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トラックレース

最終調整は?

【最終調整は?】5月中旬に入り、初夏を思わせるような日も増えてきました。同時に、暑さに慣れていない時期でもあるので、天候が晴れると週末のレースは暑さとの戦いにもなります。レース中はもちろん、日ごろの水分補給や暑さ対策は常に意識していきましょう。

さて、気温も高くなってくる時期なので、レースはハーフマラソンより短い距離やトラックでの記録会などにシフトしている方も多いと思います。いわゆるスピード養成期として、積極的に短い距離のレースを走り、マラソンに不可欠なスピード養成を実施する時期とするのです。

既に4月からトラックでの記録会など、短い距離のレースを何本か走った方もいると思いますが、自己記録は更新できたでしょうか。私が指導している市民ランナーの方々においても、走る度に自己記録を更新している方と、思うように走り切れていない方とがいます。

もちろん、マラソン同様、自己記録を更新することは簡単なことではないので、うまく走れないといって悲観する必要はありません。大切なことは怪我や故障なく、積極的にレースを走っていくことです。

と、言いながらトラックや短い距離のレースへ向けた調整は意外と難しいのも事実です。難しい要因は多々ありますが、よく見かけるのは調整段階で「追い込み過ぎてしまう」ことです。

つまり、短いレースでは最初からトップスピードで走っていくので、調整も全力以上の力を出してしまうのです。同様に、レース1週間前にも関わらず、疲労回復を目的としたジョグもマラソン時のように長く実施する方も意外と多く、結果的には筋肉に疲労を残した状態でスタートしてしまうと思われます。

マラソンは走る距離や時間が長いので、スタート直後に身体が重いと感じてもレース中に何とか修正しながらゴールすることが可能です。一方、10k前後の短いレースはスタート時に身体や脚が重たいと感じてしまうと、あとはゴールまでズルズルと後退してしまいます。

このように最終調整をより慎重に実施する必要があるのは、実はマラソンより短い距離のレースなのです。更に、短いレースはダメージも少ないので、単にスピード養成だけでなく、何度もレースに出場しながら自らの調整方法を確立させる絶好の機会になります。そして、そのノウハウは本命のマラソン調整に活かされるのはいうまでもありません。

スピード養成期・14

【スピード養成期・14】ここまでトラックレースを積極的に走る3つの理由について考えてきました。

もちろん、それ以外にもトラックレースのメリットはあります。同時に、実際のトラックレースを通じて体感することは、ランナー毎にそれぞれです。要はロードレースのマラソンと違う点を体得することで、逆にマラソンを攻略するきっかけにつながれば良いのです。

さて、トラックレースを積極的に走る3つの理由以外のメリットとして、もう1つあげておきます。それは、ビデオ撮影が容易である点です。もちろん、自分自身で走りながら撮影することはできないので、ランニング仲間や家族等にお願いし、スタンド等から自分自身が走る姿を撮影してもらいます。

ロードレースでもビデオ撮影は可能ですが、沿道から撮影したとしても目の前を通り過ぎてしまうと、それ以上の撮影は困難になってしまいます。しかし、トラックレースは1周400mのトラックを周回するので、スタンド等の1ヵ所から全てを撮影することが可能です。

そうやって撮影したビデオを振り返ることで、自分自身のランニングフォームやラップタイム等を正確に解析することが可能になります。これは、ロードレースではとても難しい作業ですが、トラックレースにおいては誰でも簡単に実施することが可能です。

更に、同じトラックレースで走った自分より速いランナーのランニングフォームやラップタイムの解析も可能になるので、自分自身の良い点や悪い点を他のランナーと対比しながら振り返ることもできます。

市民ランナーの多くは自分自身が走っている姿を自分自身で見た経験が少ないので、とても参考になると思います。と、言うより、自分自身の走っている姿を見て「この変なフォームのランナーは誰?」と、衝撃を受ける方も意外と多かったりもします…。

是非ともトラックレースに出場する際は、ビデオ撮影もセットで挑むようにしましょう。

スピード養成期・13

【スピード養成期・13】今回からトラックレースを積極的に走る理由の3つ目について考えていきます。

■理由3).精神的スタミナの体得。

ここまでトラックレースについて色々と話しをしてきました。そして、皆様も感じていると思いますが、トラックレースは思っている以上に苦しくて過酷です。先日の日本選手権大会においても、男女の5千メートル、1万メートルともに、ロードレースのマラソンのように後半追い上げて上位に食い込む選手はいません。

と、言うより、スタートから自分自身のペースを守りながら上位を伺うのは、少なくともトラックレースにおいては相当難しい。したがって、トラックレースにおいては、先頭から離れたり、失速しだすと、それを立て直すことは困難であると言えます。

そのため一旦、自分自身の設定ペースを乱されてしまうと、あとは苦しみとの戦いに終始することになります。まさに上記した日本選手権大会と同様です。つまり、このブログに記載した「正確なスピード感覚の体得」と、矛盾するようなレース展開が多くなるのもトラックレースの特徴です。

また、先頭から離された後もトラックレースは周回コースが故に、更にもう一度後ろから抜かれることもあります。いわゆる周回遅れです。このように、一度リズムを崩すと徹底的に打ちのめされるのもトラックレースの大きな特徴のひとつと考えます。

更に、トラックレースは周回コースが故に、ロードレースのマラソンのように景色が変化しません。更に起伏もありません。そのため、苦しくなった後、気持ちを切り替えたり、リズムを取り戻すきっかけをつかむことが難しいレースと言えます。

これらは、ロードレースのマラソンでは決して経験することのできない別次元の苦しさであると言えます。

つまり、トラックレースは苦しくなった後、ライバルではなく自分自身の精神力だけが頼りになる本当のレースなのです。そして、その苦しみと戦いながら最後まで走り抜くことが、実は精神面のスタミナ強化につながるのです。

スピード養成期・12

【スピード養成期・12】さて、あらためて「正確なスピード感覚の体得」についてですが、単にロードレースのような「ペース感覚」とは少し捉え方が違う感じがします。

具体的には、400m毎にラップタイムを確認できるが故に、目標タイムに対しても1秒以下の誤差を確認することが可能です。そのため、その1秒以下の誤差がレース後半に、どのような影響をもたらすかを個々に考えておく必要があります。

同様に、スタートから他の選手が速いペースで前を引っ張り、先頭から離されていく展開になった時、自身の目からは遅れていく情報となります。しかし、実際は目標タイムより速いタイムで通過するケースはよくあります。

この時、先頭から離されながらも自分自身のペースをコントロールしていく能力が必須となります。実は、このようなレース展開に対応するのは最も難しい走法のひとつであり、逆にトラックレースではよくあるレース展開でもあります。

このように考えていくと、逆にトラックレースは避けた方が良いようにも感じますが、ロードのマラソンでは経験できないスピード感やそれに伴う苦しさを体感することは不可欠です。

一方で、このように話しを進めてくると、単にトラックレースだけでは正確なスピード感覚を体得することは難しいことにも気が付きます。そこで、あらためて重視する点としてトラックでのスピード練習になります。

具体的には、インターバルトレーニング時の設定タイムやリカバリーの時間に相当します。多くの市民ランナー方もインターバルトレーニングを実施していますが、多くの方がその設定タイムを正確に維持せず、単に一生懸命走っているだけの姿を多く目にします。

例として200mを疾走する際、設定タイムを40秒と決めているにも関わらず、最初は37秒とかでスタートし、最後は40秒すらキープできなくなるパターンです。このように、実際のタイムとスピード感覚が一致しないままトラックレースを走ることで、せっかくのトラックレースを台無しにしているのです。

定期的に実施しているインターバルトレーニングについては、設定タイムに対し、1秒以内の誤差で疾走することが基本です。まずはこのスピード感覚を身に付け、更にトラックレースでそれを実戦していくことで、「正確なスピード感覚の体得」につながると考えます。

スピード養成期・11

【スピード養成期・11】マラソンを最大の目標とするランナーにとって、スピード養成は必須の課題です。そして、その課題を克服する手段のひとつとして、トラックレースを積極的に走ることは重要なポイントです。今回は、その「理由2」について考えていきます。

■理由2).正確なスピード感覚の体得。

トラックは1周400mです。更に、100m毎にその正確な位置を確認することが可能です。すなわち、自分自身が目標とするタイムを100m毎に換算し、それを確認しながら走ることが可能です。

その結果、目標タイムを確実に達成できるはずですが、そう簡単には達成できません。それどころか、正確なラップを確認できるにも関わらず、そのラップどおりにレースを進めていけるケースの方が圧倒的に少ないのが現状ではないでしょうか。

その主な要因として、相手との駆け引きがトラックレースでは激しく、最初から速くなったり、遅くなったりと、スピードの変化が大きいことがあげられます。また、トラックの弾むような感覚から速いスピードで入っても、そのスピードが速いと感じにくい点もあるでしょうか。

ところが、一旦速く入ってしまうと、当然のことながら途中からそのペースを維持することが難しくなり、多くのランナーはレース終盤にかけて失速。更に、一旦失速するとロードレースのように後半盛り返すような展開は、ほぼ不可能になります。

まさに正確なペース感覚が欠如しているからに違いありませんが、トラックレースの難しいところでもあります。このようにトラックレースは、正確なペースを確認できるにも関わらず、相手のペースに巻き込まれるパターンも多く、設定タイムどおりにレースを進めるのは想像以上に難しい面もあるのです…。

スピード養成期・7

【スピード養成期・7】前回の続きになりますが、トラックレースはスピード、ロードレースはスタミナのような印象を受けると、話しをしました。

これについては前回説明したとおり、走る路面の違いからの影響が大きく、トラックレースは弾むような路面からより速いスピードを追及できるような軽やかなランニングフォームが要求されます。

一方のロードレースは、硬い路面からのダメージを抑えながらより長い距離を走り切れる効率的なランニングフォームが必須です。もちろん、単純にランニングフォームから全てを説明することはできませんが、大きな違いのひとつであると思います。

そして、トラックレースとロードレースの最も大きな違いは、レース中の景色が同じか否かです。つまり、トラックレースは1周400mの同じトラック上をひたすら周回するため、景色に変化がありません。しかし、ロードレースは一般の公道を使って街中や郊外を走るので、レース中の景色が変わります。

そのため、同じ場所を単に周回するトラックレースは、精神的に苦手とする声はよく耳にします。逆に、トラックレースは400m毎のラップタイムを正確に把握できるので、ロードレースより走り易いと言った声も耳にします。

このようにトラックレースとロードレースでは感覚的な違いもあり、どちらが走り易いかについては個々によって違います。しかし、マラソンを最大の目標とするランナーにとって、課題のひとつであるスピード養成を実現するためには、トラックレースは必須であると言えます。

その主な理由を上記した中から集約してみます。

■理由1).スピードを出せるランニングフォームの体得。■理由2).正確なスピード感覚の体得。■理由3).精神的スタミナの体得。

もちろん、他にもあると思いますが、次回からこの3つについて掘り下げていきます。

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