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マラソンのスピードについて・12

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【マラソンのスピードについて・12】今回は、ペース走の距離に対するスピードを考えていきます。また、具体例としては、5kを20分で走る市民ランナーのケースを取り上げます。

はじめに、8kを走るスピードについてです。この距離の場合、5kの記録に対し概ねAT閾値にあたる92.5%のスピードが適していると言われています。そして、更に距離を2kのばして10kにした場合、どのように考えていくのでしょうか。

もちろん、8kと同じスピードでそのまま10kを走りきれるランナーなら問題ありませんが、やはりスピードを少し落としていく必要があります。このとき、どの程度落としていくかが重要なポイントになります。

具体的には、2kの距離がのびる毎に5%程度スピードを落としていくと、概ね強度が一定に保たれると言われています。この考え方は私の経験値ともほぼ一致します。

それでは、5kを20分で走る市民ランナーのペース走の距離と、その時のスピードについて下記にまとめてみます。。

■ペース走1).8kの場合は92.5%のスピード≒4分18秒。■ペース走2).10kの場合は87.5%のスピード≒4分30秒。■ペース走3).12kの場合は82.5%のスピード≒4分42秒。■ペース走4).16kの場合は77.5%のスピード≒4分54秒。

いかがでしょうか。単なる計算上の話になりますが、ペース走の距離とスピードの関係については概ね上記のようになります。もちろん、個々にスタミナが持ち味であったり、スピードが持ち味であったりするので、全てのランナーに当てはまる訳ではありません。

しかし、ペース走の距離をのばしていった時、スピードをどの程度落としていくかの目安にはなります。また、前回記載したとおり、もう少しゆとりを持って最初の8kを85%から90%程度のスピードに落として走り、その余裕度を確認しながら距離やスピードを調整していくことも大切になります。

また、反対に8kを92.5%のスピードでゆとりが持てるようになってきた場合、いたずらにスピードを上げていくのでなく、同じスピードで距離をのばしていく方が故障防止にもつながります。

マラソンのスピードについて・10

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【マラソンのスピードについて・10】ペース走についてですが、前回ふれたAT値についてもう少し専門的に説明しておきます。

はじめに、AT値はトレーニング強度の基準となり、このAT値について理解しておくことはマラソンを目指していく上においても重要になります。

さて、誰でもゆっくり走っているときは苦しみもなく、いわゆる有酸素的エネルギー機構で生成されるATP(アデノシン三燐酸)のみでランニングに必要なエネルギーを供給できています。

ところが、ランニング速度が速くなってくると、ATPだけではエネルギーが不足してきます。そのとき、無酸素的エネルギー機構が働き始め、同時に苦しくなってきて乳酸が多く生産されだします。その変換してくる時点をAT値と言っています。

つまり、AT値は有酸素運動と無酸素運動の境界線とも言えます。但し、厳密には線ではなく閾値(ゾーン)であり、タイムに換算すると幅もあって個人差もあります。

そして、このAT値に達する手前のスピードでペース走を繰り返すことで、エネルギー代謝能力が向上し、運動中の乳酸産生を減少させ乳酸除去能力も向上すると言われています。その結果、AT値が向上するとも言われています。つまり、AT値が高いということは、より高強度の運動においても有酸素性エネルギーが供給され、特に持久力が必要な競技においては有利になります。

しかし、実際に自分自身のAT値を正確に測定するには専門の器具や専門家の協力も必要になります。また、AT値は閾値であるのでタイムにも幅があります。そこで、これまでの専門家たちの研究データから導かれた次のような簡便測定法を参考にします。

■AT値≒5000mの平均スピードを100%とした時、92.5%のスピード

例として5000mを20分で走る市民ランナーの場合、1000mの平均スピードは4分ちょうどで、その92.5%は、4分18秒前後で走るスピードになります。そして、上記の簡便測定法から導いた数値は、私自身の競技経験や指導経験からも概ね一致しています。

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