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春を走る

2023春を走る・10

【2023春を走る・10】今年も長野県上田市菅平高原において強化合宿を実施することができます。また、同地の合宿拠点として20数年来お世話になってきた福美津屋旅館は、「きずな家」に引き継がれることに……。そして、来年のパリパラに向け、さらに強固なサポート体制が構築されることにもなりました。

今回の菅平合宿は、トラックでのトレーニングになります。つまり、スピード練習はもちろん、ペース走や距離走、ロングジョグに至るまでの全てをトラックにおいて実施します。また、菅平高原は準高地と呼ばれる標高もあるので、それぞれの設定タイムも抑え気味になります。

ところが、準高地と言っても呼吸が乱れ、思うような走りが難しくなる選手もおり、うまく順応できない選手もいます。このように、専門的な文献に掲載されているデータなどを参考にしても、実際の練習現場においてはそれらとの相違が多々発生するので、やはり経験を重ね、独自のデータを蓄積していくことが最重要です。

また、今回は強化指定女子選手がほぼ揃い、久々に活気のある強化合宿となります。もちろん、ガイドランナーや強化スタッフも揃っているので、単に走り込むだけでなく、大いに語り合える良い機会にもなります。至極当然のことですが、お互いを知ることで、そこに化学反応がおこります。

「そんな考え方があったのか!」

それぞれが地元で日々継続している練習の中において、何かうまくかみ合わないことは誰にでもあります。しかし、お互いをさらけ出し、様々な角度から語り合うことで、意外と腑に落ちる考え方のヒントを得ることがあります。

同じ目標を持った仲間同士が集い、切磋琢磨する最大のメリットは、まさにそこかもしれません。我々の強化合宿の目的のひとつに、「仲間意識の見える化」がありますが、新しい「きずな家」にふさわしい最初の強化合宿となります……。

2023春を走る・9

【2023春を走る・9】今年もGWがやってきます。そして、今年もGWは強化合宿を実施します。場所が長野県上田市菅平高原なのも、いつもと変わりません。また、すでにトラックシーズンに入っていますが、ブラインドマラソン選手の多くは4月までマラソンを走るので、この合宿からトラックシーズンにシフトしていくのも、例年通りです。

あらためて言うまでもありませんが、マラソンを目指す上でトラックレースを欠かすことはできません。いわゆるスピード強化と言われる部分に該当するからです。しかし、やみくもにスピード練習やトラックレースを走るだけでは、マラソンにはつながりません。

なぜならトラック種目の5000m(5k)や10000m(10k)と、マラソンのタイムには密接な関係があり、目標のマラソンタイムを達成するために必要なそれらの必須タイムが存在するからです。詳細は割愛しますが、マラソンで、あるタイムを目標にした場合、それに必要な5000mや10000mのタイムがあります。そして、その5000mや10000mのタイムに到達するためのトラック練習が、いわゆるマラソンに必要な個々のスピード練習に該当するのです。

そして、この5000mや10000mのタイムをクリアしているのに、目標のマラソンタイムに到達できない選手はスタミナが不足している(スピードタイプ)。逆に、目標のマラソンタイムを達成しているのに、トラックの必須タイムに到達していない選手は、スピードが不足しているとも言えます(スタミナタイプ)。もちろん、そう単純な話ではありませんが、ひとつの目安として捉えることはできます(私の経験上)。

しかし、この関係をよく理解していない選手は意外に多く、スピードがあるのにマラソンをうまく走れない。逆に、マラソンを走れるスタミナがあるのにトラックレースでは苦手意識が先行してしまう選手など、「もったいない」と感じるケースが多いのは確かです。

特に、5000mのタイムはマラソンに必要なスピード練習の基準となるので、それに該当するタイムを個々に確認しておくことは必須です。今回の菅平合宿においてはこの点も含め、個々の課題などを確認し、どの選手も7月前半までのトラックレースを、充実させてほしいと願っております……。

2023春を走る・8

【2023春を走る・8】かすみがうらマラソン大会は無事に実施されました。いわゆるコロナの影響がここ数年続きましたが、久々に本来の姿での開催となりました。まずは、大会開催にご尽力いただいた関係者の皆様に御礼申し上げます。

さて、大会当日の天候ですが、スタート時は曇っていました。しかし、晴れ間が出てくると、気温がグングン上昇し、男子の先頭が30kを過ぎたあたりに差し掛かると、手元で27度を超えていました。さらに湿度も60%前後。

そんな過酷なコンディションでしたが、ブラインドマラソンの主力選手たちは経験豊富なところを存分に発揮し、ほぼ予定どおりのタイムでゴール。これにより、来年開催されるパリパラへつながる道筋も見えてきたことが、大きな収穫となりました。

また、今回は期待の若手男子選手が初マラソンに挑戦し、設定タイムどおりにゴールすることができました。もちろん、今後の課題はたくさんありますが、今の力を誰よりも自分自身が理解し、それに見合ったラップタイムを最後まで刻めた点は次につながります。

特に初マラソンの場合、想定したタイムと大きく乖離すると、2回目以降のマラソンで苦労することになります。詳細は割愛しますが、これは予想よりも良過ぎたタイムにも言えます。最近はシューズの性能が格段にアップしたこともあり、初マラソンから好タイムをマークする選手が増えてきました。しかし、その選手たちの多くが2回目以降のマラソンでは……。

今回、初マラソンに挑んだその男子選手は、今月から社会人になったばかりでしたが、新しい環境にもうまく順応している様子だった点も成功につながった要因でした。しかし、マラソンを目標にした練習量とそれに伴う練習時間は想像以上に多く、目に見える成果を手にするまでには相応の期間が必須です。

したがって、逆により良い環境を求めて転職したり、チームを移籍する選手が比較的多い競技と感じます。しかし、良い環境と考えて移っても、その環境に自分自身が順応できなければ、記録や結果にはつながりません。

ここで言う環境と言うのは、単なる練習環境や待遇面ではありません。選手が最も影響を受けるのは「人間関係」と「生活環境(日常生活)」でしょうか(私の経験上)。今回、初マラソンに挑んだ男子選手も、じっくりと今の環境に溶け込ませながら根気よく走り込ませていきます。

2023春を走る・7

【2023春を走る・7】今年度最初のターゲットとなる「かすみがうらマラソン大会」が、明日となりました。昨年の夏以降、調子を落としていた主力選手たちもようやく底を打ち、その調子が戻ってきているところです。

さて、今大会は「国際クラス分け」を実施しております。その実施についての詳細は割愛しますが、視覚障がいマラソンはもちろん、パラスポーツの中において最も重要な決め事は、この「国際クラス分け」です。これは、障がいの程度が競技の成績に影響しないよう、障がいの程度ごとに区分しているものです。

特に、パラリンピックについては、予めこの国際クラス分けの判定を受けていないと、出場することはできません。もちろん、記録も公認にはなりません。また、クラス分けの規則は競技ごとに異なります。

パラリンピックで採用されている競技は、IPC(国際パラリンピック委員会)が決めた「国際クラス分け基準」に準じて、規則が定められています。そして、国際クラス分けの判定は、「クラシファイヤー」と呼ばれる資格(医師免許とは違う)を有している人が判定をします。

パラリンピックの場合、IPC公認の「国際クラシファイヤー」の資格を有した人しかクラス分けの判定をすることができません。したがって、国内のクラス分けを受けていても、パラリンピックに出場することはできないのです。

このように、パラスポーツはどんな障がいの方でもスポーツを楽しめる反面、公式な国際大会を目指すレベルに達してくると、この「国際クラス分け」の問題に必ず直面することになります。

参考までに視覚障がいマラソンの場合、障がいの重たい方から「T11、T12、T13」と3つのクラスに分かれています。また、障がいの軽いクラスの選手が、障がいの重いクラスで一緒に競技を競うこと(T12クラスの選手がT11クラスで競技するなど)は、原則としてできません。

しかし、逆のケースは許可されることがあり、パラリンピックにおいての視覚障がいマラソンは、T12クラスのみの実施となっていますが、T11クラスの選手も一緒に走ることができます(T13クラスはマラソンに出場できない)。

つまり、自分が得意としている種目(100mや砲丸投げなど)だったとしても、パラリンピックでは障がいのクラスによって実施されない種目であることも多々あります。

パラリンピックなどの国際大会を目指している選手たちは、この「国際クラス分け」を十分に理解し、自分自身の専門種目が実施されるか否かについても、予め確認しておく必要があるのです。

2023春を走る・6

【2023春を走る・6】新年度初日からいつもの千葉県富津市において強化合宿を実施しました。また、新年度最初の目標となる「かすみがうらマラソン大会」のちょうど2週間前と言うこともあり、練習内容も調整メイン(量を落として質を上げていく)で実施しました。

さて、昨年は東京パラ翌年となりましたが、代表選手たちはそのときの調子を維持したまま強化合宿を消化していきました。その結果、トラック種目での自己記録更新やマラソンでも好調をキープする選手が多く、逆に驚いていました。

ところが、昨年の夏を境に好調をキープしていた代表選手たちは、足並みを揃えるように調子を落としていきました(詳細は割愛します)。最初は「少し休めばよい」と、それぞれに話をしていましたが、まともに走れない状態のまま2023年を迎えてしまいました。

もちろん、調子が戻らない選手自身の焦る気持ちは手に取るように伝わってきますが、さすがに「これはまずい」と、私の方も焦っていきました……。

そんな状況下での強化合宿でしたが、久々に主力選手たちがほぼ揃い、懸念していた調子もようやく上向きに転じていることを確認することができました。至極当然のことですが、どんなに強い選手でも必ず好不調の波があり、ケガや故障もします。

「もっと速くなりたい!もっと強くなりたい!」

そして、どんな選手もその思いに突き動かされ、日々の苦しい練習を耐え抜きます。その結果、目標の記録や成績に到達したときの達成感は何物にも代えがたく、何よりも次の目標に向け、さらに苦しい練習に耐え得る動機付けにつながります。

また、人には欲があり、良かったときほど「もっと上を」と、どんな選手も指導者も前向きにコメントします。しかし、その瞬間から落とし穴があることが多く、練習の強度を少し上げただけなのに、疲労の抜け具合などが微妙に変化し、やがて大きなケガや故障に結び付くケースは多いのです。かくいう私も、同じような状況を繰り返してきました(コーチとしても)。

「迷ったら休養」

まずは今月の「かすみがうらマラソン大会」ですが、来年のパリパラに向けてもこの言葉を忘れないように……。

2023春を走る・5

【2023春を走る・5】2022年度も本日が最後です。そして、明日から2023年度に入りますが、明日からは新年度最初の強化合宿です。また、2023年度は来年に迫ったパリパラに向け、最重要年になります。

「いよいよ来年か……」

すでに何度も経験してきた1年前ですが、来年のパリパラについては東京パラが1年延期になった分、パリパラへの強化期間は逆に1年短くなりました。実際に、過去の状況と比較した場合、いつものパラ1年前とは微妙に違う感じは否定できません。

具体的な違いなどについては割愛しますが、選手個々の調子、チームジャパンとしての状態は、私が過去に経験してきたこれまでとは微妙に違っており、これまでとは違うアプローチも必要なことは確かです。

もちろん、来年のパリパラで「メダルを獲得する」ことが目標ですが、その前にパリパラに出場するための出場権を獲得することが必須条件になります。そして、ちょうど2023年度が、そのパリパラ出場権を獲得するための1年間になります。

もちろん、これまで以上に気持ちを引き締め、明日からはじまる1年に挑みます。

引き続き、皆様方のご支援をお願い申し上げます。

2023春を走る・4

【2023春を走る・4】今年度最後の強化合宿をいつもの千葉県富津市富津公園において実施しました。今回の合宿からマスク着用などが緩和されましたが、我々は引き続きPCR検査を実施し、陰性を確認できた選手とスタッフのみが合宿に参加しております。

さて、今回の強化合宿は来月16日に開催予定の「かすみがうらマラソン大会」に向けた走り込みが目的であり、時期的には最後の走り込みに当たるでしょうか……。すでに何度も記載してきましたが、マラソントレーニングについては様々な成功例があり、逆に絶対もありません。

今回は前述したとおり、ちょうどひと月前に当たるので、40k走を軸にトレーニングを計画。具体的には、40k走を実施した翌日に「5k走×2本+1k走」をセットで実施しました。かなりハードな内容になりますが、「30k以降を粘り抜く力」を養成するには良い練習のひとつです(私の経験上)。

また、合宿での40k走については、かすみがうらマラソン大会に向けては最後となります。したがって、その設定タイムは実戦により近くなりましたが、どの選手もほぼ予定どおりに走れました。そして、その翌日の5k走についても、私のイメージよりも軽快な走りをしていた選手が多く、大会当日の目標タイムを上方修正する選手も出そうな状況でした。

その中において、T12クラスの若手女子選手は、5k走の1本目をなんと自己新記録で駆け抜けました。そして、約5分間のリカバリーを挟んで2本目をスタートしましたが、1本目の記録をさらに30秒以上更新する、これまた自己新記録を達成したのです。

単なるタイムトライアルではなく、前日に40k走を実施したにもかかわらず、翌日の5k走を2本とも自己新記録で走った選手は初めてです。彼女はガイドランナーが必要な選手ですが、今回一緒に走ったガイドランナーは、以前の合宿においても彼女を自己新記録に導いた経験があります。

このように、ガイドランナーの力量によって視覚障がい選手のパフォーマンスが大きく左右されることは、すでにわかっていることです。しかし、「ここまで変わるのか?」と、あらためて感じた次第です。特に、女子選手については、ガイドランナーの力量に左右される傾向がより強いのも確かです……。

「視覚障がい選手にとって、ガイドランナーの良し悪しとは何ぞや?」

来年のパリパラに向け、この古くて新しい課題と再び向き合っていく時期に……。

※練習コースを確認するため、地元にある鹿野山へいくと、ヤギを散歩しているおばちゃんがいました。近寄ってヤギの顔を撫でると、急にいかくされ、ツノで何度も攻撃されました……。

2023春を走る・3

【2023春を走る・3】毎年のことながら寒暖の差が激しい時期です。また、寒い季節から暖かい季節へと移っていく方向なので、マラソンにとっては厳しいコンディションになっていきます。

また、この時期のマラソン大会で気温が20度をこえてくると、記録などのパフォーマンスにも影響が出てきます。また、多くの方は身体が暑さに慣れていないこともあるので、レース後のダメージも大きくなります。

特に、市民ランナーの皆様は、仕事を終えた夕方以降にトレーニングをしている方が多いので、なおさらと感じます。もちろん、大会当日の天候をコントロールすることはできませんが、天気予報などを細かくチェックし、暑さ対策も忘れないように……。

さて、先月の2月26日に開催された大阪マラソン大会で、東京パラ日本代表の和田伸也選手(T11クラス)が自身の持つ世界記録を更に更新する「2時間24分29秒」の新記録を打ち立てました。

全盲のランナーが、この記録でマラソンを駆け抜けること自体が驚異的と感じるのに、彼は現在45歳です。この年齢で2時間30分を突破し、更にその上の記録をも凌駕するとは、まさに鉄人です。

そして、その翌週に開催された東京マラソン大会においては、お笑い芸人の猫ひろしさんが、8年振りの自己記録更新となる「2時間27分2秒」で駆け抜けました。その猫さんも、和田選手と同じ45歳です。

もちろん私は、猫さんとは何の面識もありませんが、芸人と言うハードなお仕事をしながら、これまたハードトレーニングをストイックに継続していることは、あまりにも有名です。しかし、ここまで速くなるとは……、これまた鉄人です。

「継続は力なり」

誰もが知っており、誰もが信じている言葉です。しかし、和田選手も猫さんも「こんなハードなことは継続できない」と、誰もが思うことをたんたんと継続しています。特に、和田選手に関しては、そのハードトレーニングを合宿などで拝見していますが、最後は横にいるガイドランナーが潰れてしまう光景に何度も遭遇しました。

ハードワークを日課としている鉄人の2人は、これからも進化するに違いない……。

2023春を走る・2

【2023春を走る・2】2022年度も残り1ヶ月となり、今年度の強化合宿もあと1回。そして、4月からの新年度は翌年のパリパラを見据えた極めて重要な1年になります。もちろん、新年度以降も強化合宿を軸に選手強化を継続していきます。

さて、その強化についてですが、そもそもブラインドマラソンの競技人口は極端に少なく、パラリンピックを本気で目指せるレベルに到達している選手も国内に数名です。つまり、一般競技者たちのように「〇〇選手に勝たないと代表選手に選考されない」、「故障している間、他の選手たちにどんどん抜かれていく」などと言った競争原理が働き難い(ほぼ存在しない?)競技特性とも言えます。

また、選手たちが所属しているチームなどに強化のすべてを一任しても、同じチーム内に何人ものブラインド選手(長距離選手)は存在しないので、「チーム内で切磋琢磨(お互いに理解)できるライバルや仲間がほぼ存在しない」、「個人でパラ関係の大会に出場しても、競争する相手が極端に少ない(試合なのに単独走など)」。したがって、「個人でパラ関係の専門的な情報収集や環境整備(伴走者の確保など)もかなり難しい」など、実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームでの強化とは、視点の違う問題が根深く存在するのも確かです。

このように選手個人やチームで解決することがほぼ困難な問題への対応策のひとつが、年間を通じてコンスタントに実施している強化合宿(チームジャパンとして)です。要は、一般選手たちのように個人やチームとして強化(切磋琢磨)してくことが難しい競技特性があるなら、逆に強化指定選手たちを一同に集めた強化合宿の頻度を引き上げていく強化対策です。

その強化合宿ですが、ここ数年は年間100日以上(詳細は割愛します)となり、その成果が東京パラでのメダル獲得につながりました。もちろん、年間100日以上は多いと指摘する関係者もいます。一方、上記した実業団チームや箱根駅伝を目指す大学チームは、少なくとも年間100日以上は直接顔を合わせ、一緒に練習します(同じチームの選手たちは同じ寮などで生活を共にしているので至極当然です)。

そう考えると、実は我々の強化合宿が年間100日と言うのは、やはり少ない……。

いろいろと改善事項や課題はありますが、まずはこれまで同様、「切磋琢磨しながら愚直に走り込める機会と場」を確実に確保し、今後もそれを確実に継続・実行していくことが……。

2023春を走る・1

【2023春を走る・1】3月に入りました。毎年のことですが、寒暖の差が大きくなる季節です。そして、花粉が猛威をふるう時期も重なるので、体調管理が難しい季節でもあります。そんな中、今週末の東京マラソンを皮切りに、3月も各地でマラソン大会が目白押しとなります。

特に、東京マラソンや来週末の名古屋ウィメンズマラソンに出場する方々は、最終調整に入ります。上記したように、体調管理が難しい季節ですが、万全の体調で挑めることを祈念しております。

さて、いわゆるカーボン入りの厚底シューズが登場したことによって、マラソンの記録も飛躍しました。同時に、そのシューズが原因のひとつと思われるケガや故障が増加してきたのも確かです。

私が関係しているランナーの中においても、それらに起因すると思われるケガや故障は確実に増えてきたと感じます。また、痛める箇所や、その傾向も何となくわかってきたような……。一方、それらに対応するための正確な対処方法などは、いまだハッキリしていないのが現状でしょうか。

特に、カーボン入りシューズをどの程度の頻度で、どの程度の期間履くと、どのような症状が出てくるかが、よくわかりません。そのため、そのシューズに慣れてきたかなと、安心したころに故障したり、逆に短期間で足の違和感を訴えたりと、人によって様々です。

また、カーボン入りシューズと、そうでないシューズを履き分けようと、元のシューズに戻したら逆に故障するパターンもあり、その対応に苦慮するケースもおきています。このように、いわゆるシューズ革命による恩恵が大きい分、そのリスクも多岐にわたっていると……。

もちろん、どんなシューズであろうと、自分自身にとってケガや故障の原因につながるようなら、そのシューズを断念することは言うまでもありませんが、カーボン入りシューズは比較的高額なものが多く、購入したらそう簡単にあきらめることは難しいと感じます。実は、この部分が一番大きいかもしれません。

他人事のような話に終始しましたが、どんな理由であれケガと故障は回避し、万全の体調でスタートラインに立てることを、あらためて祈念しております。

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