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設定タイム

2014名古屋ウィメンズマラソン

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【2014名古屋ウィメンズマラソン】今年の名古屋は天候もよく、何より風がほとんど無い絶好のコンディションの中、スタートしました。そして、参加人数も1万4675名と、女性だけのフルマラソン参加者数として、昨年の同大会のギネス世界記録を更新したとのことでした。(2012年大会の参加人数は1万3114名、2013年大会は1万4554名。)

「日本女子マラソンの低迷」と言われていますが、同大会を沿道から応援する限り、そんな不安を感じることすらできない盛り上がりでした。また、国内で開催される国際女子マラソンの参加標準記録の目安となる「3時間15分以内」で完走した人数は314名と、昨年の264名を大きく上回っています。更に、3時間以内(サブスリー)で完走した人数も昨年の74名を上回る92名と、日本女子マラソンのボトムアップにも大きく貢献している大会とも言えます。

今回、私の選手(市民ランナー)は4名出場し、全員が無事に完走しましたが、88位でゴールしたK選手の頑張りは、特に印象的でした。ゴールタイムは「2時間59分43秒」と、ギリギリのところで3時間突破(サブスリー)でしたが、注目したいのは上記した3時間突破完走者92名の中で、中間点の通過タイムが1時間30分をこえていたのは、K選手を含めたったの2名です。同様に、2時間50分を突破した選手は今回41名ですが、中間点の通過タイムが1時間25分をこえて、2時間50分突破を達成した選手はいませんでした。参考までに、中間点の通過タイムが1時間37分30秒をこえて、3時間15分を突破した選手もたったの2名でした。

一般的に、マラソンを効率よく完走するには、最初から最後までイーブンペースでラップを刻んでいくか、前半を抑え気味に通過するのが良いと言われています。しかし、3時間や2時間50分、あるいは3時間15分と、ある壁(記録)を狙うとき、多くのランナーはその壁に不安やプレッシャーを感じ、万が一のことを考えだします。つまり、後半の失速が怖くなり、前半に「貯金」を作ろうとします。しかし、マラソンに限っては前半の貯金はオーバーペースを意味し、逆に後半での「借金(失速)」につながるケースが圧倒的に多く、判断の難しい点でもあります。

さて、3時間突破(サブスリー)でゴールしたK選手は、今回で15回目の3時間突破となりました。初めて3時間突破を達成したのは、2004年1月の大阪国際女子マラソンでした。それからちょうど10年です。この間、コンスタントに3時間突破を積み重ねてきた経験と実績があるからこそ、今回も周りのランナーに惑わされることなく、冷静かつ正確な自分自身の走りができたと言えます。

今後、単に自己記録更新だけでなく、K選手のような何年も安定したパフォーマンスを発揮し続ける価値を、もっと大切にしていこうと感じた名古屋でした…。

東京マラソン

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【東京マラソン】ランニングブームの火付け役となった「東京マラソン」も今年で8回目となりました。毎年、沿道から応援してきましたが、3万人のランナーたちが都心を駆け抜けていく様子は圧巻です。同時に、30万人をこえる応募の中から抽選に当たることは年々厳しくなってきており、エリートの部でも男女の参加標準記録が引き上げられ、更に狭き門となりました。

今年は、そのエリート女子の部に、私の2選手(市民ランナー)も出場しました。もちろん、両選手とも実力者で、Y選手は先日の別大マラソンで初優勝し、短期間での出場。I選手も2010年の同大会で日本人1位になった実績のある市民ランナーです。ところが、今回の東京マラソンに向けては、両選手の調子を把握するのに苦労しました。

至極当然のことですが、どのマラソンに向けても単に「自己新記録を狙って頑張れ!」と、自分自身がコーチしている選手を安易に送り出すことは絶対にしません。それまでの走り込みや体調、更には精神状態等々を加味した上で、目安となる5k毎のラップ表を必ず選手毎に設定します。そして、ゴール後はそのラップ表との比較で反省をします。

今回出場するY選手は別大マラソン後も好調をキープしていました。しかし、自己記録更新と優勝の大きな目標を2つも達成した後だけに、肉体的スタミナではなく精神的スタミナの消耗が大きく、別大マラソンと同じ設定タイムで走らせることは難しいと判断しました。

一方、I選手は一昨年に出産し、ママさんランナーとなりました。その後、一旦は復活したのですが、昨年は故障や育児も重なり、どん底の状態でした。それでも昨年10月以降から少しずつ距離走ができるまでに回復してきましたが、万全な調子ではありません。

以上のことから、「どのような設定タイムで走るのがベストか?」を、東京マラソンの数日前まで迷いましたが、今回はY選手とI選手を同じ設定タイムにしました。それも後半ペースアップする設定タイムです。実は、マラソンの走り方としては前半おさえて後半ペースアップするのは理想的な感じを受けます。ところが、マラソンは当日のコンディションやレースの流れに大きく左右されるため、特に後半ペースアップする流れは偶発的にはまるケースが多く、次回以降の再現性が極めて難しいのです。

しかし、今回はマラソンに対する自信をより強固にする意味でも次のような設定タイムにしました。◆設定タイム1:1時間23分41秒(前半ハーフ)+1時間22分18秒(後半ハーフ)=2時間45分59秒(1分23秒のペースアップ/無風の場合)。◆設定タイム2:1時間23分41秒(前半ハーフ)+1時間23分41秒(後半ハーフ)=2時間47分22秒(イーブンペース/強風の場合)。※設定タイム1と2の間でゴールする。

果たして当日のコンディションは、気温がやや低い感じもしましたが、最も懸念していた風はほとんど無く、両選手とも設定タイムどおりの走りでゴールしてくれました。◆Y選手結果:1時間23分23秒(前半ハーフ)+1時間22分40秒(後半ハーフ)=2時間46分3秒(43秒のペースアップ/18位)。◆I選手結果:1時間23分25秒(前半ハーフ)+1時間23分13秒(後半ハーフ)=2時間46分38秒(12秒のペースアップ/19位)。

両選手ともゴール後は達成感に満ち溢れており、次のマラソンにつながる大きな自信を手にすることができた様子でした。もちろん、次回マラソンは「自己記録更新」を達成できるよう、引き続き地道な走り込みを継続していきます。

たくさんのご声援をありがとうございました。

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