伏があり、ある程度の距離を周回できるコースを作れれば問題ありません。もちろん、そんな広い公園が近くにある方は限られていると思いますが、近所の道路でも起伏のあるコースであれば大丈夫です。但し、起伏と言っても山道を走るような険しいコースは、怪我や故障のリスクが高まるので避けるようにしましょう。

果たして、実際に適度な起伏のあるコースで、スピードの強弱をつけて走ったり、上り坂を勢いよく駆け上がったりしながら一定の距離や時間を走ると、多くの方が翌日以降は筋肉痛になります。それは、3月までしっかりとマラソンを走ってきた多くの方も同様です。

つまり、マラソンや平地でのロング走で使われなかった筋肉を刺激している証拠でもあり、起伏走は平地以上の負荷がかかるトレーニングと言えます。もちろん、起伏を走ることで心肺機能への負荷も加わるので、そちらの強化にもなります。

更に、起伏を走るとスピードや全身への負荷も変化に富むので、必然的にそれに合わせた自在でダイナミックな動きも必須になります。つまり、変化に合わせられるランニングフォームの養成にもつながります。その結果、スピードの変化に対応できる自分自身に合ったランニングフォームに修正されていきます。

また、起伏のあるコースで走るのが難しい方は、単に100m程度の坂道走(上りも下りも)を取り入れる。また、平地やトラックにおいては、100m程度の距離をスピードに強弱をつけて走るウィンドスプリント(流し)を何本か繰り返すことでも同様の効果を期待できます。

実際は、上記したようなトレーニングを週に何回か取り入れながら、その間に軽めのスピード練習を加えていくと良いでしょう。それをある一定期間継続し、身体の筋肉痛も感じなくなり、スピードに乗れるスムーズなフォームが身についてきたと体感できてから、本格的にスピード練習の質と量を上げていきましょう。

スピード養成期・3

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【スピード養成期・3】多くの方が、昨年の10月から今年の3月までの間、各地のマラソンを走ってきました。それは同時に、スタミナ養成にもつながっており、これからスピード養成をしていく上で、十分な土台を構築しているとも言えます。

特に、マラソンで自己記録更新を達成できた方々については肉体的なスタミナはもちろん、精神的なスタミナも充実しています。したがって、これからはじまるトラックレースや10k以下の短いロードレースにおいても自己記録の更新が濃厚な状態であると感じます。

そして、4月に入ると積極的にインターバル等のスピード練習を取り入れていきます。ところが、スピード練習に耐え得る十分なスタミナが身についているにも関わらず、怪我や故障が多くなるのもこのタイミングでもあります。

怪我や故障の主な原因は、まさにいきなり激しいスピード練習を実施するからですが、別の言い方をするならスピード練習を導入するための準備が整っていないからなのです。具体的には大きく2つの準備が必要と考えます。

■準備1).筋力の養成:マラソンより速いペースで筋肉に強い刺激を与えるので、酸素の供給が不十分な状態で筋肉を動かすことになります。その結果、激しい筋肉痛が発生したり、肉離れをおこす結果を招いたりします。つまり、速いスピードを出せるように脚筋力をはじめ、全身の筋力を養成しておく必要があります。

■準備2).フォームの養成:速いスピードを出すことは、単にガムシャラに走ることではありません。効率の良いランニングフォームが大前提になります。特に、マラソンを走ってきた方々は、フォームがコンパクトになっている傾向が強いと感じます。そのため、スピード練習に対応できるダイナミックな動きを取り戻しておく必要があります。

以上の2つがスピード練習前の準備としては、最低限必要なことです。繰り返しますが、誰もが知っているスピード練習は準備を怠ると、大きな怪我や故障と紙一重であることを十分に理解した上で、取り組んでほしいと思います。

スピード養成期・2

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【スピード養成期・2】前回も記載したとおり、マラソンにとっての土台は持久力(スタミナ)です。スピードはその土台である持久力の上にのせていくイメージと考えます。

したがって、マラソンの記録短縮を目指していくには持久力とスピードの均衡を考えながらトレーニングを積み上げていく必要があります。ところが、一般的には持久力とスピードを同時に養成していくことは難しく、持久力が上がるとスピードが鈍り、スピードが上がると持久力が落ちる関係にあると言われています。この点は私の経験からもそう感じます。

そのため、まずは持久力である長く走る力をいかに身体にしみ込ませていくかが最初のポイントになります。持久力が高いと言うことは、有酸素能力を高めることでもあります。まさに土台つくりです。

そして、その身に付けた持久力の上にスピードをのせるイメージになります。ところが、スピードは無酸素能力と言われており、スピードを上げていくと乳酸が発生し、筋肉が疲労していきます。

つまり、マラソンも単に完走目的から記録短縮が目標になっていくと、スピード的な要素が加わり、極端に言えば無酸素運動の要素も加味されるようになっていきます。実際のマラソンレースにおいても、前半でスピードを上げ過ぎると、乳酸と言う借金が身体に蓄積されていくことになります。

よくマラソンレースで前半のハーフを予定より速く走ることを「貯金する」と言っているランナーがいますが、実際は借金になります。そして、後半は更に疲労して借金を重ねることになるので、前半の借金が大きいランナーは、30k以降にいわゆる破産状態(※)に陥る可能性が高いとも言えます。※大失速や途中棄権

と、言いながら自分自身が借金できる範囲を把握し、うまく借金しながらゴールできれば逆に記録短縮にもつながります。つまり、土台である持久力と言う貯金と、スピードと言う借金をうまくやり繰りしていけるか否かが、記録短縮のポイントであるとも言えます。

この点の考え方については、このブログでも何度か取り上げておりますが、スピード養成に入る前に再確認してほしいと思います。

スピード養成期

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【スピード養成期】前回も話しましたが、最近は1年間を通じてマラソン大会が全国各地で開催されており、季節に関係なくマラソンに出場することが可能になっています。

そのため、単に全国のマラソン大会を走り、大会毎のコースやその景色等を楽しみつつ完走が第一の目的である方なら年間を通じて楽しめる時代です。ところが、マラソンの完走ができるような持久力が身に付いてくると、単に完走目的で走っていた方でもだんだんと記録短縮を意識するようになっていきます。

すると、次回のマラソンは「4時間突破を!」と、言ったように目標が完走からタイム短縮にシフトして行き、それぞれの試行錯誤がはじまります。この時、これまで同様、年間を通じて毎月のようにマラソンを走り続けることでタイム短縮を目指す方もいるでしょう。

逆に目標タイムから5キロ毎の設定タイムを導き、その設定タイムどおりに走ることで目標タイムを目指す方もいるでしょう。このように、ランナー毎にそれぞれの方法でマラソンの記録短縮を目指していきます。

ところが、どのレベルのランナーであっても、それぞれの走力毎の壁が必ず出てきて、簡単に短縮できた記録もやがて頭打ちになっていきます。この点は、実業団選手や学生選手においても同様で、右肩上がりに記録をずっと短縮できる人はいません。

そのため、多くの実業団選手や学生選手たちは、最初にトラックや駅伝等でスピードを高め、少しずつ距離をのばしてマラソンに到達する流れで走り込みを継続していきます。一方、多くの市民ランナーの場合、最初からマラソンを完走できる持久力を身に付ける逆のパターンが一般的です。

もちろん、マラソンの場合、最も重要な要素は長い距離を走り続ける持久力であるのは言うまでもありません。すなわち、まずはマラソンを完走できる持久力を身に付けることが第一になります。しかし、市民ランナーの方も上記したように完走からタイム短縮へ目標がシフトしていくと、目標タイムを達成するためには、速く走る要素が加わって行きます。

つまり、実業団選手や学生選手たちのように最初からスピードを高めていなかったとしても、マラソンの記録短縮を目指していく以上、市民ランナーの方も必ずどこかでスピードを高める要素が不可欠になって行くと考えます。

マラソンのスピードについて・4

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【マラソンのスピードについて・4】少し前置きが長くなりましたが、今回からマラソンに必要なスピードの基礎となる5k(10kまで)のタイムを短縮するための具体的なトレーニング方法について考えていきます。

さて、皆さんはスピードトレーニングと聞くと、どんなトレーニング方法を思い出すでしょうか。おそらく多くの方が思い出すトレーニングは下記の記載する方法であり、実際に多くのランナーが実践しているトレーニング方法だと思います。

■トレーニング方法・1).インターバルトレーニング;短い距離なら200m前後から長い距離だと5000mあたりまでの距離をある一定のペースで疾走し、一定の休息を挟みながら決めた本数を走るトレーニング。

■トレーニング方法・2).レペティショントレーニング;疾走する本数を少なくし、1本毎を全力に近いタイムで疾走し、十分な休息を取りながら決めた本数を走るトレーニング。

■トレーニング方法・3).ペース走;実際のレースペースよりゆとりを持った一定のペースで、実際のレースより長めの距離を走るトレーニング。

他にも様々なトレーニング方法がありますが、トラックでのスピード強化を目的としたトレーニング方法は、概ね上記3つに集約されるでしょうか。もちろん、近所に陸上競技場がない方でも、公園や河川敷にあるジョギングコースやクロスカントリーコースのような場所でも同様のトレーニングは可能です。

そして、上記した内容はオリンピックを目指すエリートランナーだけでなく、既に多くの市民ランナー方も実践しているトレーニング方法でもあり、はじめて耳にするトレーニング方法ではないと思いますが、いかがでしょうか。

ところが、同じようなトレーニング内容を実践しているにも関わらず、思ったような記録短縮をできずにいるランナーが多いのも事実です。では、その理由や原因はどこにあるのでしょうか?

次回からは、それらを念頭に置きながらそれぞれのトレーニング方法を掘り下げていきます。

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