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富津公園

冬を走る

【冬を走る】12月20日開催予定の防府読売マラソン大会に向けた最後の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しました。また、大会当日から残り1ヶ月を切ると、選手ごとの調子もはっきりしてくる時期に入っていきます。

よく選手に「調子はどうだ?」と聞きますが、調子の良し悪しを判断するとき、どのように考えるでしょうか。単純に「絶好調!」と答える選手、「あまり良くない」とか「まずまず」などと答える選手。

判断基準や答え方はそれぞれですが、ひとつの考え方として「白黒」をつけた判断をすることは大切です。つまり、現状を直視し、自分自身の調子などをオブラードで包まないことです。もちろん、誰に言うのでなく、自分自身の中での本音になります。

目標のマラソンに向け、現時点での具体的な判断基準例のひとつとして、「達成できる・ほぼ達成できる(調整次第で達成)・かなり難しい(調整次第で現状維持)・難しい」の4つで判断する方法があります。そして、このときの判断基準に「普通」とか「まずまず」と言った表現を使わないことがポイントです。

特に、「普通」という言葉は相手をはぐらかす言葉としては、逆に便利な表現です。例として注目されている選手が、マスコミなどの取材に対する受け答えとして常に「普通です!」と答える心構えは大切と考えます。

「調子はどうですか?」「普通です!」。「明日の目標は?」「普通です!」。「具体的には?」「普通です!」……。私の経験になりますが、余計な受け答えをすることによって墓穴を掘り、その影響で本当に走れなくなってしまう選手は、実に多いのです。

さて、話しを戻すと、「かなり難しい・難しい」と自己判断できる場合、目標を下方修正することを推奨します。例として、目標を「サブスリー」としていたが、「かなり難しい・難しい」と判断できる場合、目標を「3時間5分」などに下方修正するのです。

それによって逆に、「達成できる・ほぼ達成できる」に調子を引き上げることにもなります。一見するとマイナス思考のようにも感じますが、下方修正することでその次のマラソンにもつながります。もちろん、この後の最終調整での無理な負担もなくなります。

何事も現実を直視することは勇気のいることですが、最終調整に入る前の時期だからこそ現実逃避をしないことです。かくいう私は、選手時代にそれができませんでした(涙)。

伴走者・2

【伴走者・2】先週のJISSにおける測定合宿終了からそのまま千葉県富津市に移動し、強化合宿を連続で実施しました。もちろん、東洋大学様と帝京大学様からも連続で伴走サポートをいただきました。また、富津合宿後半は同じ千葉県内にある国際武道大学様の選手にも加わっていただきました。

今回の合宿はガイドロープを必要とする視覚障がい選手が少なかったこともあり、伴走者が不要な弱視選手たちのペースメーカー役も担っていただきました。伴走者を不要とする弱視選手たちのマラソンタイムは2時間25分台と、一般ランナーの準エリートと呼ばれるレベルをもこえつつあります。

そのため、1000mのインターバル走を実施すると、最初から3分切のペースで決めた本数をキッチリと走り切ります。そんなレベルに到達しているので、普通の市民ランナーにペースメーカーをお願いするのは難しくなってきています。

しかし、先週の測定合宿から今週の富津合宿の間、学生選手たちが弱視選手たちもしっかりとサポートしてくれたので、とても引き締まった内容のトレーニングを積むことができました。

また、前を走っている学生選手たちのフォームはとても軽やかで、無駄がありません。一方、弱視選手たちのフォームは重厚な印象を受けます。もちろん、箱根駅伝を目指す学生選手との比較になるので無理もありませんが、様々な気付きも与えてくれました。

そして何より、箱根駅伝とパラリンピックとでは置かれている環境も違いますが、こうやって一緒になれば直ぐに切磋琢磨できるのです。あらためて、「マラソン(ランニング)は素晴らしい!」と感じる合宿でした。

さて、ご存知のとおり、コロナウィルスの影響で全国のマラソン大会が自粛するニュースが急増してきました。実は、3月1日に千葉県富津市で開催予定の千葉県民マラソン大会も、開催を中止する旨の連絡が大会事務局から届きました。

この大会はブラインド選手たちも毎年参加しており、今回も合宿でのスピード強化を試す絶好の機会ととらえていたのでとても残念です。同じように、学生選手たちが目標としている大会にも影響が出てくる可能性があります。

しかし、こんな時だからこそ声を掛け合って、一緒に切磋琢磨しながら更に走り込んでいきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします!

残暑&台風

【残暑&台風】9月6日から3泊4日の日程で、千葉県富津市富津公園において強化合宿を実施しました。また、今回の強化合宿も暑熱対策テストを実施しましたが、合宿初日から30度を超える暑さとなり、暑熱対策テスト的には絶好のコンディションとなりました。

と、いうのも、気温は連日35度前後まで上昇し、湿度も70%前後と、今年に入ってからの強化合宿においては最も過酷なコンディションとなったため、逆にどの選手も厳しいトレーニング結果となってしまったからです。

既に夏も終わりですが、どんな選手も暑い中での走り込みは過酷です。したがって、暑さを避け、可能な限り涼しい場所で走り込んでいきます。一方で、暑熱順化するには、暑い中で積極的に走り込むことはとても効果的です。しかし、現実的には暑い中での走り込みは様々な危険を伴います。

暑熱対策のため、暑い中でトレーニングを繰り返していくと、暑さに慣れても、暑さの影響で計画とおりのトレーニングを消化できないリスクが伴います。その場合、暑さに慣れたとしても、多くの選手はトレーニング不足の不安が残り、そのマイナス面ばかりを引きずっていく可能性が高くなります。

ところが、涼しい場所で良いトレーニングが積めても、今回の強化合宿のように、突然気温と湿度が真夏のような状態に戻った場合、どの選手も全く走れなくなるのも至極当然のことなのです。

暑熱対策といっても所詮は自然相手の運任せのような面が強く、トレーニング計画に沿った都合の良い天候にはなりません。もちろん、天候に合わせたトレーニングにすると、場当たり的な計画となり、これはこれで日々のトレーニング計画が的外れになってしまいます。

結局は、年間を通じて計画したトレーニングをブレることなく、たんたんと継続していける選手が、生き残っていると感じます。暑さばかりに目がいきますが、真冬の寒風吹荒れる中での距離走など、結果的にはどんな天候やコンディション下においても適応できる能力を身に付けた選手が栄光をつかんでいるのは、いつの時代も違いありません。

余談ですが、8日の夜は台風15号の直撃を受けました。合宿最終日の9日朝から宿泊旅館はもちろん、街中の信号機など、全てにおいて全停電となりました。そんな非常事態の中においても、我々のために食事の準備をし、更に延泊までさせていただいた「ナカヤマインの皆様」には心より感謝申し上げます。

強化合宿

【強化合宿】2月10日(土)からの3連休を活用し、13日(火)までの日程で日本ブラインドマラソン協会の強化合宿を千葉県富津市富津公園で実施しました。

今回の強化合宿は、2月4日に開催された別大マラソンの翌週だったにも関わらず、その別大マラソンを走った男子選手2名も参加し、合宿では精力的な走り込みを見せていました。

特に、参加選手の中では、女子T11クラス(全盲)の2選手が、積極的に走り込んでいました。もちろん、既に今シーズンのマラソンで2選手とも自己新記録を達成しており、スタミナもスピードもレベルアップしています。

ひとりは、期待の若手選手であり、本格的にマラソンをはじめて数年ですが、この半年間で急激に成長してきている選手です。次のマラソンは、4月のかすみがうらマラソンになりますが、自己記録更新だけでなく、日本記録にも迫る走りが期待できます。

そして、もうひとりの選手は、逆に50代のベテラン選手です。既にマラソン歴は長く、一般的な感覚からすると、記録を狙うのは難しいと思われる年代に入っています。ところが、昨年12月の防府読売マラソンにおいては、11年振りとなる自己新記録を達成。更に、今回の合宿においても、40k走では過去最高タイムで走り切るなど、成長著しい選手なのです。

実は、1年前は本人の口からも、「もう限界」のような言葉も聞こえていましたが、今では「後ろ向きな発言」を完全に断ち、4月のワールドカップマラソンに向け、誰よりも積極的に走り込んでいます。

私も視覚障がいマラソンに携わるようになって20年以上ですが、あらためて「自己の限界に挑戦するのに年齢や性別は関係ない」と、思い知らされています。同時に、視覚障がいマラソンの強化を通じて、50代や60代になってからのトレーニング方法を選手たちと共に考えながら実践できる点は、本当に感謝の一言です。

また、その選手たちのガイドランナーとして、箱根駅伝常連大学の中央学院大学の3選手にも初参加頂き、新しい力を取り入れることもできました。50代の視覚障がい選手を20歳の現役学生選手がガイドする姿は、視覚障がいマラソンの醍醐味とも言えます。

引き続き、全員の力を結集し、世界を狙っていきます。

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